組合員活動紹介

2021年01月25日

プラスチックごみを考える学習会

主催:大阪府生活協同組合連合会・全大阪消費者団体連絡会・地球環境市民会議(CASA)

12月8日   会場参加 2名(大阪産業創造館)
ウェブ参加 23名(城東組合員会館ふくむ)

 全大阪消費者団体連絡会などが呼びかけて取り組まれた「家庭のプラごみ調べ」。プラスチックごみの問題を日々の暮らしから考えるスタートにしようと、2020年6月から12月まで実施し、多くの組合員さんが調査に参加されました。その中間報告と、大阪商業大学准教授・原田さんによる「家庭系プラごみ処理の現状と課題」についての学習会がありました。

講演内容についてはこちら

パルコープの組合員さんにも参加いただいた調査の結果はこちら

 「家庭のプラごみ調べ」では大阪府下全体の調査参加者204名のうち、30歳代から60歳代以上のどの世代からも参加があり、若い世代でも関心があることが分かりました。取り組み後の意識についての調査も、6割の方に「買い物やゴミ出し時にプラごみを意識するようになった」との回答があり、「世の中の人みんなに知ってほしい調査だと思った」「子どもと一緒にチェックして、自分が出したプラごみの多さに驚いていた」「魚や鳥が海洋プラスチックのために苦しんでいる現状を幼稚園・学校・企業でPRすべきと思う」という感想も出されました。

家庭系プラごみ処理の現状と課題(講演内容要旨)

 1950年代に始まったプラスチックの生産は、現在は世界中で年間約4億トンにのぼっています。その中でも一番多いものは「パッケージング(容器包装)」で、全体の生産量の約4割に。日本でも年間約1000万トンのプラスチックを生産しています。
 日本では「容器包装リサイクル法」が2000年に完全施行され、今まで単純に燃やしたり埋め立てられたりしていたプラスチックごみを再商品化するため、みんなでがんばってリサイクルしよう!と取り組んできました。
 分別・回収されたプラスチックごみは、粉々にして再びプラスチック製品になる「マテリアルリサイクル」だけでなく、鉄を製造する時に使用する高炉還元剤やコークス炉化学原料などになる「ケミカルリサイクル」もあります。「一生懸命分別して出しても、どうせ燃やしている」と言われる方もいますが、こうした高度な処理もされて、すべて有効に使われていることを知ってほしいと思います。

焼却処理に依存した日本の廃棄物処理

 しかし、日本のプラスチックのリサイクル率は約27%と世界から見ると遅れているのが現状です(グラフ参照・マテリアルリサイクル約23%・ケミカルリサイクル約4%・2017年実績)。しかも、マテリアルリサイクルのうち半分は海外での処理に頼っていたので、国内でリサイクルされているのは10%台。反対に、燃やして発電などに利用する「熱回収」は57%と多くを占め、これは1度使うと無くなるのでリサイクルにはなりません。
 プラスチックごみの中でもペットボトルが目立って多いのですが、日本では年間約250億本というとんでもない数が消費されています。その内、国内でリサイクルされているのは53%。メーカーも努力しているのですが、まだまだ追いついていません。だから、元を減らすことが重要なのです。

海洋ごみ問題は日本も無関係ではない

 海洋ごみ問題は本当に深刻になってきていて、特にアジアの国から流れ出しているごみが非常に多いことが分かっています。しかも、日本などの先進国から品質の良いプラスチックごみを輸入・処理している国のランキング上位から流出しているんです。それは、自国のプラスチックごみを処理するインフラを整備するより、安くて品質の良いプラスチックごみを処理することが優先になるから。自国のプラスチックごみが海洋に流出しているのです。
 一方で、今まで多くを処理していた中国では2018年からプラスチックごみを輸入することにブレーキをかけ、2021年には全面ストップすることが決まっています。急に行き場を失ったプラスチックごみ。もう海外に頼ることもできません。

ごみそのものを減らす努力が必要

 みなさんも一度今までの常識をうたがってみてください。「そもそも〝ごみを燃やす〟事ってどうなんだろう」と。徹底的にリサイクルしていくことが温暖化対策の意味でも求められています。そして、リサイクルを頑張ることも大事ですが、ごみそのものを減らす努力が必要です。
 環境を大事にする取り組みは、「今の生活の質を下げることになるのではないか?」という不安の声もありますが、世界ではこれからの生活を豊かにするためのものだととらえる考え方や教育も進んでいます。私たちの国でも、〝ガマン・不便〟と思わないで楽しんでごみを減らすために何ができるか、一緒に考えていけたらと思います。

「家庭の容器包装プラごみ・使い捨てプラごみ調べ」チャレンジありがとうございました

 ぱるタイム178号で呼びかけた「家庭の容器包装プラごみ・使い捨てプラごみ調べ」に7名の組合員さんから応募がありました。寄せられた感想やプラごみを減らすための工夫などご紹介します。

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