はやしさんちのつながり食堂
掲載日:2023年11月27日
- 場所
- 大阪市北区山崎町2-7
- 開催日
- 毎月第3土曜日 16:30~18:00
- 参加料
- 子ども(高校生まで):無料 / 大人:300円
林さんご一家
パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、北区にある「はやしさんちのつながり食堂」さんです。
会場に入ると、ずらっと並んだお弁当の容器に白身フライを詰める最中だった。その数120食以上。本来なら代表の林さんご自宅の天理教北錦城分教会で調理・配布しているのだが、今は建て替え中のため近くの会館を借りて開催している。スタッフは林さんご夫妻を中心に家族、親戚、近所のお友達など。また、夏休みや春休みには、勉強会や夏祭りなど子どもたちが喜ぶイベントも行っている。その際には息子さんの友達の現役教師や保育士希望の大学生さんがボランティアに来てくれるそうだ。
「助け合い、支え合う」
つながりを作りたい
責任者の林志保さんにお話を伺いました。「忙しいパパ・ママを応援したい。地域のみなさんの居場所になりたい。地域ぐるみで『助け合い、支え合う』つながりを作りたいと、2021年10月にスタートしました。テレビなどで子ども食堂の存在を知って、友人も子ども食堂のお手伝いに行っていると話を聞いていました。最初見学に行かせてもらった食堂さんがそんなに広くないお家でされていてアットホームな雰囲気だったので『私もできそうかも』と考えたんです。教会仲間もやりたいなぁと言っていたので、見学させてもらった食堂さんに相談したら『まずは日を決めて、チラシを作ること。いつかやりたいではなかなか進まないですよ』とアドバイスをもらい、すぐにチラシを作って社会福祉協議会に登録。食品衛生責任者の講義も受けて、思い立って約2カ月後に第1回目の開催となりました。スタッフは家族・親族以外にも、教会仲間や信者さん、地域の友人、私の保育士時代の仲間ですね。今は息子のお嫁さんも手伝ってくれて嬉しいです。
ちょうどコロナ禍の真っ最中で始めたので、それからずっとお弁当のテイクアウトでしています。最初は『ほんとうに来てくれるんかなぁ…』という感じで、地域の老人会に声を掛けたり町会の掲示板でお知らせしたりして約50食を配ることができました。
子ども食堂をやりたいと言っていた教会仲間も天王寺区と中央区で同じような時期にスタート。今でもお弁当を作る時には来て手伝ったり、メニューを参考にしあったり助け合いっこしてるんですよ。一人ではできそうになくても3人で協力したら何とかなる!と始めましたが、情報交換もできて苦労も分かち合える心強い存在です。
それぞれ毎回手作りなので、メニューを考えるのがいつも大変で。それが最近の悩みですね。
基本は月1回のお弁当配布とフードパントリーで、子どもさん世帯だけでなくスタート当初に声を掛けさせてもらった地域の高齢者の方にも利用していただいています。本当は、ひとり親や低所得・生活保護を受けているような大変な世帯に利用してほしいなという想いもありますが、条件を付けてしまうと周りの目もあるし利用しづらくなるかもなと。そんな中で、気になる人に繋がっていけばいいかな。『コロナに罹ってしまって取りに行けない』と連絡があった小さいお子さんを抱えたひとり親さんに、お弁当の置き配をしたこともありました。そんな時こそ助けが要りますよね。基本は、誰かが喜んでくれればいいかなというスタンスでやってますね。
メッセージアプリを使った事前申し込み制にしていますが、今はおかげさまですぐに予約いっぱいに。予約日の前日の夜に告知するなど工夫していますが、予約できなかった方には申し訳ないのですが今の食数が限界で…。下準備など仕込みは朝から(時には前日から)自宅で家族だけでやっています。今日は肉じゃが弁当だったのでジャガイモ150個をひたすらむいていました。
学習支援の
『宿題しよう会』を開催
あわせて、学習支援として学校の長期休みに『宿題しよう会』を開催。昼食付にして、勉強の時間の後はお楽しみ企画の駄菓子屋さんやミニ縁日で盛り上がりました。おウチでお手伝いをしたカードを持って来てくれた子には、100円チケットをプレゼントするなど笑顔がつながるような工夫も。ウチのInstagramを見た見知らぬ方からダイレクトメッセージがあり、アートバルーン体験をさせてもらったこともありました。『宿題しよう会』は子どものようすも見て取れますし、息子もやる気なんで、これからも続けられたらなと思っています。
パルコープさんとは、シンママ大阪応援団の仕分けボランティアが縁で代表の寺内さんに紹介してもらいました。いただいたお米をお弁当に使わせてもらい、冷凍食品などはフードパントリーでお渡ししています。子どもさんはお菓子があると嬉しそうです。今日はハロウィンということもあり、来てくれた子どもたちにお菓子つかみ取りもしました。
社会福祉協議会やいろんな企業さんからの寄付や、Amazonみんなで応援プログラムよりお弁当カップの備品や食材などありがたく利用させていただいています。
団体名の『つながり食堂』は、この活動を通して支援の輪や個人が“ぶどうのように”繋がっていけるように、繋がるみなさんにぶどうのように丸い心で笑顔が広がり、その幹のような居場所となれるようにと願って名付けました。教会でもぶどうの房に例えた教えがあって、主人は地域でいろんな役をしていたり、おじいちゃん(康治さんの父)もかつて町会長をしていたり“人を助けるのが教えのモットー”という家庭なんですね。人が喜んでくれて自分も喜びを得るということで、子ども食堂も主人をはじめ子どもたちも協力してくれています。里親もしていて毎日にぎやかですよ。
自宅の建て替え工事が終わったら、会食も出来るようにしたり、子ども達が宿題をしたり遊んだりできるようにも考えています。みんなが和気あいあいと気軽に立ち寄れる居場所を目指して、これからも頑張って行きたいと思います」。