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2021/08/01

ママに贈る魔法のメッセージ

「あしらい」と「かいしき」

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承している、やまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの、所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や、心の育み方を伝え残してきました。
そんな、暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ 」と命名し、その型の意味を、皆様にお伝えしています。

さて、今回、ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、 「あしらい」と「かいしき」についてです。

日本には、様々な型でやまとの智恵を後世に残す工夫がされています。その一つに和食文化があります。
和食がユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の「無形文化遺産」に登録されたのは 2013 年 12 月のことです。日本人の伝統的な食文化が、人類の無形文化遺産を代表するものの一つとして世界的に認められたことになるのです。

世界的に認められた和食の特徴の一つに、自然の美しさや季節の移ろいの表現があります。
それは、季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った器を利用して、季節感を楽しむことです。

そんな「和食文化」を日常の暮らしの中で守っていく智恵が「あしらい」と「かいしき」です。
季節の花や葉などで料理を飾りつけ、季節感を演出してくれるもののことをいいます。
和食は、旬の食材を使うだけでなく、盛りつけなどでも季節を表現することができます。

【あしらいとは】
刺身の薬味、焼き魚の右手前に置く大根おろしや、すだちなどの、料理に添えるもののことです。器に盛った料理が、美味しそうになります。
ぜひ、焼き魚や刺身をそのまま出すのではなく、大根や人参などの野菜を千切りにしたものを添えたり、すだちや柚子を添えてみましょう。

【かいしきとは】
料理の下に敷く、紙や木の葉などのことをいいます。
器のなかった古代、木の葉に食物を盛ったところから始まったとされています。身近にあるものでは、柏餅の「柏の葉」、魚料理の下に敷く「笹の葉」なども、かいしきです。
かいしきを使うと、器の汚れを防いだり、葉っぱの殺菌効果の効用が得られます。お料理をしたら、紅葉、かえで、松、南天の葉など、その季節の花や葉を添えてみて下さい。まるで、レストランのようになりますよ。

嫁ぎ先の母は、家庭料理にいつも、庭の笹の葉や紅葉の枝を添えてくれます。普段の煮物や酢の物に添えるだけで、料理が一層美味しくなりますし、庭の草木はいつも食卓の中にありました。
ただ、結婚当初の我が家には庭木がなかったので、スーパーで売っている飾り用のお花や葉を探したり、シソの葉っぱや、カボスや柚子、蜜柑などの柑橘類をいつも常備して、あしらうようにしていました。そうすると、私が作るような料理も、美味しそうになります。
そんなひと手間を、きっと家族が喜んでくれるはずです。

ぜひ皆様も、「あしらい」や「かいしき」を添えてみて下さい。

やまとの智恵実践協会
代表理事 辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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