こんにちは。コラムを書かせて頂いて、今回100回目になりました。読んでくださっているみなさん、ありがとうございます! 読んでくださる方がおられるおかげで、長く続けさせて頂けているのだと感謝をしています。みなさんの子育ての中の「食」の部分で少しでもお役に立てられていたら嬉しいです。これからも引き続き、よろしくお願いします。
毎日、気温の差が大きく、体調がすぐれないという方も多いかも......
気温の高い日が増えてきたので、調節しやすい服装で! そして水分補給を忘れずに。赤ちゃんはお茶や水を嫌がることがありますが、少しずつ慣れて飲めるようにしてあげてくださいね。
前回から引き続き、成長に必要な栄養についてお話します。
たんぱく質
●筋肉や骨、血液など体のほとんどの部分の材料となり、体重を増やす・身長を伸ばす
●脳内の神経伝達物質の材料となる
脳や体の成長が著しい成長期には、大切な栄養素
●炭水化物を摂ることで、エネルギー源となるが、ごはんなど主食を食べる量が少ないと、たんぱく質がエネルギー源として使われてしまい、体を成長させる栄養にならない
●たんぱく質を摂取する量が少ない場合や、朝食・昼食・夕食に均等にたんぱく質を摂れない場合(夕飯にはあるが、朝食、昼食にはほとんどない)体重ののびが悪くなることがあるので、気をつける(成長障害がおこることがある)
●たんぱく質の分解、合成にはビタミンB群が必要
●たんぱく質を摂り過ぎて余った場合、尿として排泄されるため、腎臓に負担をかけてしまう
たんぱく質が含まれる量
鶏ささみ1本(40g)9.1g・卵 M1個 6.2g
まぐろ50g 13.2g・木綿豆腐50g 3.5g
納豆1パック40g 6.6g・牛乳150ml 5.0g
無糖ヨーグルト50g 1.8g
たんぱく質の食事摂取基準
0~11か月は、目安量
1歳以上は、推奨量(単位g)
男 | 女 | |
---|---|---|
0~5か月 | 10 | 10 |
6~8か月 | 15 | 15 |
9~11か月 | 25 | 25 |
1~2歳 | 20 | 20 |
3~5歳 | 25 | 25 |
6~7歳 | 30 | 30 |
8~9歳 | 40 | 40 |
10~11歳 | 45 | 50 |
12~14歳 | 60 | 55 |
15~17歳 | 65 | 55 |
18~29歳 | 65 | 50 |
30~49歳 | 65 | 50 |
50~64歳 | 65 | 50 |
65~74歳 | 60 | 50 |
75歳以上 | 60 | 50 |
妊婦初期 | +0 | |
中期 | +5 | |
後期 | +25 | |
授乳婦 | +20 |
食物繊維
●おなかの調子を整えて、よいうんちを出すのを助ける
●善玉菌を増やす
●水溶性食物繊維・・うんちが出るのをスムーズにする
●不溶性食物繊維・・うんちのカサを増して腸を刺激し排せつを促す
●食物繊維と一緒に、発酵食品を摂ることで、腸内環境が良くなる
●カルシウムや鉄などの吸収を妨げてしまうので、摂り過ぎに注意する
食物繊維が含まれる量
ごはん100g 1.5g・さつまいも50g 1.1g
りんご1/2個 1.5g・ほうれん草30g 0.8g
ブロッコリー25g 2.0g
食物繊維の食事摂取基準
目標量(g)
男 | 女 | |
---|---|---|
2歳以下 | 設定なし | 設定なし |
3~5歳 | 8以上 | 8以上 |
6~7歳 | 10以上 | 10以上 |
8~9歳 | 11以上 | 11以上 |
10~11歳 | 13以上 | 13以上 |
12~14歳 | 17以上 | 17以上 |
15~17歳 | 19以上 | 18以上 |
18~29歳 | 21以上 | 18以上 |
30~49歳 | 21以上 | 18以上 |
50~64歳 | 21以上 | 18以上 |
65~74歳 | 20以上 | 17以上 |
75歳以上 | 20以上 | 17以上 |
妊婦 | 18以上 | |
授乳婦 | 18以上 |
亜鉛
●味覚を正常に保つ
●新陳代謝や成長を助ける
●組織の修復に必要
●肉や魚介を積極的に摂る
●加工食品には、亜鉛の吸収を妨げる添加物が使われていることがあるので、加工食品のとりすぎに気をつける
亜鉛が含まれる量
牛もも肉50g 2.3mg・豚もも肉50g 0.6mg
鶏レバー30g 1.0mg・卵1個 0.6mg
納豆40g 0.8mg・スライスチーズ1枚 0.6mg
さば80g 0.7mg
かき むき身20g 2.8mg(離乳食にはむかない)
亜鉛の食事摂取基準
0~11か月は目標量
1歳以上は推奨量(mg)
男 | 女 | 0~5か月 | 2 | 2 |
---|---|---|
6~11か月 | 3 | 3 |
1~2歳 | 3 | 3 |
3~5歳 | 4 | 3 |
6~7歳 | 5 | 4 |
8~9歳 | 6 | 5 |
10~11歳 | 7 | 6 |
12~14歳 | 10 | 8 |
15~17歳 | 12 | 8 |
18~29歳 | 11 | 8 |
30~49歳 | 11 | 8 |
50~64歳 | 11 | 8 |
65~74歳 | 11 | 8 |
75歳以上 | 10 | 8 |
妊婦 | +2 | |
授乳婦 | +4 |
様々な栄養素の中から、成長期の子どもたちに不足がないように、気をつけてほしいものについてお話しました。ひとつひとつの栄養素にこだわってしまうと、食事が楽しくなくなるので、料理を用意してくださった時に、「あっ!今日はカルシウム多めだな」など気が付いてくださるきっかけになればいいなと思っています。
用意したから、是が非でも食べさせなくっちゃ!と気合が入ってしまわないように 気をつけてくださいね。食事の場が楽しい、心地の良い場所になれば、おいしく食べられます。おいしく食べられれば、だんだん量も増えていきます。結果として、赤ちゃんや子どもたちが、色々な料理をしっかり食べて、元気にすくすくと育ってくれると嬉しく思います。
次回は、おやつについて、お話する予定です。
~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~
参考文献:
いただきますごちそうさま 2019冬号 (株)メイト社
知っておきたい栄養学 (株)学研プラス
はじめてママ&パパの子どもの栄養 (株)主婦の友社
日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省
いちばんわかりやすい栄養学の基本講座 成美堂出版