組合員活動紹介

2020年01月09日

「いつ起こるかわからない災害」~あなたならどうする?~

2019年 第3回 組合員活動推進学習会

2019年9月2日 京橋事務所(本部)参加119名(組合員活動委員)


 近年頻発している災害の中には、豪雨のようにある程度予測して備えられるものや、地震などのように予測不可能なものもあります。いざという時に、慌てず自分で判断し行動できるよう、また地域の活動にも活かすために、ダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎さんをお招きし学習会を行いました。
 ご自身も昨年の大阪北部地震で自宅に被害があったという田村さん。「修理してほしくても職人が足りないのでなかなか直してもらえない、見積もりも出ないので保険請求もままならなくて困りました。しかしこれが現在の世の中の状況なんです」。

今までどおりの備え方では、助かるものも助からない

 これから大きな災害が多発します。地球温暖化の影響で台風も多くなり、巨大地震も懸念されています。これからもっと大きな災害が起こると思って "備えて"ください。しかし、阪神淡路大震災から私たちを取り巻く状況は変化しました。また、あちこちで起こる災害に力(ボランティアなどの人の力・募金などのお金の力)が分散しています。自治体の職員数も縮小、予算も減ってしまい、復興もままなりません。高齢化が進む中で災害が頻発するという、これまでどの国も経験したことがない事態に私たちは直面しているのです。
 過去の災害を教訓に対策が良くなっていくものだと思いがちですが、"体育館にザコ寝"の避難スタイルは旧態依然のまま。住民同士の助け合いが基本となっていますが、災害が起こるといろんな方が避難してきます。外国から来た観光客には食べ物や習慣のちがいへの配慮が必要ですし、逃げ遅れる可能性が高い高齢者や障がい者など"多様性に配慮した"場所が必要です。避難してから亡くなる"関連死"も防がなくてはなりません(熊本地震では亡くなった方の8割が関連死)。地域のどこにどんな人が住んでいるのか、災害時はだれが逃げる手助けをするか、訓練を繰り返しておく必要があります。"地域で助け合おう"というフワッとしたかけ声ではなく、細かいルール作りがみんなの命を助けるんです。

地域の力で乗り越えるために

 いま、地域の防災対策に携わるのは"元気なシニア男性"が中心で、女性や子どもなど立場の弱い人のことに考えが及びにくくなりがちです。これからはいろんな立場の人が災害のことを考え、地域で誰も取り残されない対策づくりに参画する必要があります。

  • ◆「若くて力のある男性や役所に任せておけば大丈夫」という防災の古い考え方を根本から変える
  • ◆避難するタイミングを家庭や地域で決めておく・・・わかりにくい警戒レベルのために逃げ遅れないように、地域で"避難スイッチ"を決める。「自分はこういうことが起こったら避難しよう」と具体的に。子どもにも「お母さんがいなくても、こうなったら家から逃げるんやで」と話をしておく。過去に地域で起こった災害を知っておくことも重要
  • ◆多様な住民が参加する実践的な"避難所運営訓練"を繰り返し行う・・・訓練を通して常に変化する課題に気づいて計画をこまめに見直す。避難所に泊まってみると、どんな物資やどんな人材が必要かよく分かる。自分たちの地域と似た"同時に被災しない遠くの地域"と繋がり、一緒に訓練を行なってお互いに助けあうことができる関係をつくる(広域での共助)
  • ◆避難所は小規模多機能に・・・入ったこともないような遠くの体育館でなく、普段からなじみがあり、あそこにいけば安心という近くの場所に、高齢者にも外国人にも対応できる避難所を設置する
  • ◆支援物資配布方法を見直す・・・並ばなければもらえない・重くて運べないという物資でなく、必要なものがコンパクトに入った車輪がついたスーツケースのような物資セットなどにすると、仕分け作業も必要なく簡単に配ることができ、高齢者も自分で運ぶことができる
  • ◆普段の生活の中に防災の視点を取り入れる・・・困難を抱えている人が、災害時により困難になるという視点を持っておく

<参加者の感想から>

  • ・防災についてばく然としか意識無く、どこか自分は災害に合わないのではないかと甘く考えていましたから、とてもこわいお話でした。
  • ・一番印象に残ったのは「助け合いはムリ」だということ。助ける側の若い人、自治体の数がへっていて「避難所に行けばなんとかなる」と思っていた私にはとても衝撃を受けました。
  • ・金利の低下が復興に影響があるというのも驚きました。
  • ・まずは、自分の住んでいる地域を知ること。
  • ・平日の地域の現状や、多様な住民がいる事を視野に入れての訓練の見直しが必要と感じました。

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