こんにちは。子育てに奮闘される日々、本当にお疲れさまです。
日本の古き良き躾(しつけ)や、暮らしに息づく智恵をお伝えしている、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。
日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな、暮らしの中で古くから伝わる「型」を「やまとしぐさ」と命名し、その型に込められた意味と精神性を、現代の暮らしに活かす形で皆さまにお伝えしています。
やまとしぐさは、「一心五心」という心を磨いていくためのお稽古です。
「一心五心」とは、お陰様の心、感謝、思いやり、尊敬、責任、信頼の心のことで、日本人の精神性を育ててきた大切な生き方の指針です。
さて、今回ぜひご紹介したい「やまとしぐさ」は、「レストランでのマナー」です。
外食は家族で楽しい時間を共有できる素敵な場ですが、その場をさらに気持ちよく過ごすためには、親子でマナーを意識することが大切です。
最近では、レストランでの子どもの振る舞いについて指摘を受けるケースも増えていると聞きます。これは、親が意識して手本を示せば、簡単に改善できることでもあります。親が模範を示すことで、子どもは自然と学び、良い振る舞いを身につけます。
公共の場での基本的なマナー:レストラン編
1. 静かに会話を楽しむレストランでは、楽しい会話をするのは良いことですが、大きな声で話すことは避けましょう。他のお客様にとっても快適な空間を作ることを教える機会です。
2. 席を立つときは一言断る
トイレに行くなどで席を立つ場合、「ちょっと失礼します」と一言添えることを教えましょう。こうした細やかな気遣いが、子どもの品格を育てます。
3. 食事中は走り回らない
店内で走り回るのは他のお客様やスタッフの迷惑になるだけでなく、危険な行為でもあります。「座って食事を楽しむことが大切だよ」と優しく伝えましょう。
4. 食器やカトラリーを丁寧に扱う
フォークやナイフをカチャカチャ音を立てて扱うことは避けましょう。また、食べ物を無駄にせず感謝していただく姿勢を教えることも重要です。もし、食器やナフキンを落としてしまったら、お店の人に拾ってもらいましょう。
5. 注文の際に感謝を伝える
店員さんに「お願いします」「ありがとうございます」と声をかけることで、感謝の気持ちを自然に育むことができます。
親の振る舞いが子どもの学びに
レストランでの立ち居振る舞いは、親の行動を子どもがそのまま映し出します。親が静かに食事を楽しみ、丁寧な態度を見せることで、子どもは自然とその姿勢を学び取ります。また、家での食事でも同じようにマナーを意識することで、外出先でもスムーズに良い習慣が身につきます。食事の場は人間関係を育む場
レストランでのマナーを身につけることは、ただのルールではありません。周囲の人々への配慮や感謝を表す方法であり、人間関係を円滑にする大切な心の在り方です。この小さな積み重ねが、子どもの未来をより豊かで調和の取れたものにしていきます。レストランでのマナーは、場所選びも大切。子どもも緊張感をもてるような少し落ち着いたレストランを選びましょう。楽しい時間をさらに充実させる鍵でもあります。親子で一緒に学び、少しずつ実践することで、お子さまの品格と自信が育っていくでしょう。
次回もお楽しみに!
心を込めて。
やまとしぐさ伝承学師範
辻中 公