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2024/02/01

ママに贈る魔法のメッセージ

節分と立春

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ」と命名し、その型の意味を皆様にお伝えしています。

やまとしぐさは、「一心五心」という心を磨いていくためのお稽古をお伝えしています。
「一心五心」とは、お陰様の心、感謝、思いやり、尊敬、責任、信頼の心のことで、日本人の精神性を高めてきた大事な生き方の指針。

さて、今回ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「立春と節分」について。

立春と節分「すべてよきこと」

毎年二月四日辺りに「立春」があり、暦ではこの日から春が始まります。
この立春の日にする「おまじない」があります。それは、白い紙に「立春大吉」と書いて玄関や門、床の間に感謝しながら貼るものです。立春から一年、家の中に災いが入ってこなくなるおまじないです。

昔の暦では、立春からが新年です。春は冬の間に蓄えた力で種も芽吹き始め、寸分の狂いなく、すべて調うのです。

その春を迎える前日が「節分」

冬から春へ、心も気持ちもしっかり切り替え、次へ飛躍するための「型」が節分の行事です。その行事に欠かせないのが「数え年」という習慣。
立春では、皆がひとつ齢を重ねます。日本ならではの数え方で、誕生日を待たずに今の年齢にひとつ足して勘定するのが「数え年」。ですから、節分には数え年(今の年齢にひとつ多め)の豆をいただいてください。

そして、節分では豆まきをしますね。日本神話の中では、天上世界からいただいた五穀のひとつが大豆です(ちなみに五穀とは稲・粟・小豆・麦・大豆のこと)。今は大豆をまきますが、昔は小豆をまいていました。赤い色が邪気を祓うといわれているからです。
豆まきの掛け声は、「福はー内! 鬼はー外!」(世の中に役立つ力は、一人ずつに内なる力としてありますよ、と確認する言霊。自分の中の怠け心や、後ろ向きの心を退治します)
さて、ここからは節分におけるやまとしぐさの意味をお伝えします。
鬼は外の「鬼」についてですが、鬼は悪い存在ではありません。鬼は、自分の中に隠れている力に気づかせてくれる存在なのです。
昔話には鬼がよく登場しますが、「桃太郎」では、村人を救うため鬼ヶ島へ向かう勇敢な若者へと桃太郎が成長しますが、これは鬼がいたおかげです。鬼が村人を困らせるので、退治しにいくという勇敢な心が生まれます。そしてサル、トリ、イヌというお供に出会うのです。
このように、鬼は自分の知らない力に気づかせてくれる存在なのです。

また、鬼を「やっつけた」のではなく、「退治=対峙(タイジ)」したのです。
お互いが向き合って話し合い、意見を交換する「対峙」です。争うのではなく、仲良くする智恵を伝えています。

これが私たちの生き方

色々な出来事や言葉で善し悪しを分けてしまうことがありますが、二元論で「善」と「悪」に決めてはいけません。悪のお陰で善に気づき、善のお陰で悪を戒められます。だからどんなことも有り難く、どんな出来事も「お陰様」と捉え「すべてよきこと」なのです。

今年の節分からは「すべてよきこと」という心で始める一年にしてください。
ぜひ「立春大吉」のおまじないで、2月からの本格的な新年を迎えましょう。

やまとしぐさ伝承学師範
辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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