組合員活動紹介

2021年02月22日

日本の食料自給率から見えてくること

2020年度 第2回推進学習会(2020年12月9日)

京橋事務所(本部)・各組合員会館/会場参加27名・個人宅からのウェブ参加9名(いずれも組合員活動委員)

樫原さん

 食料の多くを輸入に頼り、食料自給率は38パーセントと先進国において低い水準にある日本。私たちに何ができるのかを考え学ぼうと、関西大学・経済学部教授の、樫原正澄(かしはら まさずみ)さんを招いてお話をお聞きしました。

 食料自給率とは、一般的には食料全部を共通の尺度で評価する「総合自給率」のうちの熱量(カロリー)ベースの数値を言います。日本では1960年代には約80パーセントあったものの、日本の経済が戦後復興と為替改革などで世界との貿易が活発化するなか、徐々に下がってきた歴史があります。

 国の政策として「食料・農業・農村基本法」が1999年に作られ5年ごとに食料自給率目標を設定するも、いずれの計画も未達成。輸入をある程度規制しなければ国内の農業生産を上げることは難しいといいます。

 世界の食料事情はWTO(世界貿易機構)によって貿易自由化を行なってきましたが、各国の利害が対立しまとまらず、2国間や多国間での交渉になっているのが現状。TPP・RCEP(アルセップ)など複雑に絡み合う経済連携協定についても世界地図を使って丁寧にお話くださいました。
「世界では食料不足に陥り、栄養不足の状態にある人は8億~9億人にのぼるといいます。輸入に頼らず食料自給率を上げることは、世界の食料問題の解決にも貢献できるのです」と樫原さん。

 生協でも大切にしている「生産者と消費者の連携」もとても重要で、今後の新しい協同の課題についても触れました。
「実は“産直”は日本発祥なんですよ。世界でも近年は見直され注目されています。日本の食料・農業・環境の保持を図り、都市と農村を繋ぐ取り組みや、生産者と消費者が結びつくことが大切です」。

 参加者からは「基本計画で食料自給率45%と設定されて期待しているのですが残念ながら難しそうですね。私たちが農業・農家を支えて消費行動を考え、声を上げ、それらを続けることが大事だと思います」などの感想が出されました。

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