商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2013年3月度 化粧品のスキントラブル

<2013年3月度検査状況 13年2月21日~13年3月30日>
残留農薬 残留放射線 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規
事前商品
22 20 257 18 0 0 317
既存
取扱商品他
22 60 591 0 15 133 821
合計 44 80 848 18 15 133 1183
(昨年度1044件)

★再検査・継続検査を要するものが、微生物検査で2品ありました。微生物検査・理化学(残留農薬・食品添加物・残留放射能)検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。
★残留放射線検査:生鮮・一般食品を検査し、すべて検出せず(検出限界は20ベクレル/kg)でした. 
★卵質検査:問題ありませんでした。

●商品お問い合わせ紹介●

<お申し出内容>化粧品のスキントラブルについて
使用したらかゆみが出て、赤く腫れました。 商品に異常はないのでしょうか。

<検査室からのお答え>
 ご迷惑をおかけしました。お申し出品について、品質の変質や劣化は見られませんでした。また、職員5名にて肌に塗布して実験しましたが、問題は見られませんでした。

 化粧品は地肌に直接使われるものですので、安全性は十分考慮しておりますが、目的に応じた美容効果を持たせるため、様々な成分が配合されています。そのためご使用される全ての組合員さんのお肌に合うということは難しく、実際に肌につけてみないと分らないことがほとんどです。

  今回の原因は、何らかの配合成分がお肌に合わなかったか、気候変化や体調変化など様々な要因が重なりお肌のバランスが崩れ、刺激を受けやすくなったと推測されました。今後は、簡単なパッチテスト(試し使い)をおすすめします。今後も安心して化粧品をご利用いただけるよう、品質管理の徹底に努めてまいります。また、商品案内などで商品特徴のお知らせを分かりやすく行います。


<2013年3月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 6件(5件)
異物混入 57件(51件)
異味異臭 23件(30件)
他意見・質問など 314件(343件)
合計 400件 (429件)

★人体危害(腹痛下痢、スキントラブルなど)での、複数発生商品はありませんでした。

残留農薬検査について (2)ppmとADIとは?

前回お話しました時に、残留農薬の数値を表す単位として、一般的にはppm(ピーピーエム)が使われています。これは%(パーセント)と同じく濃度を表す単位で、%が100分の1を表すのに対して、ppmは100万分の1という非常に少ない量を表すのに用いています。ポジティブリスト制度により使用出来ない農薬の一律基準値は0.01ppmなので、これをわかりやすく説明すると、長さ25m、幅12m、深さ1mのプールに一つまみの塩(約3g)を入れた時の濃度とほぼ同じとなります。

そして、農薬が検出された時に人体に与える影響を表す指標の一つがADI(一日摂取許容量)といい、ほとんどの農薬や食品添加物に個別に定められており、人が毎日体内に一生涯摂取し続けても影響が無い量を指します。例えば、トマト1個から0.01ppmのある農薬が検出された場合、体重50kgの人がどのくらいの量を食べ続けても影響がないかというと、農薬のADIの値が0.02なら、体重50kgのADIにおける一日許容摂取量は0.5mgであり、それを元に計算すると一日に100kgのトマトを食べても健康を害する恐れはないということになります。なお、ADIにも、性別、年齢、体格などを考慮して安全係数というもので補正しており、さらに厳しい基準で設けられてあります。

<具体的な計算例>

ある農薬のADIの値: 0.02mg/kg/day
(1日あたりの体重1kgにおける農薬の量) として

体重50kgの人のADIにおける一日許容摂取量は

  50kg×0.02=1mg
  (体重×ADI)

0.01ppmの濃度: 100,000,000の1(1億分の1)

トマト1個を100gとして、その中に含まれていると思われる農薬の量は

  100g÷100,000,000=0.000001g=0.001mg
  (トマト1個の重さ÷1億分の1)

体重50kgの人の一日摂取量に換算すると

  1÷0.001×100=100,000g=100kg
  (50kg時のADI÷トマト1個に含まれる農薬の量×トマト1個の重さ)

一日にトマト100kg(1000個分)を一生涯毎日摂取しても影響はない

放射性物質による問題への取組みはこちら

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