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2020/10/10

離乳食・幼児食の知っておきたい大切なこと

離乳食とアレルギーについて

こんにちは。ようやく涼しくなってきましたね。元気にしていますか? コロナの感染拡大で厳しい状況にある方もおられると思いますが、赤ちゃんや子どもたちが元気に過ごせる毎日になるように願っています。医療関係で働かれているみなさん、ありがとうございます。他にも様々な場所でがんばっておられるみなさん、ありがとうございます。これから寒くなると感染拡大が心配されるので、マスクの着用や手洗い等、予防に努めましょう。

アレルギーが心配で離乳食を進められないという声を聞きます。皆さんはどうですか?

食物アレルギーとは、食べたり、触れたり、吸い込んだりした食べ物に対して、体が過敏に反応して起こる症状のことで、次のような食物アレルギーの種類があります。

○ 新生児・乳児消化管アレルギー
ミルクや母乳中の食物たんぱくが原因となるアレルギー

○ 食物アレルギーが関与する乳児アトピー性皮膚炎
湿疹がスキンケアやステロイド軟膏を使用しての治療をおこなっても、なかなか良くならない場合、食物アレルギーが原因となっている場合がある

○ 即時型
食後2時間以内に、じんましん、咳、呼吸器や消化器などの症状が出る。子どもによって症状は様々なので、よく観察して対応します。

○ 口腔アレルギー症候群
特定の果物や野菜を生で食べたとき、口の中がピリピリしたり、かゆくなる

○ 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因となる食品を食べただけでは症状がおきない。食後運動することで症状がおこるアレルギー

上記のような症状があり、食物アレルギーかな?と心配になったら。
○ 必ず医師の診察を受けること 自己判断しない
○ アレルギーの原因となる食材を除去するときは、医師の指示に基づくこと

2019年に発表された「離乳の基本」にアレルギーへの対応として、「食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという化学的根拠はない」と記載されています。

離乳食を開始するにあたり、色々と心配だと思いますが、小さく生まれた・疾患を持っているなどで、医師から離乳食の開始を遅らせるように指導されていない場合、5か月になったら体調・機嫌の良いときにスタートしましょう。

10倍粥のすりつぶしなど、アレルギーを起こしにくいものからスタート。粥、野菜と慣れてきたら、白身魚や卵黄にチャレンジしましょう。卵黄は、みなさんが一番心配する食材ですが、大人が食べる固ゆで卵を作る時より長めにゆでて作り、卵黄の真ん中あたりを少しとり、粥とまぜるか、湯で少しのばして与えます。
※卵を水から入れ、沸騰したら中火から弱火で20分茹で、水にとり冷ます。しっかり加熱することが大切です。

離乳食を与えたときに、気になる症状が出たら、できるだけ早く小児科を受診しましょう。
原因となる食品がわかれば、最小限の食品除去をしながら、離乳食を進めます。

加工食品における特定原材料表示が義務付けられている食品(7品目)

鶏卵・牛乳・小麦・えび・かに・そば・落花生(ピーナッツ)

加工食品における表示が推奨されている食品(21品目)

アーモンド・あわび・いか・イクラ・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・くるみ・ごま・鮭・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン

1個に含まれるたんぱく質と同量のたんぱく質を含み、代替品となる食品

鶏肉30g・豚肉30g・牛肉30g・魚30g・絹ごし豆腐120g・牛180ml

※ハンバーグのつなぎには、片栗粉や米粉、じゃがいもやれんこんをすりおろして使うことができる。ホットケーキやパンを作るとき、重曹やベーキングパウダーを使うと卵がなくても膨らむ。バターや牛乳、豆乳を多く使うとしっとり仕上がる。

牛乳90mlに含まれるカルシウムと同量のカルシウムを含み、代替品となる食品

牛乳アレルギー用のミルク180ml・木綿豆腐83g・桜エビ(干)5g・ししゃも(生干)33g・小松菜(生)60g・ひじき(乾物)7.1g

※牛乳・乳製品を除去するとカルシウムの摂取不足になりやすいので、カルシウムを多く含む食材を積極的に摂りましょう。ホワイトソースは豆乳でも作れ、じゃがいもやカボチャのマッシュやクリームコーンを使うこともできる。

小麦は米粉や片栗粉(じゃがいもでんぷん)を代替品として使用できる

米粉を利用した食品も増えてきているので、しっかりと表示を確認して購入すること。米粉パンと表示されていても小麦グルテンを使用していることがあるので注意します。

入園してから「初めて食べる」ことを避けるため、離乳食のとき、月齢に応じて使えるようになった食材の中からできるだけ多く使用し、食べた経験しておくと安心です。食物アレルギーの疑いがあれば、医師の診察を受け、除去した方が良いのか、しなくて良いのか診断をつけてもらうことが大切です。自己判断で除去をすることはやめてくださいね。食物アレルギーがあるとわかれば、集団生活に入るとき、園に配慮してもらえるようにお願いすることができます。

兄弟の食べ残しやこぼしたものに手を伸ばして、食べてしまわないように十分注意してください。また、妹や弟に自分が食べているものと同じものをあげたいと思う、お兄ちゃんお姉ちゃんの優しい気持ちが事故につながることがあるので、気をつけてあげてくださいね。アレルギーがあっても、みんなでおいしく食べられると良いですね。

次回は、食具と手づかみについてお話する予定です。

~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~

参考文献:
授乳・離乳の支援ガイド 厚生労働省
アレルギー表示について 厚生労働省
乳幼児の食物アレルギー 診断と治療社
よくわかる食物アレルギー対応ガイドブック 独立行政法人 環境保全機構
新 食物アレルギーガイドブック (株)メイト

河本かわもと かよ栄養士

河本 かよ

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