今年もあとわずかとなりました。年末年始を迎え、片付けの観点から是非お伝えしたいことがあります。

この時期、セールや福袋がたくさん出回ります。年末セール、新春セール、福袋の文字が街中に見られるようになり、購買意欲をかき立てます。
しかし、セールの目的は在庫処理ですし、福袋の目的はお得感を売ることです。福袋は福袋用に通常よりも質の悪いものをあえて作って用意していると言われることもあります。何より、セールや福袋を買っているうちは、なかなか片付けは捗りません。
もちろん、「前から欲しかったものが安くなっていた」という場合は良いのですが、「安いから」という理由で買うことは「お得感を買っている」だけで、そんな理由で買ってしまうと、買った時が一番満足度が高く、へたをすると家に持ち帰って開けた途端、気持ちが冷めることも。
それが洋服の場合は箪笥の肥やしとなり、雑貨や日用品だと過剰在庫になります。また、子ども服だとすぐサイズアウトして1回分のコスパで考えると非常に高価な服となってしまうこともあります。また、５点入って5000円！お得！　と手に入れても、その中の１つしか気に入らなくて、他の4点を放置していたら結局1点を5,000円で買ったようなものです。

洋服に限らず、モノは使ってこそ価値があるもの。
10,000円のものを買って10回使うと1回あたり1,000円、100回使うと100円です。しかし、妥協して「安いから買っておこう」と思って1,000円で手に入れたものを1回しか使わなかったら、1回で1,000円です。片付けの現場でそういったものをたくさん見てきました。

「これ、本当に必要かな？」
ですから、買う時は慎重に。「これ、本当に必要かな？」と、買う前に冷静になって自分自身に問いかけるだけでも抑止力になります。
ものを買う、手に入れる、という行為は「そのものの世話をしなくてはいけない」ということでもあります。片付ける場所を作ったり、手入れをすることも必要です。
ものを増やすと手間がかかります。逆に、手放すとその分の手間は不要となります。片付けをすること、物を減らすことで家事負担を減らすことができ、時間に余裕ができます。無駄遣いしなくなるとお金も貯まり、心にも余裕が生まれます。
ついつい目先のお得感を得たくなりますが、今年はちょっと冷静に考えてみませんか。