商品検査室だより

食の安全の取り組みの一環として、ホームページに毎月の検査実績と商品相談の概要をお知らせいたします。
多くの組合員さんに、検査を中心とした安全推進活動の中身を知っていただき、商品相談状況など、生協の安全の取り組みについてご紹介いたします。

2009年9月度 九州産ささがきごぼう

<2009年9月度検査状況 09年8月21日~09年9月20日>
残留農薬 微生物 食品添加物 外部委託 卵質 合計
新規事前商品 35 398 30 0 0 463
抜取商品 39 263 18 5 9 334
調査品他 9 26 0 0 1 36
合計 83 687 48 5 10 833

★検査の結果、微生物・理化学検査とも、商品回収・人体危害にかかわる不適合はありませんでした。
残留農薬検査では、ハート栽培農産物の事前検査で3品について事前に報告されていない農薬が検出され、調査しました。(検出量は、都道府県ごとに決められた残留農薬基準の基準内です)
 いずれも、産地での記載モレであることを確認し、栽培計画の使用農薬の記載を徹底するよう産地に申し入れました。

*ハート栽培農産物は、産地から事前に栽培計画を提出してもらい、原則としてお届け3週間前に実際の農薬使用報告の確認と残留農薬検査をしています。

<2009年9月度商品相談受付状況>
主なお申し出状況(昨年度)
人体有症 5件(16件)
異物混入 64件(100件)
異味異臭 38件(74件)
他意見・質問など 318件(447件)
合計 425件(637件)

★人体危害(腹痛下痢、スキントラブルなど)での、複数発生商品はありませんでした。

7月5回お届け「朝食・弁当用サーモン腹身200g(8切)」について

 7月5回お届けの「朝食・弁当用サーモン腹身200g(8切)」(賞味期限2010年5月27日分)について、異臭のお申し出を複数件いただきました。調査結果をご報告します。

【調査の結果】
 お申し出の現品は、残留農薬検査や微生物検査(食中毒菌など)をすぐに行いましたが、問題はありませんでした。更ににおいの原因調査を継続したところ、塗料の溶剤などに使用される「キシレン」が検出され、これが異臭の原因と判明しました。なお、相談品から検出されたキシレンは極微量で健康被害を起こすような量ではありませんでした。(※1)
 該当保健所も合わせて調査結果から、使用した原魚の一部に、原料産地のチリで水揚げされ冷凍加工されるまでに臭いが吸着したことがわかりました。
チリでの調査を実施し、運搬する船の船内や加工場を調査しましたが、どの段階・場所で吸着したかは確定できませんでした。

今回はせっかくご利用いただきました組合員の皆様には、ご心配・ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。(現在はこの原料を使用せず、デンマーク産に切り替えて供給しております。)今後につきましては、コープきんき事業連合とともに商品の品質管理を徹底してまいります。

※1【異臭物質の安全性について】
今回、検出しましたキシレンの濃度は240㎎/㎏でした。1切当たり6㎎です。
キシレンは毎日、体重50㎏に人の場合で、一日9000㎎が上限とされていますので、今回の検出量では健康被害につながることはありません

【フードディフェンス(意図的な犯罪からの食品防御)】
今回は、異臭のお申し出で、同一商品で2件以上の発生であったため、「外部危害」を想定したフードディフェンス(意図的な犯罪からの食品防御)の視点で調査を実施しましたが、問題ありませんでした。

パルコープではフードディフェンス対応として、「人体被害」「異味異臭」の調査依頼が同一商品で複数件発生し、原因が商品特性由来である以外と考えられるものについては、外部からの危害可能性を想定し対応をすすめています。あきらかに、事件性の可能性があると判断できるものは別途調査します。

●商品お問い合わせ紹介/特徴●

<お申し出内容>
九州産ささがきごぼう 180g:ゴボウが小さくバラバラになりすぎている。

<調査内容>
ご返却いただきました現品を確認しましたところ、ごぼうが折れた状態のものが多数混入されておりました。
当該製造日における保管サンプル及び製品抜き取り検査記録を確認致しましたが、異常はございませんでした。当該製品につきましては、カットサイズは目標値約3cm~6cmとなるように設定されております。包装前には短すぎるものは目視選別工程にて選別除去をしていますが、今回は当工程において発見・除去されなかった、または製品全体が薄い状態であり、折れやすいものであることから、包装後の保管・流通段階において強い衝撃等が加わり、折れてしまったものと推測されます。

製造工場では現品画像を包装室内に掲示し、限度見本として、基準を分かりやすくしました。
また、保管時・製品出荷時には製品の取り扱いには十分注意し、丁寧に取扱うよう徹底しました


 商品検査室の残留農薬検査は、ハート栽培農産物や産直農産物を中心に検査しています。

 ハート栽培農産物は、産地・生産者から栽培前に栽培計画が提出されます。ハート栽培農産物は、農薬及び化学肥料の使用割合を生産地域の慣行栽培と比べて3割以上減らした農産物に独自につけるマークです。
(慣行栽培とは都道府県ごとに決められた農産物に使用する農薬と、その使用回数・量また、化学肥料とその使用回数・量の栽培基準)商品検査室では、提出された栽培計画を見て、使用して良い農薬か、3割減になっているかなどを確認しています。

更に、毎月「ハート栽培確認委員会」を開催し、もう一度「栽培計画」の中身を確認しています。
その上で、お届けの3週間前(生育状況により変更あり)に事前検査を実施します。その際、実際に使用した農薬についても確認します。これで適合と認められた農産物がハート栽培農産物としてお届けされるのです! (08年度 ハート栽培農産物検査実績 423件)

放射性物質による問題への取組みはこちら

バックナンバーを見る