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2022/04/01

ママに贈る魔法のメッセージ

見本になるオトナになる

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ 」と命名し、その型の意味を皆様にお伝えしています。

さて、今回ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「見本になるオトナになる」について。

30年ほど前、私は幼稚園の先生をしていました。
子どもたちから見本になるオトナになることを信念に、男性の園長先生が、先生教育に力を入れ、主任の女性先生が、実践できるように導いてくれる幼稚園でした。
進む道を決めるのは、男性の園長先生。
地盤を固めるのは女性の主任先生。実践するのは私たちである、という役割分担でした。この仕事のお陰で、私は生きる地盤固めができました。

常に自覚を促されたことは「あなたは、この幼稚園の看板を背負っているのですよ」ということでした。一歩外に出たら、あなたはこの幼稚園の代表だから、常に教育者であることを忘れないでね、と言われていました。
この言葉が嬉しくて身が引き締まる思いでいました。
我が身を振り返る度に、ここの先生として恥ずかしくない行いができているだろうか、という自分の軸を確認することができました。

いくつか「先生の決まりごと」というのがあったのですが、そのひとつに「通勤での歩き方」というのがありました。通勤途中では、一人ひとりがこの幼稚園の看板を背負っている自覚を持ち行動するように、という内容で、例えば、道路を渡るときは必ず横断歩道を渡ること、ですとか、道では右側を歩くこと、道を歩くときは広がって歩かないこと、といったことがたくさんありました。

つまり、幼稚園で子どもたちに伝えていることを自ら行う、ということ。子どもたちに守って欲しいことやして欲しいことは、まず自分が率先して模範となることで、子どもたちに伝わる、ということです。
今でも横断歩道をみると、この通勤での歩き方を思い出します。
30年も昔のことですが、身が引き締まり仕事をしていた時のことを誇らしく思い出す瞬間です。

このように「通勤での歩き方」というカタチを通して「幼稚園の看板を背負っている自覚」が、結婚した時には「家の看板を背負っている自覚」へと繋がりました。
嫁として、どなたにでも笑顔で挨拶をするカタチを意識しました。
外に出れば、辻中の家のことや主人のことを知っている人がどこにいるか分かりません。ですからどんな時にも、どなたにでも、笑顔で挨拶をするようにしました。
壁に耳あり障子に目あり。車を運転している時も、会話も、辻中の家の方々に嫁として迷惑を掛けないように意識しています。
子どもたちにも「辻中家の子どもという自覚をもって行動してね。あなたたちは、この家の代表だから」と伝えています。

このように、どんな時にも私たちは何かの看板を常に背負っている自覚が必要です。職場の看板、家の看板、習い事の看板、サークルなどのコミュニティの看板などです。看板を背負うことで、責任感も湧いてくるはずです。
子どもはこれから、自分の足で立ち、歩いていきます。その日のために、まず私たちが、見本になるオトナになることで、その姿をもって、子どもたちに背中を見せていきましょう。
私もまだまだですが、「看板を背負っている自覚」を「かたち」として、見出し続けていきます。
思いをかたちにする、その姿をもって一心五心(お陰様、感謝・思いやり・尊敬・責任・信頼)の道を繋いで参りましょう。

やまとしぐさ伝承学師範 辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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