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2021/05/01

ママに贈る魔法のメッセージ

しゃがむ姿勢

日本の古き良き躾(しつけ)、昔から伝わる智恵を伝承しているやまとしぐさ伝承学師範の辻中公(つじなか くみ)です。

日本では、食事などの、所作法の型(かた)、季節の祭事の型を通して、生き方や心の育み方を伝え残してきました。
そんな、暮らしの中で古くから伝え残されていきた「型」を、「やまとしぐさ」と命名し、その型の意味を、皆様にお伝えしています。

今回、ぜひ知っていただきたい「やまとしぐさ」は、「しゃがむ姿勢」についてです。

古来より日本人は、しゃがむ姿勢を多くしていました。
田植えや、畑仕事、和式トイレ、座卓や布団での生活や、拭き掃除などです。
実は、このしゃがむ姿勢が、子どもたちの精神力を培ってきたのです。

しゃがむ姿勢は、丹田に力が入ります。
丹田とは、へその下三寸、9センチの、下腹部にあります。
そこには、気が集まり、命の根があるところ、とも言われていて、丹田に力を入れると、精神力が高まり元気になるのです。
具体的には、丹田に力が入ると、お腹が温まります。

・お腹が温まると、心に余裕ができ、穏やかになり、心が大きくなります。
・血液の循環も良くなるので、自然治癒力が高まり健康になります。
・自分の感情をコントロールできるようになり、友達とも仲良く過ごせます。

つまり日本人は、常にしゃがむ姿勢を取ることで、このような、精神力を培かってきたのです。
私には、旅館を営んでいる友人がいます。昔ながらの建物に魅せられて、海外からのお客様が多く訪れます。和室の部屋に憧れているお客様ばかりですが、どうしても、布団に寝ることが困難なのです。それは、しゃがむことができないから。しゃがむ習慣のない人たちには、布団で寝起きするときに、下腹に力を入れて立ち上がることが難しいのです。ですから、どの和室にもベッドを入れているそうです。
日本人は、歳を重ねている方のほうが、矍鑠(かくしゃく)としておられます。長年、畑仕事や布団生活をして、しゃがむ習慣があったからではないでしょうか。
それほど、習慣は私たちの血となり肉となり、精神となるんですね。しゃがむ姿勢。改めて、すごい力です。

私たちの暮らしは、洋式トイレ、ベッド、椅子やソファーを使うことで、しゃがむ機会が減っています。丹田を鍛えることが減っているのは勿体無いですね。
だからこそ、日常の暮らしの中で、廊下や床、トイレ、玄関の敷居をしゃがんで拭く、など、掃除でしゃがむ姿勢を意識してみましょう。
子どもたちと一緒に、是非、床掃除をしてみて下さい。きっと、元気になれるはずです。

やまとの智恵実践協会
代表理事 辻中公

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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