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2022/11/01

ママに贈る魔法のメッセージ

ほんの些細な言葉遣い

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ 」と命名し、その型の意味を皆様にお伝えしています。

さて、今回ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「ほんの些細な言葉遣い」について。

一緒に食事をしていて、
「この料理、気に入らないから食べてちょうだい」とお皿を渡される時と、
「この料理、美味しいから食べてちょうだい」と言われる時では、同じ料理でも味が変わるような気がします。
「気に入らないから」と渡された時には、自分好みの料理でも美味しくなくなります。

お裾分けでは、言葉にしていなくても、
「このクッキー、口に合わないからお隣さんにあげようかな」と思うのと、
「このクッキー、美味しいからお隣さんにあげたいな」と思うのでは随分違います。心の中の言葉の使い方で味が違って思えます。いらないものを渡すのではなく、大切なものだから差し上げたいという意識は大切です。

茶道の先生が娘の海外留学のお祝いに、茶筅(ちゃせん)をくださいました。
それは先生の下で稽古するときに何度も触れていた大切なお稽古道具のひとつで、それを先生は娘にくださったのです。
先生は「海外に行ってからも、これで皆さんにお茶を点ててね」、「ここでご一緒した方々はみんな応援していますよ」と仰いました。
使い古しを渡すなんて...。と現代の人は思うかもしれませんが、思い出のものをいただけて娘は喜んでいました。

些細な言葉は口に出さなくても心の中で自分が一番よく聞いています。誰が聞いても心地よい、安心する言葉を常に発するようにしたいですね。 頂き物やお渡しするものに形を重視してしまいがちな世の中ですが、やはり心がこもってこそ、です。
どんなものにもお互いが感謝の気持ちを忘れない言葉を話すことで、人生が豊かになります。

やまとしぐさ伝承学師範
辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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