組合員活動紹介
2024年11月18日
くらしの公開講座「ふだんからの防災の心得とは ~能登半島地震被災地の現状と課題~」を開催しました
2024年9月19日 参加79名(ウェブ参加含む)
9月の防災月間に、能登半島地震被災地支援でパルコープもお世話になっている「NPO法人リエラ」代表理事の松永さんに、ふだんからの防災への心得と現地で活動されている支援と、災害被災地における地域福祉の構築の今後の課題等についてお話いただきました。
※ご講演いただいたのは9月21日の豪雨災害の直前だったので、被害状況など変わっている部分もあります。
NPO法人リエラは、大分県日田(ひた)市に拠点があり、「地域の再生をお手伝いする(Re area)」活動を主にしています。被災地支援や防災活動支援をはじめ、移住定住支援にも力を入れています。災害が起きたあとは、地域の繋がりの有る無しで復旧力が変わってくるからです。
能登半島地震では僕自身は1月3日から現地へ入り活動。それ以降、いろんな方にバックアップをいただきながら何とか復旧・復興に向けて進んでいるような状況です。パルコープさんからは車両も2台ご寄贈いただき、物資の運搬などに活躍しています。
みなさんは、どんな防災の取り組みをされていますか?誰かが助けてくれると思わずに日常的に少しでも備えてほしいです。国が定める「災害救助法」では、避難所の設置や被災者の救出、食品などの給与・医療などの支援が定められていて、「生きた命を守るための支援」を行います。しかし、このような「公助」は100パーセントでもなくすべて行き届かないのが現状です。災害の後も、自分たちでできることはやっていくことが必要です。
いま主に活動に入っている地域では当時、冬の時期で冷え込むなか稀に見る長期的な断水・長い避難所生活を余儀なくされていました。普通の生活で当たり前の「寝る・食べる・出す(トイレ)」が整わないんですね。食事も炭水化物中心の3K(カップラーメン・菓子パン・缶詰)になりがちで、被災者には優しくないなぁと。健康状態を保ったまま、避難所から次の生活に繋ぐためにはどのような準備が必要か。自分たちで協力して食事を作る体制があれば食事に違いが出てくるし、支援される物資も変わってきます。
災害が奪うものはふたつあると思っていて、ひとつは住宅などの「損失」。もうひとつは「喪失」です。支援金など支給されて「損失」は補うことはできても、それで必ず前を向いて行ける、というものでもありません。誇り・ふるさと・気持ちの「喪失」に、人が寄り添って関わっていくことがとても大切なんじゃないかなと思います。気持ちの面で「がんばろう」と思えるのは、沢山の人が街に来てくれて勇気づけてくれるから。ぜひ、能登にみなさん来てください。