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2020/11/10

離乳食・幼児食の知っておきたい大切なこと

手づかみはいつから? 食具を使えるのはいつ?

こんにちは。朝晩すっかり冷え込んできましたね。晴れていると日中は暖かいのですが、夜になると急に寒くなってきます。調節しやすい服装で、体温調節の苦手な赤ちゃんに対応してあげてくださいね。

寒くなってくると心配になるのが、コロナとインフルエンザですよね。医療機関等で、コロナ対応にがんばってくださっている方々、ありがとうございます。それぞれが感染予防のために、引き続き丁寧な手洗い、手指消毒、マスクの着用で気をつけましょうね。小さな子を持つママやパパは忙しいと思いますが、しっかり食べて、睡眠をとり、体を休めることも大切ですよ。

食具というのは、食事のときに使う道具のことです。ママ達から、「スプーンはいつから使えるようになりますか?」などの質問を受けます。みなさんはどのように思っておられるでしょうか? 「〇歳〇か月になったら使えるようになりますよ!」というのはありません。個人差も大きいです。早くスプーンやフォーク、お箸で食べられるようになると良いなぁと考えるママやパパの気持ちはわかります。綺麗に、自分で食べてくれると助かりますもんね。
でも、焦らないでください。赤ちゃんや子どもたちは、発達に伴って色々なことができるようになっていきます。

手づかみをしていますか? 赤ちゃんが自ら手を出してきたときがチャンスです! 手づかみと言うと、「赤ちゃん用のおせんべいで練習しています」と話される方が多いです。そのことも確かに役に立っていると思います。しかし、離乳食タイムに手を出したとき、手を止めてしまうと食事のときに「食べるけど、自分で食べようとしない」「食べる意欲がなくなってしまい、欲しがらなくなる」という赤ちゃんになってしまいます。

1歳6か月くらいまでは、手づかみ食べが主流になると思ってあげてくださいね。
この時期の子の食具は「手」ですね。ママやパパから見ると、「汚れてしまう」「行儀が悪い」という感じですが、食べる機能を育てるために大切な行動です。
手づかみで食べることが上手になってくると、スプーンを上手に使えるようになってきます。

手づかみで獲得すること

○ 食べ物の大きさ・硬さ・温度を確かめ、口に入るかな? 噛み切れるかな?と考えながら食べる。この頃、入れすぎて「おえっ」とむせることが増える。
○ どのくらいの力で持てばよいか、つぶれないかな? 大丈夫かな?と考えながら持つようになる。失敗することも経験。
○ 口に運ぶための目と口と手の協調運動の練習ができ、上手に口に運べるようになる。食べさせてもらっていると、大きな口を開けて食べることはできるが、手と口がうまく協調できずに、口から迎えにいく食べ方になりやすい。またスプーンを使うときに口までうまく運べず、こぼしてしまう。
○ 手を使って食べることで、口の前の方(前歯や唇)を使って食べる練習ができる。噛みきる力がついてくると、自分の一口大がわかり、むせなくなる。

体を使ってたくさん遊んでいますか? おもちゃをどのように持ちますか?
支えなくても、しっかり座れるようになりましたか?

  • 手全体を使っている

  • 手のひらを使わずに指で持っている

  • 指先で持っている

離乳食を始めた最初の頃から、手が出る赤ちゃんもいますが、まだ少なくて、お座りが上手になり、手のひらを使わずにおもちゃを持てる頃になると、ほとんどの赤ちゃんが手を出すようになります。この頃の赤ちゃんはスプーンをさわってぎゅっと引っ張り、食べさせにくいことがありますね。興味を持ってさわりたい気持ちが出てきたので、喜んであげてください。

離乳食をスタートするときに用意するスプーンは赤ちゃんの口の幅より小さいもの、できれば2/3くらいの大きさが望ましいと言われています。自分でチャレンジするようになったときに使わせてあげるスプーンも、口の幅の2/3くらいが適当な大きさです。赤ちゃんは大きくなってきているので、スタートの頃に使っていたスプーンでは小さいですよね。

自分で食べる練習は、フォークからと思っておられる方がいると思いますが、できればスプーンからにしましょう。スプーンに乗っているものを食べるためには、唇を閉じて食べ物を取り込む作業が必要になるからです。フォークは、一口でパクっと食べられて便利ですが、唇をあまり使わないことが多いので、食べる練習をするときは、スプーンからで。器の選び方ですが、浅い器はすくいにくいので、深めの器にすると良いですね。

スプーンをぎゅっと力を入れて握っていた状態から、鉛筆を持つように軽く持って食べられるようになる頃、お箸が使えるようになります。真似っこをして、早くから持ちたがる場合がありますが、3~4歳だと上手に持っているようでも、使いこなせないために、フォークのように刺して使ったりして、安定した持ち方ができません。使いたい気持ちを大切に、無理やり持たせることのないようにします。5~6歳頃に上手になることを知っておいてください。折り紙遊びや、はさみの扱いが上手になってくると、4歳頃でもお箸を使いこなせる子もいます。

コップについて

蓋に吸い口のついているものは、哺乳瓶で飲むような口の使い方になるので、離乳食後期以降の赤ちゃんには、あまりおすすめではありません。実際に唇が濡れるもので練習してくださいね。最初はこぼしても片付けしやすいお茶や湯冷ましを少量入れて練習すると良いですね。

食具を使えるようになるためには、ママやパパが焦らないこと。手づかみで食べることをたくさん経験すると、食具を使って上手に食べられるので待っててね(*^-^*)
上手にできるようになっても、時々失敗をします。怒らないで見守って欲しいと思います。

次回は、「食べることと心」についてお話する予定です。

~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~

参考文献:
乳幼児の摂食指導~お母さんの疑問にこたえる~ 医歯薬出版株式会社
子どもの「手づかみ食べ」はなぜ良いのか? IDP出版
いただきます ごちそうさま 2,020夏号 NPO法人幼年教育・子育て支援推進機構
よくわかる小児栄養 ミネルヴァ書房

河本かわもと かよ栄養士

河本 かよ

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