組合員活動紹介

2023年08月28日

くらしの公開講座「子ども・若者の今 ~子どもの心の声が聞こえますか?~」を開催しました

井出留美さん

4月8日 京橋会場参加27名 ウェブ参加17名

 「こども家庭庁」が2023年4月に発足。一方で、コロナ禍により子ども・若者・シングルマザーの実情はさらに厳しくなっています。今の子ども・若者が置かれている社会状況をつかむため、大阪府子ども家庭サポーターや、こども家庭庁参与も務められる社会福祉士の辻由起子さんを招いてお話をお聞きしました。

井出留美さん

 少子化対策というものが叫ばれて、国は30年以上対策をしてきましたが、厳しい状況から全く変わっていないと感じることばかり。「こども家庭庁」も根本的な解決になるかどうか...。
 もっと予算付けろ、お金を配れ、食糧支援だ、と小さい政策をいくらやっても、一方で労働政策が追い付かず、賃金が全く上がっていない。共働きでないとかつての平均世帯収入に届かない実態。子どもたちの進学のお金にまで手が回らない。経済的貧困は心の貧困に繋がります。
 人類は元々、群れで生きる生き物。遺伝子を進化・発展させるために「本能で子育てをしない」「先人から学んで子育てをする」という進化をしてきたので、誰からも育児を学ぶことができなければ、抱っこや授乳の仕方すら分からなくて当たり前なんです。コロナ禍で、妊娠・出産をするお母さんをひとりぼっちにさせてしまったことは悔やんでも悔やみきれません。次世代を育ててくれている女性が9割も「孤独を感じている」という調査結果もあります。ある若いママさんはコロナ禍真っ只中の時期に出産、家族にも会えず、私に分娩台からLINEで実況中継してくれた子がいます。「どうやったら赤ちゃんっておっぱい飲んでくれるん?」「赤ちゃんおる時にみんなどうやって買い物行くん?」と。
 10代20代の孤立を防ぐNPO団体にも関わっていて、大阪・ミナミのグリコ看板下の遊歩道(グリ下)で子どもたちの困りごとを聴く相談活動も行なっています。家庭に居場所がない、食べる物がない、親もしんどい、死にたい...。若いと「働け」と言われるけど、仕事が無いんです。お金がないと家賃が払えず若いホームレスが増えています。信頼できるたった一人の人でもいいので、「できない。助けて」と言うことができれば社会と繋がれる、適切な誰かは適切な誰かに繋げてくれます。「なかよしの他人を増やす」ことが大事。それは高齢者も同じで、「ひとりぼっちにさせない」ことは全世代の課題だと思います。

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