片付けや整理整頓、ミニマムな暮らしなど、「スッキリとした暮らし」のイメージには色々な言葉が使われます。
それらに共通して大切なのは「必要なものだけを必要なだけ所有する」ことですが、「たくさんあるものは一つに絞らないといけない」と誤解されることもあります。

究極にモノを減らす一人暮らしのミニマリストならそれでも良いと思いますが、この記事を読まれている方はお子さんや家族がいらっしゃる方が多いと思います。
ですから、私はあえて「毎日の暮らしを少し楽にする片付け」という視点で「使う場所に使うものを」「複数箇所で使うものは複数用意してその場に収納」をお勧めします。

例えばボールペン。回覧板が来たときに玄関で日付を書いてサインして次に回すなら、リビングの他に玄関にもボールペンがあったほうが便利です。我が家は子どもが5人いる大家族だったため、洗面台の下に新しい歯ブラシをストックし、そこに一緒に油性ペンを収納し、交換のタイミングで名前を書いていました。
また、ハサミも分散させておくと便利です。キッチンやリビング、「手で切れます」と書いてあっても意外と切れないことがある洗剤やシャンプーの詰め替え用を開けるために脱衣所にも1本、というように。

もしも厳選した1本だけこの場所に、と決めてしまうと、使う時にわざわざ取りに行くという動作が入ります。その1つの動作きっかけで面倒になって後回しにしたり、使った後元の場所に戻しにくくなります。そうなると「散らかる」のです。「使ったら元の場所に戻す」が散らかりを予防するコツです。

赤ちゃんがいらっしゃるお宅でしたら、夜寝る時は2階、普段はリビングのベビーベッド、ご機嫌な時は日当たりのいい場所、などある程度過ごす場所が決まってくると思います。そんな時はその3箇所におしりふきやオムツなど必要なものをまとめたセットを分散して置いておくだけでお世話も楽になります。
子育て世代の忙しいみなさんにとって、見た目スッキリなオシャレなお部屋ももちろん良いですが、それより大切なことは「日々の負担をいかに少なくしてご機嫌に過ごすか」だと思います。その上で余裕があったら見た目にもこだわったインテリアにすると良いでしょう。