商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2010年11月度 鏡餅

<2010年11月度検査状況 10年10月21日~10年11月20日>
残留農薬 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 34 284 21 26 0 365
抜取商品 8 411 16 5 46 486
調査品他 5 60 0 2 9 76
合計 47 755 37 33 55 927

見学件数:3件96名

★11月度は927件の検査(昨年1245件)と商品の相談受付は500件(昨年430件)でした。
★検査の結果、人体危害にかかわる不適合はありませんでした。
★新規取扱い事前検査で、3品で再検査し、内1品については取扱いを見合わせました。
★ハート栽培農産物事前検査で、3品について防除実績に無い農薬が検出されました。調査の結果、近隣圃場からの汚染が原因と判明し、産地へ栽培管理の徹底を要請しました。また、3品について残留農薬基準を超える農薬が検出され、原因の調査を依頼しています。当該生産者の出荷は実施せず、他の生産者の商品をお届けしました。
★腹痛下痢、スキントラブルなどの同一商品の複数発生はありませんでした。

●商品お問い合わせ紹介●

<お申し出内容>
鏡餅(個包装のまる餅入り)
鏡開きをした餅を見たら少し黄色くなっていた。大丈夫でしょうか?

<検査室からのお答え>
  お申し出の品を調べたところ、外観の色目は通常の範囲内で、食味についても異常はありませんでした。
 餅の色が黄色になる原因は、
(1)原料米自体の色(自然素材のため産地・産年・品種によって色調にばらつき)、
(2)餅つきの半練りの工程が不足であったこと(練りが少なくその後の杵つきが多い場合は、気泡が大きくなりややクリーム色がかる)、
(3)保管、流通時に高温の状態にさらされたため餅の水分が蒸発(水分が飛ぶと飴色に変化)が考えられます。今回については、工場保存品検査や試食・製造日報点検にはトラブルがなく、他に同様のお申し出もないことより、原因の特定には至りませんでした。
 この度のお申し出を受け、製造時の手順の順守、製造・輸送・保管中に高温環境下にならないよう、また原料米の検査について、再度、徹底を要請しました。


<2010年11月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 4件(6件)
異物混入 59件(64件)
異味異臭 35件(42件)
他意見・質問など 402件(318件)
合計 500件(430件)

 


~食品からのアルミニウム摂取について~

2010年10月26日、一部の新聞で、「東京都健康安全研究センターがホットケーキや菓子などの食品に含まれるアルミニウム量を調査した結果、1週間の暫定耐用摂取量(PTWI)基準(体重1kg当り1ミリグラム)に照らすと、幼児の場合、取りすぎになる場合がある」との記事がありました。

〈アルミニウムの人の摂取について〉

(1) アルミニウムは、地球上の物質の中でも、最も多く存在する物質の一つです。そのため人間は、日常の生活の中では主に野菜や果物、飲料水や薬、容器などを通じて摂取しています。
(1人1日当りの摂取量は2.5~13mgとされています)<WHO(世界保健機構)報告より>

(2)アルミニウムは過剰に摂取したとしても、99%以上は吸収されず、そのまま体外に排出されます。 <WHO(世界保健機構)報告より>

(3)日本の内閣府の機関である「食品安全委員会」は、今回、新聞に掲載されたPTWI(1週間の暫定耐容摂取量)について以下のように公表しています。
「(略)人が一生涯摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一週間あたりの摂取量のことであり、この値を超える物質を摂取しても直ちに健康への悪影響があるわけではありません。」 アルミニウムに限らず、バランスの取れた偏りのない食生活を心がけることが重要です。

〈今後の対応について〉

(1) 「食品安全委員会」は、現在までのところ、アルミニウムの人間への影響は、結論付けられたものはないとしており、神経系への影響は立証されておりません。
今年3月より、アルミニウムを自ら調査を行う対象として選定しており、調査・研究をスタートさせています。

(2) 生協の商品には、アルミニウムを含む「みょうばん」等を使用した商品がいくつかあります。これらは食品衛生法の規格基準に基づき適正に使用しております。このため現在、販売しているこれらの商品に大きな問題があるとは考えておりません。今後も、食品安全委員会の見解を参考に対応をしてまいります。

今回の報道を受けて、ホットケーキミックス等商品のアルミニウム含有量の実態調査を早急に行い、含有量が多い商品については低減が可能かどうかの検討を進めています。

放射性物質による問題への取組みはこちら

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