組合員活動紹介
2023年08月28日
コロナ新時代を私たちはどう生きるか ~誰もが人間らしく生きるために~
2022年度 第8回 推進学習会
2023年5月23日 会場参加30名 組合員会館で視聴13名 個人宅からのウェブ参加19名 DVD視聴参加35名(いずれも組合員委員さん)
この数年の新型コロナウイルスの感染拡大によって様々な社会問題が浮き彫りになりました。誰もが人間らしく生きることができる社会をつくるために私たちができることを考えようと、京都大学人文科学研究所准教授・藤原辰史(ふじはら たつし)さんを迎えてお話をお聞きしました。
「コロナ禍というのは、新しい問題が起こったのでは無くて、今まで起こっていた問題が重症化して、噴出したことなんです」と藤原さん。
コロナの中で何が起こっていたのかを世界視野から見ると、たとえばイタリアでは、コロナ前の10年間で公的な医療費拠出を減らし医療従事者やベッド数も激減、儲かる先進医療ばかりにお金が流れる仕組みのために、コロナ禍で対応しきれず爆発的に感染者が増えました。2020年5月ごろアメリカ・ドイツ・イギリスの食肉工場の人がクラスターで集団感染した問題では、低賃金で権利もなく劣悪な状況で働いていることが明るみになり、紐解いていくと100年以上前の移民政策にたどり着きます。世界の政治の動きも不穏で、アフターリベラル(自由の終わり)と言う状況にあると言われています。コロナのような緊急事態下では、民主主義でなくトップダウンのほうが物事が早く進むし強圧的に臨んだ方が良いのではないか、少数派は排除してしまおうという考え方がブームになってきているのではないかと。中国・ブラジル・ロシアなどの権威主義国家や表向きは民主主義を守ろうとしているG7の国でもこの考え方が広がっています。「コロナ禍で協同組合の価値は一気に高まりました。ちゃんとした所で作られている物をちゃんとした値段で買うということは、食の現場でめちゃくちゃな状況で働いている人たちを減らし、そういう人がちゃんと働くことができるようにしていく、という運動でもあると思います」。
参加者から「組合員の共同購入はエシカル(社会がより良くなるように)購入しないといけない、という基本的な考えをもう一度共有したいと思いました」などの感想が寄せられました。