商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2010年1月度 無洗米岩手県産いわてっこ

<2010年1月度検査状況 09年12月21日~10年1月20日>
残留農薬 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 15 349 26 1 0 391
抜取商品 22 449 6 0 32 509
調査品他 33 190 0 4 0 227
合計 70 988 32 5 32 1127

★微生物検査・理化学(残留農薬・食品添加物)検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。
◆微生物検査、食品添加物(保存料)検査:新規取扱事前検査で各1品づつ再検査を要するものがありました。
 各製造者へ改善・再検査を要請しています。

<2010年1月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 7件( 13件)
異物混入 60件( 74件)
異味異臭 32件( 66件)
他意見・質問など 295件(296件)
合計 394件(449件)

★おせち春駒(出巻たまご)で、2件腹痛・下痢のお申し出(現品なし)を受付ました。製造者キープサンプル品を検査しましたが、食中毒菌など健康被害が発生する菌は確認されませんでした。また製造状況など確認しましたが、問題なくまた他に同様のお申し出もなく、腹痛・下痢との因果関係は確認できませんでした。

●商品お問い合わせ紹介●

<お申し出内容>
【無洗米岩手県産いわてっこ5Kg 】
全然美味しくなく食べられない。今まで何回か買っているがこんなことは初めてです。

<調査内容>
お預かり致しました現品を炊飯・試食しました結果、「べちゃつく」という食感が同じように感じられました。現品の品質検査においてはデータ上特に問題はない結果でしたが、目視できない「胴割れ粒」が原因と考えられました。
通常選別工程では、胴割れ粒(米粒に線のような亀裂が入った状態のもの)を機械で検知除去しますが、亀裂が極浅いものなど、検知出来ない「胴割れ」もあります。
それが輸送段階等々で振動を与えられることで亀裂が大きくなり、完全に分離してしまったものと考えられます。
今年の岩手県夏季の気象状況は、低温・日照不足で推移した為低温障害が発生し、米の生育に大きな影響を及ぼしました。この生育不良により米粒の外観は問題なかったのですが、一部に米質が例年より弱いコメが出来た可能性もあると考えられます。 工場では玄米入庫時に検査を行い、データ上問題がなければ製造を指示、搗精された精米をまた検査し、問題がなければ袋詰・出荷へと流れます。
お申し出のお米につきましては各段階で問題無く出荷されたのち、輸送時の揺れ等で亀裂が深く入り割れた米が出来た可能性が考えられます。
現在の検品状況は、玄米入荷時と搗精時にデータ分析を行っておりますが、さらに官能食味試験も行います。


09年取引先訪問が終了しました

パルコープでは、食の安全を守る「5つの活動の柱*」を基本に、より確かな品質の 商品お届けを目指しています。 食品の安全確保には、検査体制の強化など多様な取組みが必要ですが、 その原点として、生産者やお取引先のみなさんとの信頼関係の構築を重視して取組んでいます。 2002年度から、定期的(春・夏・秋・冬)に産地やお取引先のみなさんとの交流や訪問活動を 実施しています。
商品検査室の担当者も産地や工場を訪問し、産地での土壌・栽培管理の状況や作付け収穫量予想と出荷先などの確認、製造加工場では、約束された原料が正しく使用されているか、衛生管理は問題ないかなど、産地やお取引先と双方で確認し品質改善につなげています。今年度秋・冬取引先訪問は27社訪問予定で22社訪問確認終了しました。(5社は、原料等の切変わる春に変更になりました。)

09年度の訪問合計は74社となりました。訪問結果、大きな問題はありませんでした。
この間の継続した訪問により、各取引先ごとに課題が明確になっています。引続き2010年春の取引先訪問に取組み改善につなげてゆきます。

  2007年度 2008年度 2009年度
訪問取引先数 51社 74社 74社
訪問人数 151人 201人 159人

食の安全を守る「5つの活動の柱」

  • 生協の原点に立ち返り、生協ならではの商品事業のあり方を見直します。
  • 産直・地産地消を重視し生産者に、組合員の声を届け、緊張と相互信頼のある関係をめざします。
  • 安全を前提に、情報を公開し「簡単・便利・低価格」の要望を一緒に考えていきます。
  • 安全・安心を大切に、正直に公開し、誠実に対応していきます。
  • 自己責任をはたすとともに、国に対して安全の危機管理の強化を要望していきます。

<2008年通常総代会 第2号議案より>

放射性物質による問題への取組みはこちら

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