この度の令和6年能登半島地震で被害にあわれたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。みなさまの一日も早い復興をお祈り申し上げます。
みなさんお花見に行きましたか? 満開の桜は綺麗で、春になったな、暖かくて過ごしやすい季節になったなと感じられて、ウキウキとした気分になりますね。ただ、気温差が大きく天気も変わりやすいため、気をつけて過ごしてくださいね。花粉症の方は、まだしばらく注意が必要ですね。みなさんそれぞれお大事に!
食事の基本って...?
離乳食も、幼児食も、大人の食事も献立を考える基本は同じです。
毎食、このように揃えることが大切!
「毎食は無理だ~」などと言いながら、きっとみなさん気をつけて揃うようにしてくださっていると思います。
食事を用意する中で、「これは!」という食材は何ですか? と、聞かれることがよくあります。正直な話、みなさんも薄々感じておられると思いますが、「これを食べていれば大丈夫!」という食材はありません。
しかし、こんな栄養素があって、○○と一緒に摂ると良いよ、というのはあります。そして、ママやパパにも大切だけど、成長著しい赤ちゃんや子どもたちには、さらに積極的に摂ってほしい栄養素があるので、今回はそのことについてお話をします。
カルシウム
〇丈夫な骨や歯をつくる。体内のカルシウムのうち1%は、血液中に存在し、筋肉を収縮させたり、精神を安定させる。
〇カルシウムは吸収されにくい栄養素のため、毎日少しずつ摂ることが大切。
〇思春期の頃が人生で一番多く必要で、20歳頃骨密度が最大となる。3歳頃になると大人と同じくらいの量が必要になる。
〇吸収率は牛乳、乳製品が一番よく約40%、小魚は約30%、野菜は約20%。ビタミンDと一緒に摂ると、吸収を促し、骨に沈着させる。
〇酸味のあるもの・・吸収率アップ
〇加工食品に含まれるリンは、小腸でカルシウムの吸収を妨げ、カルシウムを一緒に体外に排出させる。
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カルシウムの一日の目安摂取量
(単位mg)
男 女 6~11か月 250 250 1~2歳 450 400 3~7歳 600 550 8~9歳 650 750 10~11歳 700 750 12~14歳 1000 800 15~17歳 800 650 18~29歳 800 650 30~49歳 750 650 50~64歳 750 650 65~74歳 750 650 75歳以上 700 600 -
カルシウムを多く含むもの
(100gあたり)
牛乳 110mg 乳製品(ヨーグルト) 120mg 乳製品(チーズ) 630mg しらす干し 26mg さば水煮缶 260mg 大豆製品(厚揚げ) 240mg 大豆製品(木綿豆腐) 93mg 小松菜 170mg 大根の葉 260mg
酸味のあるもの
レモン・梅干し・ケチャップ・酢
※酸味は子どもにとって苦手なことが多いが、少量ずつ使ううちに慣れて食べられるようになる
ビタミンDを多く含むもの
鮭・きのこ類・干ししいたけ
※魚の缶詰でもよい。きのこ類は食べにくい子どもがいるので、細かく切ってハンバーグ等に混ぜてもよい。
鉄分
〇赤血球のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素や栄養を運ぶ機能鉄。
〇肝臓などに蓄えられている貯蔵鉄は、機能鉄が不足したときに使われる。赤ちゃんは、ママのお腹にいるときもらって蓄えていた鉄を、成長するために使い6~7か月頃に使い果たしてしまう。母乳やミルクには、鉄分が少ないので、離乳食から摂る必要が出てくる。
〇動物性食品に含まれる鉄をヘム鉄といい吸収率がよく、腸からの吸収を促すたんぱく質も一緒に摂ることができる。
〇野菜などに含まれる鉄を非ヘム鉄といい、ヘム鉄に比べると吸収率は落ちるが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップする。
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鉄分の一日の目安摂取量
(単位mg)
男 女 0~5か月 0.5 0.5 6~11か月 5.0 4.5 1~2歳 4.5 4.5 3~5歳 5.5 5.5 6~7歳 5.5 5.5 8~9歳 7.0 7.5 10~11歳 8.0 8.5(12.0) 12~14歳 10.0 8.5(12.0) 15~17歳 10.0 7.0(10.5) 18~29歳 7.5 6.5(10.5) 30~49歳 7.5 6.5(10.5) 50~64歳 7.5 6.5(11.0) 65~74歳 7.5 6.0 75歳以上 7.0 6.0 ( )は月経あり
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鉄を多く含むもの
(100gあたり)
牛もも赤身 2.7mg かつお 1.9mg あさり※ 3.8mg まぐろ 1.1mg 納豆 3.3mg 木綿豆腐 1.5mg ほうれん草 2.0mg 小松菜 2.8mg 大根の葉 3.1mg ※離乳食には不向きな食材
ビタミンCを多く含むもの
じゃがいも・さつまいも・キャベツ・果物
たんぱく質を多く含むもの
肉・魚・卵・大豆・大豆製品・牛乳・乳製品
離乳食の中期から、積極的に取り入れましょう。

次回は、成長期に必要な栄養についての続きを、お話する予定です。
~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~
参考文献:
いただきますごちそうさま 2019冬号 (株)メイト社
知っておきたい栄養学 (株)学研プラス
はじめてママ&パパの子どもの栄養 (株)主婦の友社
日本人の食事摂取基準(2020年版) 厚生労働省