こんにちは。気温差の激しい日が多くて、暑さに慣れていない体には少々辛いですね。
赤ちゃんが体調を崩すことはありませんでしたか? こういう時って、どんな服を着せれば良いのか困りますね。薄めの生地の重ね着で調整しやすいようにしてあげてくださいね。
離乳食は進んでいますか? 赤ちゃんの体調などで、上手く進んでいないこともあるでしょう。体調が戻れば、離乳食をしっかりと進めてくださいね。
離乳食は、1回~2回~3回へと回数のステップアップ。食材の種類も少しずつ増えていきますよね。その時、おかゆ、野菜、果物は比較的、上手く取り入れている方が多いのですが、たんぱく質はアレルギーの心配があり、進めにくいと話されることがあります。
離乳食の開始を遅らせたから、アレルギーをおこさないわけではないので、適切な時期にスタートしましょう。
母乳をしっかり飲めていて、体重が順調に増えている場合、離乳食が思うように進んでいなくても大丈夫なことがあります。しかし、成長するに従い、母乳だけでは足りない栄養素が出てきます。今回は、離乳食にたんぱく質を取り入れてほしい理由をお話します。
赤ちゃんにとって母乳はとても大切なものです。
- 赤ちゃんに最適な栄養が含まれているため、5か月頃まで母乳のみで育つことができる
- 赤ちゃんに最適な成分のため、代謝(消化・吸収)の負担が少ない
- 免疫物質が含まれ、感染予防に役立つ
- 母子間の信頼関係を育てる
- 母体の回復を早める
など、母乳にはたくさんの良い点があります。できる限り、母乳を与えましょう。
ただ、母乳が出にくく、赤ちゃんの体重が伸び悩んでいる時、ママの体調がすぐれず服薬している時などは、育児用ミルクを利用しましょう。
次に示す表を見てください。
母乳の栄養成分 100mlあたり
エネルギー | 65kcal |
---|---|
たんぱく質 | 1.1g |
脂質 | 3.5g |
炭水化物 | 7.2g |
カルシウム | 27mg |
鉄 | 0.04mg |
「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」
赤ちゃんは、ママのお腹にいる時に、フェリチンという鉄を貯めておくことのできるタンパク質(貯蔵鉄)をたくさんもらって生まれてきます。フェリチンは全ての細胞に存在しますが、主に肝臓に蓄えられています。その貯蔵鉄を使いながら、成長していくため、母乳に鉄がほとんど含まれていなくても、赤ちゃんは、順調に育つ事ができます。貯蔵鉄は、6か月頃に減り始め、10か月頃にはママからもらった貯蔵鉄を使いきってしまいます。
鉄の食事摂取基準(mg/日)
男性 | |||
---|---|---|---|
推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | |
0~5か月 | 0.5 | ||
6~11か月 | 3.5 | 5 | |
1~2歳 | 3 | 4.5 | |
3~5歳 | 4 | 5.5 | |
女性 | |||
推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | |
0~5か月 | 0.5 | ||
6~11か月 | 3.5 | 4.5 | |
1~2歳 | 3 | 4.5 | |
3~5歳 | 3.5 | 5 |
「日本人の摂取基準2015年版」
母乳のみで育っている赤ちゃんの場合、母乳から0.5mg/日摂取できており、あと必要な分は貯蔵鉄を使いながら育ちます。しかし6か月頃から、貯蔵鉄が減り始めるため、一日に3.5mg以上の鉄を母乳と離乳食から摂取する必要があるということが、この表からわかります。
鉄が不足すると...
- 大人の場合、めまい、立ちくらみ、疲れやすいという症状が現れる
- 赤ちゃんの場合、疲れやすいことは同じだが、体や脳がどんどん成長している時なので、大人より影響が大きいと考えられている
貧血の状態が長く続くと、成長に影響が出ることも考えられるので、心配な場合はかかりつけ医に相談しましょう。
鉄だけでなく、赤ちゃんの成長にはたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)が必要です。母乳にもたんぱく質が含まれていますが、必要量が増えてくる9か月からは、母乳だけでは不足してきます。不足すると成長に影響が出るので、毎食たんぱく質を離乳食に利用しましょう。
肉・魚 15g
豆腐 45g
卵 1/2こ
乳製品 80g
これらのうちどれかひとつを毎食取り入れる
鉄は、レバー・赤身の肉・貝・魚・大豆・野菜・海藻など色々な食材に含まれています。レバー・赤身の肉・魚に多く含まれる鉄は、ヘム鉄といって吸収率が高いので利用したいですね。離乳食に使えますが、レバーは、脂溶性のビタミンAを多く含み、過剰摂取に気をつける食材、貝は離乳食に向きませんので、十分に気をつけてください。
良質のたんぱく質や、ビタミンCと一緒に摂ると吸収されやすくなります。色々な食材を組み合わせて離乳食を準備しましょう。ママやパパの食事内容が充実すると、大人の食事から取り分けしやすくなります。
10か月になって急に色々な食材を食べられるわけではないので、適切な時期に離乳食をスタートし、少しずつ食材を増やしていくことが大切。9カ月以降に食べる量や食材が増えているように、進めていきましょう。
赤ちゃんの成長には、たくさんの栄養が必要ですね。たんぱく質は、筋肉をはじめ体のあらゆる部分の構成成分で、ホルモンなどの材料にもなるので不足しないように気をつけてくださいね。
次回は、「離乳食と野菜について」お話する予定です。
~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~
栄養士 河本かよ
参考文献:
七訂 食品成分表 2017 女子栄養大出版部
日本人の食事摂取基準 2015年版 第一出版
堤ちはるの10時間講義 やさしく学べる子どもの食 診断と治療社
栄養の基本がわかる図解辞典 成美堂出版
子どもの栄養と食育がわかる事典 成美堂出版