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2022/07/01

ママに贈る魔法のメッセージ

命と向き合う

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ 」と命名し、その型の意味を皆様にお伝えしています。

さて、今回ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「命と向き合う」について。

お花をいただくと嬉しいものですが、差し上げるのもワクワクします。
しかし、お花も生きていますから、一つの命として向かい合う気持ちが大切です。
お花を無闇に摘んでしまうのは賛同しませんが、ひっそりどこかで咲いているよりも床の間に飾られ、愛でてもらい、みんなの心を和ませていることで、花の命は喜んでいるのかもしれません。

ただ、忘れてならないのは、そんなお花への感謝です。
自分本位に摘み取るのではなく命と向き合うことが大切なのです。
その命を知る文化が華道なのです。

私がお嫁に行く時代は、花嫁修行の一つとして、華道のお稽古をするのが一般的でした。華道のお稽古で初めに先生に教えられたことが私には衝撃でした。

それは、生ける前に花に真っ直ぐに向き合って、「ありがとうございます」とお辞儀をしてから始めること。花を生けるということは、花の命を扱うということ。感謝のない人は花を活けてはいけない、ということでした。

根っこから水分を吸い上げていた花が、切り花になった途端、茎の切り口から水を吸い上げなければなりません。そのため、水に生けても茎に水があがっていかないことがあります。花を生けるときには、水の中で茎を切り直し、もう一度、花の先端まで水を行き渡らせ、生き返らせることが大切です。これが「水あげ」です。
そして、花瓶の水も毎日替えます。私たちも、ずっとコップに入ったままの水を何日も飲むのはいやなものです。

このように、まず命と向き合うことから、と教わりました。

子どもたちが、草花を摘んできてプレゼントしてくれることがあるでしょう。そんな時、「ありがとう」の言葉と共に、水を毎日替えることを親子でやっていきましょう。

華道のお稽古は、母に勧められ渋々はじめのですが、命に向き合う先生の姿を拝見させていただけたことが、一生の財産になりました。
日本には「道」のつくお稽古がたくさんあります。華道、茶道、書道、剣道など、命に向き合う文化です。今はお稽古をする人が減っていますので、ぜひ皆様自身やお子様に「道」のつくお稽古をしていただき、ご自身でこの日本の文化を味わっていただきたいのです。

やまとしぐさ伝承学師範
辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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