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2021/09/10

離乳食・幼児食の知っておきたい大切なこと

支援が必要な子どもの食事について

こんにちは。残暑の厳しいときです。昼と夜の気温差も大きいので、体温調節の難しい赤ちゃんの服装に気をつけてあげてくださいね。

8月は、とても忙しい気持ちで過ごしていました。オリンピック、パラリンピックに出場されたアスリートのみなさんの活躍に元気づけられた一方、コロナの感染拡大や豪雨災害に心を痛めています。皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。また、コロナ感染拡大に関してご尽力頂いている皆さまありがとうございます。引き続き、感染予防を徹底していけますように。

今回は、支援が必要な子どもの食事についてお話します。障害を持つ子どもたちに関わらせてもらっていたとき、身体や精神など様々な障害を持つ子どもたちがいました。離乳食をはじめ、食べることに対して不安だったり、苦手な子どもたち。他の子どもより、ゆっくり時間はかかりますが、どの子も自分のペースで食べられるようになっていきました。今、悩んでいるママやパパ、焦らずに我が子のペースで進めましょう。

障害のある子もない子も、誰もが食べることを好きになり、楽しく、おいしく食べてほしいなぁといつも願っています。それぞれの特徴に配慮しつつ、どうしたら「おいしいなぁ」と思いながら食べてくれるのかなと考えています。

慢性疾患や障害について、継続して通院しており管理してもらっている場合、担当の先生の指示に従って、離乳食や幼児食を進めてくださいね。特に嚥下(えんげ)に障害のある子どもは、その子に合った形状、食べる姿勢に十分に注意をしてあげてください。

小児科の先生から、離乳食は他の子と同じようにスタートして良いと言われて、進めているが、月齢が進むと食べなくなってきた、離乳食のときは何でも食べていたのに、幼児食の時期になると急に食べなくなってきた、などはありませんか?
うちの子は、どういうところが苦手なのかな?と考えましょう。育児雑誌通りにいかないことも多いと思いますが、大丈夫!ゆっくり付き合って。

感覚が過敏

食べたときの感覚だけでなく、見た目、音、匂いなどひとりずつ苦手な感覚は違います。
例えば、フライの衣を食べると痛いと感じたり、納豆やオクラのねばねばが嫌だったりします。
ねばねばの物を食べるのは大丈夫だけど、手につくのを嫌がる場合もあります。

苦手な食感の場合もありますが、好きな音、食感、匂いもあります。
好きな感覚の食べ物を見つけてあげられると良いですね。
同じ食材でも調理方法や味付けを変えると食べられることもあり、フライは衣をはずすと食べてくれることも・・・
ママやパパと同じように盛りつけると食べることもあるので、色々試してくださいね。

こだわりが強い

好きな料理や食材がみつかると、毎日それを食べ続ける。
白いものだったら食べられる子もいます。じゃあ、それだけ出せばいいか...はやめてくださいね。
少しでも良いので、回りの家族と同じように盛りつけましょう。
嫌なものは食べないと思いますが、盛りつけたのを見ることも経験のひとつです。
好きなものだけを選んで食べて、嫌なものを上手に残す子。最初に嫌なものをママやパパに取り除いてもらわないと、同じ皿にある好きなものも食べない子。無理やり食べさせるのではなく、今日は食べたくないという気持ちを受けいれることが、結果、食べられることに繋がることもあるので、焦らずに見守りましょう。

気が散る

お腹は空いているはずだけど、回りのことが気になってしまい食べられない子がいます。
テレビを消したり、おもちゃを片づけたり工夫をされていると思いますが、
おもちゃを箱に入れるだけではダメな場合は、布切れなどをかぶせて、視界から消えるようにすると食事に集中できます。
座る場所も考えてください。窓の外の風景が見えると落ち着かない子もいて、その場合、壁の方を向いて座る。
ママやパパが正面に見える位置に座るなどの工夫をすると食事に集中できます。

子どもが食べているとき、ママやパパも必ず座っていてくださいね。一緒に食事ができると良いですね。自分の分を食べずに、ママやパパの食事を欲しがるかもしれませんが、分けてもらって食べてみることが、食の広がりに繋がります。嫌がらずに「美味しそうでしょ。じゃあ、おすそ分けね」と食べてもらいましょう。
料理を作っているとき、味見をしてもらうのも良い経験に繋がりますね。

じっと座っていられない

今日の食事のとき、何分座っていましたか?
「5分しか座れなかった」? 「5分も座れたね」?
「5分座れたよ」? どう考えますか?
 〇〇しかって考えると、できなかったなぁという印象ばかりが残ります。
今日は5分座れたね!と褒めてみませんか?
少しずつ座っている時間が長くなれば良いなと思います。
無理やり座らせようとすると、ますます嫌がるので、気をつけてください。ウロウロするのを追いかけて食べさせるのではなく、いつも食べる場所で座って待っていて、戻ってきたら座らせて一口でも食べてみるように声をかけてあげましょう。

じっと座れない理由に、あちこち見てしまい、気が散ってしまう場合もありますが、体がぐらぐらしてしまって姿勢が保てない場合があります。
両足が床や足置き台のところに、しっかりついていますか?
足がつくように椅子を調整したり、足置き場を作ってあげます。お尻が滑ってずれてしまい、体がくにゃっとなるなどだらーんとした姿勢になる場合、お尻の下に滑り止めマットを敷くと安定します。姿勢が安定すると食べやすくなります。

障害のある子は、障害のない子より、上手に食べられるようになるまでに時間がかかります。「ごっくん」の時期を長くした方が良い場合、「もぐもぐ」の時期を長くした方が良い場合。それぞれです。月齢にこだわらずに、その子の様子をみて進めましょう。

みんな進む順番は同じです。

決めてあげよう......食事の時間、食事をする場所、椅子......いつも同じだと安心 一日3回食べる習慣
どうすると落ち着いて食べられるかをみよう......食べる順番、好む食感、味、温度
苦手な食材や料理も食卓に並べよう

「機嫌を取りながら食べさせない」「上手に食べたときに褒める」「ママやパパもにこにこと一緒に食べる」食べることを楽しいと感じてくれると良いですね。ママやパパにとっても楽しい食事の時間になると、子どもにとって心地の良い時間になり、最初は、短い時間かもしれませんが、ちゃんと座って食べられるようになります。
「ゆっくり。じっくり。のんびりと。」

次回は「離乳期の食材について」お話する予定です。

~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~

参考文献:
よくわかる小児栄養  ミネルヴァ書房
子どもの食と栄養  医歯薬出版
発達障害のある子を理解して育てる本 (株)学研プラス

河本かわもと かよ栄養士

河本 かよ

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