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2023/10/02

ママに贈る魔法のメッセージ

おまじないの言葉~神様のバチが当たる~

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ」と命名し、その型の意味を皆様にお伝えしています。

さて、今回ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「おまじないの言葉~神様のバチが当たる~」について。

「神様のバチが当たるよ」
そんなことを親や、祖父母に言われたことはありませんか?
今でも自分自身の行動を戒めてくれている言葉になっている人も多いです。根拠を説明することはできませんが、子どもたちに使っている人はいませんか?
私は、昔から母に「お茶椀にごはん粒を残すと、バチが当たって目がつぶれる」と言われてきました。バチが当たったら大変だ、と一粒一粒口に運んでいたことを思い出します。
地域によっては「米には三柱の神(三体の仏)が宿っている」「米は天照大御神の目」「ご飯粒を残す人は出世しない」「ご飯一粒一粒に七人の神様がいる」などというそうです。
いずれにしても、お米の大切さを表現しています。

日本の神話には、お米は神様からいただいた神聖な食べ物だと記してあります。アマテラスオオミカミは、孫のニニギノミコトが日本を治めることになったとき、「稲作をすることで、平和で豊かな国になるように」と祈りを込めて、稲を授けました。稲は命の根です。そのため、日本は瑞々しい稲穂が実る国であるという意味の「豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに)」と呼ばれています。
このように日本では、植物、動物、人物などというモノには命があり、すべて同じで繋がっていると捉えています。

太古からの意識を、私たちはどのくらい大切にできているでしょうか。
私の舅は、一粒残さずご飯を食べた後、お茶碗にお茶をいれて飲んでいました。一粒どころか、お茶碗の内側にへばりついているご飯もこそげて、食事をしていたのです。舅のお茶碗はいつもピカピカです。
友人は、子どものお茶碗に残っているご飯粒を箸できれいに集め、「きれいに食べられたね。ご飯が『全部食べてくれて有り難う』って言っているね」と声を掛けています。
私が通っていた短期大学保育科では、離乳食の調理実習があり、学生が重湯のお米を研ぐときに、たくさんの米粒が洗い場に流れている様子を見て先生が「美しく研ぎなさい、米粒ひとつ無駄にするような人は子どもを保育する資格がないよ」と言いました。

幼稚園教諭になってからは、子どもたちと田植えや稲刈りをし、成長する過程を共に喜びました。これら出会った人たちの行いや言葉、体験のひとつひとつが私の宝物です。
最近は、最後の一粒まで食べることを教えられていない人が多くなり「お金を支払っているのだから残して何が悪いんだ」という人や、バイキングで食べきれないほどの量を皿に盛り付けて、平気で残している人がいます。 もう一度、私たちはモノ言わぬ命をいただいていることに感謝の念を抱いて、一粒残さず食事をいただく姿勢を身につけたいですね。

やまとしぐさ伝承学師範
辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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