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2020/06/01

ママに贈る魔法のメッセージ

日本だけ、自分専用のお箸があるのはなぜでしょう?

これから、子どもたちはグローバルに社会で活躍する時代です。海外では、必ず出身国のことを聞かれます。そんな時代だからこそ、日本のことを知っておくのは大事です。
だから、今回は「日本だけ、自分専用のお箸があるのはなぜでしょう?」について、お話しをしますね。


日本人は、箸に始まり、箸に終わる民族です。
生まれて間もなく、お食い初めでお箸を使い、
それから幾度となく三度の食事にお箸を使い、
葬儀では、お骨を箸で拾い上げます。
お供え物のご飯にはお箸を立てて供養をします。


「はし」は、大和言葉で、二つの世界を繋ぐ役割を果たすものを意味するのです。
端と端を繋ぐ「橋」、
高い所と地上を繋げる「はしご」などの「はし」、
お箸も、箸先は人のもの、天部分は神様のものとして考えられていました。
だからこそ、食事の時には、お箸に神様が宿ると考えられていました。


漢字で書く「お箸」は竹冠です。
「竹」には、神様と人「(物)」をつなぐ役目を果たす、という意味がありますから、漢字から見ても、竹冠の「お箸」の意味は、神様に感謝する、人と神様を結ぶ橋渡しの道具ということになります。


日本人にとってのお箸とは、神様が宿り、人と神様を結ぶ橋渡しをする役割があるのですね。


そして、「自分専用のお箸」を決めて食事をするのは、日本だけの風習です。
他のお箸文化の国、中国や韓国・ベトナム・タイ・シンガポールには見られない風習です。


古来、日本では、唾液がつくお箸には、使った人の魂が宿ると信じられていました。
お箸は自分の分身、という事です。神様とつなぐ役割がある自分の分身の「お箸」。だから、共有してみんなで使うのではなく、一人ひとりに自分専用のお箸を使うようになったのです。


ところで、世界でお箸を使う国はどこかご存知ですか?
手掴みで物を食べる文化圏は、全世界の約44%で、東南アジア・中近東・アフリカなどです。
ナイフ・フォークを使用するカトラリー文化圏は世界の約28%で、ヨーロッパ・アメリカ・ロシアなど。


お箸を使う文化圏は世界の約28%で、日本・中国・韓国・ベトナム・タイ・シンガポールと言われ、意外にも幅広く東アジア一帯に広がっています。お箸を使う国は少ないと思っていましたが、ナイフ・フォークを使用するカトラリー文化圏と同じ、約28%です。
その中でも、お箸文化圏とはいえ、お箸とスプーンをセットで使うスタイルが大半で、お箸のみで食事をするスタイルは日本独自のものです。中華料理はレンゲを使いますし、韓国料理も金属製のスプーンを使いますよね。
日本はただ一つの「完全箸食文化圏」なのです。
お箸に対する想いを知って、家族それぞれ専用のお箸を用意してみてくださいね。

辻中つじなかくみやまとしぐさ伝承師範

辻中 公

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