マシュマロCLUB

マシュマロCLUB

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの、所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や、心の育み方を伝え残してきました。
そんな、暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ 」と命名し、その型の意味を、皆様にお伝えしています。

さて、今回、ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「癒す」」について。

元々体つきが柔らかいのが女性です。思春期になると脂肪がついてふっくらするのは、子どもを産む体の準備が始まっているからです。手も足も弾力があり柔らかなので、赤ちゃんも女性に抱っこされると居心地良く感じます。
体型と同じように、女性は物腰が柔らかであることが似合います。これが女性ならではの特質。
「物腰」とは、言葉遣いや周囲の人に対する態度のことを表し、「柔らかい」とは、穏やかな様子を意味する言葉です。このことから、物腰が柔らかいとは「言葉遣いや人への態度が穏やか」という意味になります。

私が勤めていた幼稚園には、保父さんがいました。教育現場に携わる男性の保育士のことです。子どもたちは鬼ごっこや外での遊びをする時は、保父さんに群がります。転んでも立ち上がり、泥んこになって遊んでいました。しかし、眠たくなったり体調が悪くなると、女性の先生のところに行きます。そして膝の上に座ったり、抱っこをせがむのです。子どもは本能のまま、大人の特質を見分けて、自分の想いをぶつけているのでしょう。
ある日、お腹が痛いと訴えてきた子どもがいました。本当は甘えているだけのようです。こんな時、ついつい「嘘をつくんじゃないわよ」とか、「大丈夫、大丈夫」と言って取り合わないことがあると思いますが、こんな時だからこそ、やまとなでしこの出番です。本当はお腹が痛くないことも分かっていながら、甘えている子どもを抱きしめて、穏やかに応えてあげてください。
おでこに手を当てたり、子どものおでこと自分のおでこをくっつけて、熱がないか確かめてあげたり、お腹をさすってあげると、子どもは安心できるはずです。柔らかく癒されるだけで、ホッとするのです。

昔からこんな時に使うおまじないがあります。「痛いの痛いの飛んでいけー!」。子どものお腹に手を当てて、痛いのをどこかに飛ばしてあげるのです。そうすると、不思議なことに痛みが和らぎます。

例えば関西では、「痛いの痛いの、お父さんに飛んでいけー!」と言ってお父さんに飛ばします。するとお父さんは「痛い、痛い!」と演技をしながら、今度はお母さんに向かって「痛いの痛いの、お母さんに飛んでいけー!」と言います。またお母さんは「痛い、痛い!」と演技をして、「痛いの痛いの、天のお空に飛んでいけー!」と言うんです。こうして家族団欒に癒され、子どもは笑顔になり、本当に痛みはどこかに飛んでいってしまいます。
こんな風に、構って欲しい、甘えたいからお腹が痛いというときには、おまじないを使って、その場を笑顔で包み込めるようなやまとなでしこになってください。
小さな子どもだけでなく、思春期でも大人でも、ホルモンバランスの変化や人間関係の中で不安や疲れ、甘えたくなることがあります。そんな時は、肩をたたいたりマッサージをすることで、体と心を癒すことができます。
但しお医者さんにいった方が良い場合もありますので、しっかり見極めてくださいね。

このように柔らかな言葉や態度で、お陰様の心、感謝、思いやり、尊敬、責任、信頼、の心を表現することができます。
これからも、一つひとつ大切なことをお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願いします。

子どもや家族を癒す。そんな「やまとなでしこ」の復活を私は願っています。

やまとしぐさ伝承学師範
辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

マシュマロCLUB

マシュマロCLUB

マシュマロCLUB TOPに戻る