日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。
日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ」と命名し、その型の意味を皆様にお伝えしています。
やまとしぐさは、「一心五心」という心を磨いていくためのお稽古をお伝えしています。
「一心五心」とは、お陰様の心、感謝、思いやり、尊敬、責任、信頼の心のことで、日本人の精神性を高めてきた大事な生き方の指針。
さて、今回ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「街を歩くときのマナー」についてです。
街中は、さまざまな人々が行き交う公共の場。そのため、親子で基本的なマナーを守り、気持ちよく過ごせる空間を作ることが大切です。日常の小さな行動が、子どもの未来の行動を形づくります。
公共の場での基本的なマナー:街を歩くとき編
1. 歩きスマホをしないスマートフォンを見ながら歩くのは危険ですし、周囲の人にも迷惑をかけてしまいます。大人が率先してスマホをしまい、「目の前をしっかり見ること」を教えましょう。
2. 周囲の人に気を配る
歩道では広がって歩かない、前を歩く人を急に追い越さないなど、周囲の人への配慮を心がけましょう。「お互いに気持ちよく過ごすための工夫だよ」と伝えると、子どもにもわかりやすいです。
3. 横断歩道を渡るときは手を挙げる
小さな子どもがいる場合、横断歩道では手を挙げて運転手にアピールしましょう。この行動は安全確保だけでなく、交通ルールを守る意識を育てます。
4. ゴミは持ち帰る
街中で出たゴミは必ず持ち帰る習慣を身につけましょう。特に道端にゴミを捨てる行為は、日本の美しい景観を損ないます。子どもに「ゴミを拾うことも立派なマナーだよ」と教えるのも良いですね。
5. 公共の場では静かに
街中で大声を出したり騒いだりするのは、周囲の人にとって不快に感じられる場合があります。子どもと一緒に「街はみんなの場所」という意識を持ち、落ち着いた行動を心がけましょう。
親の行動が子どもに映る瞬間
子どもは、親の行動を鏡のように真似します。親が街中でスマートフォンをしまい、ゴミを持ち帰る姿を見せるだけで、子どもは自然とその習慣を身につけます。「街はみんなで共有する場所」という意識を家庭の中で伝えることが大切です。街でのマナーが未来を形づくる
街を歩くときのマナーは、社会生活を円滑にするための基本です。それは、他者への配慮や感謝の心を育む機会でもあります。子どもたちが気持ちよく社会で生きていけるよう、親子で一緒にマナーを考えることが未来をつくる第一歩です。街中は、小さな思いやりがあふれる場所でもあります。親子でマナーを学び合いながら、「周囲に優しい行動」を心がけていきましょう。その一歩が、子どもの品格を育て、周りの人々との良い関係を築く力となります。
次回もお楽しみに!
心を込めて。
やまとしぐさ伝承学師範
辻中公