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2024/09/10

離乳食・幼児食の知っておきたい大切なこと

食物アレルギーの除去のポイントについて

こんにちは。大きな台風が上陸して被害の出た地域もあったようです。みなさん大丈夫でしたか? 被害はありませんでしたか? 被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
気圧の変化が大きく、体調不良になられた方もあったのではないでしょうか? 時には、ゆっくり休んでくださいね。
朝晩の気温は、真夏の頃より少し下がり過ごしやすくなりました。赤ちゃんや小さな子どもたちと散歩ができると良いですね。

5か月から離乳食をスタートして、月齢に合わせた食材をチャレンジしていく中で、食べた後、いつもと様子が違う。例えば、湿疹が出た、嘔吐した、下痢をしたなどの症状がでた場合、できるだけ早く受診しましょう。食べたものが原因の症状なのか、体調が悪いことが原因の症状なのか、診てもらってください。その上で原因となった食材を完全に除去するのか、完全除去はせず、症状が出ない範囲で食べながら、様子を見るのか、医師に診断してもらった上で、離乳食を続けましょう。

診察を受ける際、「何をどのくらい食べたら、どのような症状がでたか」を伝えられると良いですね。
アレルギー症状は、時間が経つと治まってくる場合があるので、スマホで記録しておくと伝えやすいかなと思います。

食物アレルギーを発症した場合、とても心配で、不安になると思いますが、乳幼児期に発症した、卵・牛乳・小麦が原因の食物アレルギーは、3歳までに50%、就学までに70%が食べられるようになると言われています。焦らず、ゆっくり付き合ってあげてくださいね。
自己判断で、本来なら食べられるはずのものまで除去しないように気をつけてください。

完全除去をせず、症状が出ない範囲で食べさせてください、と医師から言われた場合、何gまで可能か、医師に相談することが大切。無理のない範囲で進めていきましょう。
原因となった食材をしばらく完全除去して様子を見ることになった場合、医師の指示に従って、除去しましょう。

アレルギー症状の出た食材を除去しても、他の食材を利用することで栄養の不足を心配せずに離乳食を進めることが可能です。医師から遅らせるようにという指示がない場合、離乳の基本に従って、5か月から離乳食をスタートしましょう。遅らせても食物アレルギーの発症を予防する効果はありません。食べられる食材を使って、離乳食を進めていくことが大切です。食べられる食材が増えてきたら、主食・主菜・副菜と揃えましょう。

乳児期に食物アレルギーの原因となる食べ物として多い、鶏卵、牛乳、小麦、そして食べることの多い大豆の除去のポイントをお話します。

鶏卵

鶏卵以外の食品から、たんぱく質を摂取しましょう。

鶏卵1個中のたんぱく質と同量のたんぱく質を含む食品と量の目安

牛肉(赤身肉):30g
鶏肉(むね皮なし):30g
豚肉(赤身肉):30g
魚:30g
牛乳:180ml
木綿豆腐:90g
絹ごし豆腐:120g

〇非加熱のもの(マヨネーズ、アイスクリームなど)、加熱が十分でないもの(プリン、茶碗蒸しなど)は、食物アレルギーの症状が出やすいので注意が必要。

〇加熱により、アレルゲン性が低下する。

〇離乳食で初めて与えるときには、必ず固ゆで卵を作り、卵黄のみを少量から。

〇鶏卵は、加工食品に使われていることが多いので、食品表示を注意して見るようにする。

牛乳

〇加熱をしてもアレルゲン性が低下しにくいため、注意が必要。

〇牛乳のたんぱく質源としての代替は、肉や魚などから摂取することができるが、カルシウムは不足しやすくなるので、積極的にカルシウムの多い食品を摂る。

〇乳児は、牛乳アレルゲン除去調整乳(牛乳アレルギー用ミルク)による代替をする。

牛乳90ml中のカルシウム(100mg)と同量のカルシウムを含む食品と量の目安

牛乳アレルギー用ミルク:180ml
調整豆乳:300ml
木綿豆腐:107g
絹ごし豆腐:133g
桜エビ:5g
しらす干し(半乾燥品):20g
切り干し大根(乾):20g
小松菜(生):60g

小麦

〇小麦アレルギーがある場合、主食を米飯にする。

〇米粉のパンや麺類も市販されているので利用すると良い。
ただ、100%米粉で作られていない商品もあるので、食品表示の確認が必要。

〇しょうゆは、製造過程で小麦たんぱく質は分解されるため、基本的には、除去する必要はない。

〇幼児のおもちゃに小麦粘土があり、触れても症状が出る子どもがいるので、注意が必要。

〇麦茶は大麦が原料で、たんぱく質の含有量が微量なので、飲めることが多い。
医師に相談してみてください。

大豆

〇枝豆や大豆もやしは、除去が必要。

〇大豆アレルゲンは多種類なため、豆類全てを除去する必要はない。

〇大豆油、しょうゆ、みそに含まれる大豆たんぱく質の量は微量のため、大豆アレルギーがあっても使用できる場合がある。また納豆も発酵によりアレルゲン性の低下が期待できるので、医師に相談してください。

最近、ナッツ類のアレルギーが増えています。ピーナッツ(落花生)やくるみは特定原材料8品目に入っています。離乳食で使うことはありませんが、兄弟がいて食べることがある場合、乳児ではアレルギー以外にも窒息の原因にもなるので、誤って口にしないように十分に気をつけてくださいね。

食べられるもの、食べられないものを明確にして、食べられるものの中で、色々な食材を利用して離乳食の準備をお願いします。安心して食べられるように、必ず医師に相談しながら進めてくださいね。食物アレルギーがあっても、原因となる食材以外で、おいしく、楽しく、家族と一緒に食べられますように!

次回は、「妊娠期の食事」についてお話する予定です。

~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~

参考文献:
乳幼児の食物アレルギ  診断と治療社
よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック 2021改訂版  独立行政法人環境再生保全機構
加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック  消費者庁
知って安心 園で役立つ 食物アレルギーガイドブック  株式会社メイト

河本かわもと かよ栄養士

河本 かよ

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