わがまちの子ども食堂訪問記【番外編】子どもを想い 繋がる輪 ~ホテルの味を子ども食堂へお届け~
掲載日:2020年04月27日
パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。 今回は番外編として、近鉄・都ホテルズが、地域の子ども食堂で料理を提供する取り組みを追いました。
1月から猛威を振るった新型コロナウイルス。大阪市では2月29日から市立小中学校と幼稚園すべてを臨時休校・休園に。
大阪市中央区の「しま☆ルーム」では通常、毎週水曜日開催だが学校に行けない子どもたちのため、3月から臨時で週3日(月・水・木)お弁当を作って取りに来てもらう配食サービスに切り替えた。企業や団体からお弁当の支援をいただくこともあると言う。
3月11日は、近鉄・都ホテルズが運営するシェラトン都ホテル大阪から40食分のサンドイッチと菓子パンが届けられた。
娘にとっては新しい発見も
「しま☆ルーム」に通う、真奈美ちゃん(小学5年生)親子にお話をうかがいました。「ここがスタートしてすぐの頃から来させてもらっています。娘は1年前くらいにすこし発達障害があるということが分かって、苦手な人との接し方を学ばせてほしくて連れてきました。『しま☆ルーム』に来る子はみんな年齢もルーツもバラバラで個性的。たまに遠足なんかもあって家では体験できないようなこともさせてくれて、ただ食べるだけじゃない“居場所”って感じですね。
新型コロナウイルスのおかげで、小学校も子ども食堂さんもお休みになっている中、お弁当をいただけるのは本当に有難いです。先日いただいたサンドイッチを食べて、娘は『おいしかったけどパンが思ったよりかたかった~』って言うんです。今まで焼いたパンのサンドイッチを食べたことなかったから(笑)。娘にとっては新しい発見のようでした。家では焼いたパンで作るなんて手の込んだことはしませんからね~」。
天王寺区上本町にある、近鉄・都ホテルズにうかがい、ホテル運営本部・浜本さんと永木さんにお話をお聞きしました。
ホテルが地域で貢献できること「子どもたちに喜んでもらいたい」
私たち近鉄・都ホテルズは、国内外24施設にまたがる「都ホテルズ&リゾーツ」を運営している会社で、今年で創業130周年になります。ホテル業界でも、SDGs(エスディージーズ)の一環としてフードロス問題や環境問題、社会貢献などに積極的に取り組んでいこうという動きがあります。そんな中、地域に根ざしてやってきた我々としても「何か地域貢献できることはないか」と考えていました。
特に今年で開業35周年を迎えるシェラトン都ホテル大阪では、地域の皆様への感謝の気持ちもこめて、子ども食堂への支援を模索していました。
子どもたちにとって、おそらくホテルとは敷居が高くて遠い存在。そんな子どもたちにホテルの料理を提供したら喜んでもらえるのではないかと考えました。ただ、じゃあどこの子ども食堂さんに提案すればいいんだ?!と悩みました。そんな時に、パルコープさんのフードバンク事業を知ったのです。
パルコープさんは地域の子ども食堂との関わりも持っておられるようだったので、早速問い合わせ、相談させていただきました。何度か話し合った結果、ホテルのシェフが地域の子ども食堂を訪問し、その場で調理をし、できたての料理を食べてもらおうということになったんです。
パルコープさんにはパイプ役になっていただき、5月から各地域の子ども食堂を順繰りに回っていく予定です。そのリハーサルとして今回、しま☆ルームさんにご協力いただきました。今回も本番のようにその場で調理する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により調理は止めて、急遽、当ホテルのカフェで作っているサンドイッチと菓子パンをお渡しする形となりました。シェフも直接手渡しすることができ、子どもたちの笑顔を見て喜んでいましたよ。普段は厨房からはなかなかお客様のお顔を見ることができませんから。きっと従業員の意識も変わっていくことと思います。
ホテルは宿泊だけでなく食を楽しむ施設でもあります。地域貢献 から始まった話ですが、この取り組みを通じて子どもたちにホテルをもっと身近に感じてもらい、“あの時食べた味”というのを大人になってからでもぜひ楽しみに来ていただけたらなと思います。
シェラトン都ホテル大阪でされている取り組み(例)
・ストローは紙のものを使用
・「30・10(さんまるいちまる)運動※」に賛同し幹事さんにご協力の呼びかけ
・バイキングなどでできるだけ食べ残しをしないよう啓発
※会食や宴会の時、『最初の30分間と最後の10分間はお料理を楽しむことで食べ残しを減らしましょう』という運動。全国の自治体や企業で広がりを見せている。