こんにちは。暑い日が続いていますが、元気に過ごしていますか?
梅雨が早く明けたと思ったら、豪雨の地域があったり。晴れたら、気温が高くなったり......
赤ちゃんとの散歩もできにくい状況かなと思いますが、涼しい時間帯を選んで、外に出てみる、人の少ない公園に行ってみるなど、親子で気分転換ができますように。
7月から再びコロナの感染が拡大しています。医療現場等で働く方々、ありがとうございます。それぞれができる感染対策を引き続きして、予防を心がけましょう。一日も早く落ち着きますように。
今回は、食物アレルギーと離乳食についてお話します。
食物アレルギーとは?
食物を摂取した際、身体が食物に含まれるタンパク質を異物として認識し、自分の身体を防御するために過敏な反応を起こすことがあり、これを「食物アレルギー」といいます。
食物アレルギーと間違いやすい病気
食中毒・・・原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内に侵入することにより発生する。同じ食事をしたとき、複数の人に同時に発症することが多い。
乳糖不耐症・・・乳糖が消化できない体質のため、牛乳を飲むと下痢をする。
仮性アレルゲン・・・食物に含まれるヒスタミンなどに反応し、アレルギーと似た症状を起こす。トマト・ほうれん草・鯖やイワシなどを与えるときは注意する。
アレルギー物質の食品表示について
表示の義務があるもの (特定原材料7品目) |
えび、かに、小麦、そば、 卵、乳、落花生(ピーナッツ) |
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表示が推奨されているもの (特定原材料に準ずるもの 21品目) |
アーモンド、あわび、いか、いくら、 オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、 牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、 鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、 やまいも、りんご、ゼラチン |
↑上の表は横スクロールでご覧いただけます
2019年9月、消費者庁からアレルギー表示推奨品目に「アーモンド」の追加が発表され、計21品目になりました。
表示義務のある7品目が含まれていても、対面販売の惣菜などで、表示されない場合があるので、アレルギーのある子どもをお持ちの方は、注意してくださいね。
「食物アレルギーが怖いので、離乳食のスタートを遅らせたい。」「卵はしばらく与えなくていいかな。」などの相談を受けます。みなさんはどうですか? 確かに心配ですよね。たくさんの情報があるので、どうしたら良いかなぁと迷っているうちに、赤ちゃんはどんどん大きくなって、離乳食のスタートが遅れてしまった......という人もおられるのでは?
アレルギーを心配する気持ちはわかりますが、離乳食は、生後5~6か月になり、体調がよく、機嫌の良いときにスタートしましょう。遅らせると栄養が足りなくなったり、食べることになかなか慣れなくなるので、適切な時期にスタートしてくださいね。
厚生労働省から出ている「離乳の基本」にも記載されています。
食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという化学的根拠はない。
離乳食をスタートしたら、その食材を初めて食べる時は、少量にします。少しずつ慣らして、増やしていきます。
万が一、気になる症状が現れたら、必ず診察を受けましょう。皮膚症状は、病院に到着する頃には、落ち着いていることもあるので、スマホで写真を撮っておくと、先生に伝えやすいかなと思います。ただし余裕がないときは無理をしないこと。
「いつ、何を、どのくらい食べて、どのような症状が出たか、どのくらい続いていたか」
受診したときに伝えられるようにしておきましょう。
食物アレルギーと診断されたら・・・
※原因となる食品を誤って食べない・食べさせない!
〇 正しい診断に基づいて除去すること。(食べると症状が誘発される食物だけを除去する)
自己判断は禁物です。
〇 医師の診断を基に、症状が誘発されない、食べられる範囲まで食べることを目指す。
症状が出た直後は、完全除去になると思いますが、その後は医師に相談しながら、進めます。
〇 十分な誤食防止をすること。
兄弟が食べていたものに手を伸ばした。落ちているものを拾って食べたなどが、誤食の原因となることが多いので、十分に注意しましょう。
〇 食物除去による栄養摂取不足にならないように気をつける。
除去によって、栄養が不足しないように、代わりになるものを取り入れていきます。
医師から除去するように言われた食材以外は、普通に進めていきましょう。
卵アレルギーの場合。
卵 Мサイズ 1こに含まれるたんぱく質(約6g)代替えの目安。
鶏肉 30g
豚肉 30g
牛肉 30g
魚 30g
絹ごし豆腐 120g
牛乳 180ml
牛乳アレルギーの場合。
牛乳 90mlに含まれるカルシウム(100mg)代替えの目安。
アレルギー用ミルク 180ml
木綿豆腐 約80g
桜エビ 5g
ししゃも 約30g
ひじき(乾燥)約7g
食物アレルギーがあっても、他の食材でカバーすることは可能です。
食べられない、除去する食材のことばかり考えていると、離乳食がなかなか進まないと思います。食べられる食材を使って、主食・主菜・副菜を揃えられるように、離乳食の準備を進めてくださいね。
大丈夫です。焦らずに進めましょう。まずは食べる楽しさを!
次回は「赤ちゃんが離乳食を嫌がったとき、どうするの?」について、お話をする予定です。
~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~
参考文献:
離乳の基本 厚生労働省
食物アレルギー食品表示について 消費者庁
食物アレルギーをこわがらないはじめての離乳食 主婦の友社
よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック 独立行政法人環境再生保全機構
おいしく治す食物アレルギー攻略法 あいち小児保健医療総合センター