組合員活動紹介

2023年04月24日

くらしの公開講座「プラスチックごみの問題」を開催しました

井出留美さん

2月4日 京橋会場参加16名 ウェブ参加26名

 プラスチック容器・包材の普及により、私たちのくらしは便利になってきました。しかしそれに伴い、プラスチックごみは増えています。地球のため未来のために、考える人の輪を広げていく活動につなげていこうと、京都大学・地球環境学堂准教授の浅利美鈴さんを招いてお話をお聞きしました。

井出留美さん

 浅利さんは大学で、「家庭ごみ調査」や食品ロス・プラスチックごみの問題・災害廃棄物まで研究の対象として取り上げ、学生や地域と一体となり環境教育のイベントや情報発信に取り組まれています。
 「家庭ごみ」を調べると社会の動きも見て取れると言います。重量の比率では食料品が一番多く約40パーセントですが、注目すべきは、調査を始めた1980年にはそのカテゴリーすらなかった「使い捨て商品」が2018年になると約20パーセントになること。ティッシュペーパーやウェットティッシュ・ストロー・割りばし・紙おむつ、最近ではコロナ禍によりマスクも多くなっています。一方、容積で見ると「容器・包装材」が約半数の比率になり、中でもプラスチック製が約34パーセント。プラスチック問題というのはこういった調査からも見えてきます。
 気候変動問題の解決は待ったなしですが、消費者の意識・行動をどう変えていくのか。2021年のアンケート調査では気候変動問題について「聞いたこともあり興味もある」と答えた人は、20歳代では約半分、60歳代になると約80パーセントに。さらに「行動を変えたか」の問いには、どの世代においても「変えたいと思っているが変わっていない」「特に変わっていない」が合わせて約80パーセントでした。「この、意識と行動のギャップである『頭では分かっているし、知っているが、変えられない』をどうやって変えていくのかが最大の課題です。最近では、『nudge(ナッジ)』という行動科学の知見から、人が気づかないうちにそっと肘をつつく(後押し)ことで行動を変える仕組み作りが重要ではないかとも言われています。ハイテク技術の活用というハード面も重要ですが、同時に、心の持ち方とか暮らし方・価値観というソフト面も大切です。ハードとソフト両方を変えていって、できれば楽しい循環型社会を作っていかなければならないと思います」と浅利さん。参加者も決意を新たにする学習会になりました。

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