こんにちは。ようやく涼しく過ごしやすくなってきました。日中は、まだまだ暑い日もあるようですが、これからはひと雨ごとに気温が下がるとも言われていて、寒暖差が大きくなります。風邪をひかないように体調管理には気をつけてくださいね。
4月から開催されていたい関西万博がもうすぐ終わりますね。行かれましたか?
未来の技術や外国の文化や食に触れられる良い機会だったのではないかなと思います。
小さな子どもを連れての観光は大変だったと思いますが、行かれた方は、親子で貴重な体験ができたと思います。大切な思い出が増えましたね。行けなかった方もニュースやSNSで見て、聞いて、関西万博を感じられていたらいいなぁと思います。
1歳6か月健診に行く頃から、自分のやりたいこと、やりたくないことが明確になってきます。「イヤイヤ期」の始まりです。たくさん伝えたいことがあるのに、まだおしゃべりが上手にできないために、泣く・怒る・喚くなどをしながら全力で嫌を伝えてきます。ママやパパがいろんな場面で悩んでしまう時期です。
特に食事については、「食べさせなきゃ!」「ちゃんと食べないと大きくならないし...」という思いが強くなってしまい、食事の時に食べないと、「こっちはどう?」「これだったら食べられる?」と、子どもが喜ぶものを出していませんか? そうすると、子どもは泣いたら違うものを出してもらえると学んでしまいます。

違うものを出さないようにしている場合、ひと口でも食べてくれたら...と思って、「お願い!これ食べたら遊んでいいよ」「がんばって!」「ちゃんと食べないとダメ!」などのように懇願、強制していませんか?
また、「イスに座らせようと思っても、すぐに立ち上がります。イスからおりてうろうろしちゃいます。でも追いかけると食べてくれるのでついて回っています」「タブレットなどで動画を見せていると、じっとしてくれて、口を開けてくれるので助かっています」という話も聞きますが...
今は、そうすると食べてくれるので助かると思っているかもかもしれませんが、それってママやパパの望む食事風景ですか?
健診に来られるママやパパに「喜んでごはんを食べていますか?」と必ず尋ねるようにしています。「いやぁ、わからないなぁ。食べてはいるけど...」「保育園の給食は完食しているけど、家ではあまり食べない...」「好きな物だけ食べるので困っています」のような返事が返ってきます。心配ですよね。そんなとき考えてみましょう。
食環境は整っていますか?
自分で食べられるように準備している
手を使うこともあるが、スプーンやフォークも使いたいと思っているので準備する。食べさせた方が早くて、綺麗に食べられると思う方もいるが、自分で食べたいと思う気持ちが育つときなので、やらせてあげよう!だんだん上手になるよ。
保育園に行くようになると、園ではがんばるのに、家では甘えて「食べさせて」って言うことも...。そんなときは甘えさせてあげてね。給食が食べられるということは、食べる力がついてきているよ。喜んであげて!

テーブルやイスの高さが合っている
テーブルは子どものみぞおちくらいの高さになるように座ることができるイス。イスに座ったとき、両足が床または足置き台にペタッとつくこと。
テレビを消している
「料理を見る」「一緒に食べている人の顔を見る」という状況で食べられるように。スマホを見ている間に口に入れるのは、料理も食べさせてくれている人の顔も見ることができていないので、やめましょう。
大人が一緒に食べている
子どもだけで食べている状況にならないように。ママやパパが忙しい場合、祖父母と食べることもあるかな。幼児期になってくると、誰かと食べる(共食)ことは、心の発達にも良い影響を与えます。
食形態は合っていますか?
食べにくそうにしていないか(柔らかすぎる、硬すぎる)
1歳では奥歯が生えそろっていない場合があり、2歳、3歳では、歯は生えそろっていても噛む力が弱いため、繊維の多いものなど口に残りやすいもの、ペラペラしていて噛みつぶしにくいものは食べにくい。柔らかすぎるものは、噛まずに飲み込んでしまうことが多く、丸飲みしやすくなるので注意が必要。
細かく刻むと食べにくいこともある
細かく刻むと食べやすいように感じるが、口の中でバラバラになってしまうため、飲み込みにくく、むせる原因になる。
食べたい気持ちになっていますか?
お腹が空いている
前の食事、おやつの時間から、2時間以上経っているか? 1時間くらいではまだお腹が空いておらず、食べたくない。夕食の時間がとても遅い場合、翌朝はお腹が空いておらず、食べたくない。また、夕飯のときに楽しくて、いつもよりたくさん食べたとき、翌日の食事量が減ることがある。
食事の場が楽しいか
食べてほしいあまりに、注意ばかりになってない?「お行儀が...」「お箸の使い方が...」など気になると思うけど、注意しすぎると子どもは嫌になるよ。ママやパパも子どもと食べる食事の時間を楽しいと思ってもらえると嬉しいな。
1歳6か月で離乳食は完了と言われています。その後、急に大人と全く同じものが食べられるわけではなく、歯の本数や噛む力、舌の動き等で食べられるものは変わります。
子どもが食べるのを嫌がったとき、

①体調は大丈夫かな?
②お腹は空いている?
③生活リズムは整っている?
④食の形態は合っている?
⑤テーブルとイスの高さは合っているか?
など考えてみてください。今日は大丈夫でも「前に食べたときにお腹が痛くなった」「喉がかゆくなった」「怒られた」など、嫌な記憶と結びついていて食べないことがあるので、いきなり「食べなきゃダメ!」などと怒らないようにしてあげてくださいね。眠いときも食べられないので、様子を見てあげましょう。

2歳、3歳と大きくなるとママやパパの気を引きたくて、わざと口に入れたままで飲み込まないことがあります。子どもたちは、ママやパパが大好きで、一緒に楽しくご飯を食べたいと思っています。忙しいこともあると思いますが、楽しく、おしゃべりしながら一緒に食べてくださいね!
ただ、3~4歳くらいまでは、おしゃべりに夢中になると、食べることは中断してしまいます。おしゃべりはほどほどに(笑)

次回は、子どもの体調が悪いときの食事について、お話する予定です。
~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~
参考文献:
じょうずにたべる たべさせる―摂食機能の発達と援助 芽ばえ社
できる!できる!もぐもぐごっくん~赤ちゃんの咀しゃくと嚥下のお手伝い~ 2021年 増刊号 食べもの文化
偏食・少食・野菜いやいや 2022年 増刊号 食べもの文化