学校や幼稚園・保育園の運動会を見に行くことや、地域の運動会に参加した赤ちゃんもいたのではありませんか? たくさんの人に出会って疲れちゃった赤ちゃんもいるでしょうが、「可愛いねぇ(*^。^*)」などの声をかけてもらって、うれしい気分になりましたね。
ところで、離乳食が終わるのは、いつ頃だと思いますか?
最近は1歳頃から保育園に通い始める子も多いためか、1歳頃になると「大人と同じものを食べても大丈夫ですか?」「親や兄弟と同じものを食べられるようになるのは、いつ頃ですか?」などの質問を受けます。
保育園に通い始める子どもはもちろん、家で過ごす子どもにとっても食べることは心配ですよね。ママたちも、まだ同じものはダメだろうなぁと思いつつ、同じものが食べられると良いな。お兄ちゃんやお姉ちゃんの食べているものを取りに行くので心配...などから、一般的に言われている幼児食に移るタイミングより、早めに考えているママがおられます。
そんなママたちに、1~2歳の頃の特徴を知り、気をつけてもらえれば、進めても大丈夫ですよ。というお話をしたいと思います。
厚生労働省から出されている「離乳の基本」では、離乳の完了を12~18か月とされ、完了後3歳ころまでを「幼児食」と言われています。家族と同じものも食べられるようになりますが、配慮が必要な時期になります。適当な形状、大きさにすることで食べ慣れて、消化・吸収できるようになっていきます。
厚生労働省の平成27年度乳幼児栄養調査の結果です。完了時期が10年前の調査より全体的にゆっくりになっていますが、離乳の基本で言われている12~18か月に完了している赤ちゃんがほとんどになります。
そこで1~2歳の特徴を知ることが大切になります。
離乳食の完了時期 (平成27年度 乳幼児栄養調査結果)
時期 | 平成17年度(%) | 平成27年度(%) |
---|---|---|
10か月未満 | 1.9 | 0.4 |
10~11か月 | 7.5 | 8.6 |
12か月 | 45 | 25.7 |
13~15か月 | 21.1 | 33.3 |
16~18か月 | 14.5 | 27.9 |
19か月以降 | 4 | 4.1 |
1歳~2歳の頃って・・・
- 消化酵素の分泌はある程度増加するものの、消化機能はいまだ未熟
- かむ力が弱い
- 奥歯が生えそろっていない
- 舌がうまく使えない
- 自己意識が強くなり、偏食が出る。
食べにくいものがあり、その日の気分や調子で「食べたい」「食べたくない」の差が大きくなります。1週間程度を振り返ったときに、少量ずつでも色々なものを食べていて、「○○しか食べない」時期が長く続いていなければ様子をみてください。
食べる量は個人差の大きい時期ですので、他の子と比べるのではなく、「うちの子はどうかな?」と考えてみる。元気に遊んでいて、喜んでおいしく食べていればOKです。
自分で食べたい気持ちが、さらに強くなります。まだ上手にできませんがチャレンジさせてあげてくださいね。手もスプーンもフォークも使うよ!!
間食は食事のひとつ <子どもの食事バランスガイドより>
離乳期の子どもの食事の楽しさは、新しい食材や家族と一緒の食事から
大人の食事で楽しく適度に摂取する「菓子類・嗜好飲料」は、離乳期を完了してから
食事でとりきれないものをプラスして
おにぎり、ふかしいも、牛乳・乳製品、果物など、食事の素材を活用して
与えるなら時間を決めて、1日に1~2回
3回の食事を規則的にして、間食を与える時間と量を決めて
エネルギーおよび栄養素の1日の平均必要量(食事摂取基準2015年度)
エネルギ(kcal) | たんぱく(g) | 脂質(g) | カルシウム(mg) | 鉄分(mg) | 食塩相当量(g) | |
---|---|---|---|---|---|---|
1~2歳(男) | 950 | 20 | 26 | 450 | 4.5 | 3.0未満 |
1~2歳(女) | 900 | 20 | 25 | 400 | 4.5 | 3.5未満 |
18~29歳(男) | 2650 | 60 | 74 | 800 | 7 | 8.0未満 |
18~29歳(女) | 1950 | 50 | 54 | 650 | 6.0※ | 7.0未満 |
30~49歳(男) | 2650 | 60 | 74 | 650 | 7 | 8.0未満 |
30~49歳(女) | 2000 | 50 | 56 | 650 | 6.5※ | 7.0未満 |
1~2歳とママ・パパ世代のエネルギーおよび栄養素の一日必要量を載せておきます。参考にしてくださいね。たんぱく質は、お肉や魚そのものの量ではなく、栄養素のたんぱく質になります。また、脂質については、肉や魚に含まれる「見えないあぶら」も含む量になりますので、気をつけてくださいね。
離乳食が完了しても、すぐに大人と全く同じものを食べられないことを知った上で、家族で囲む食事の時間を楽しんでもらえると良いなぁと思います。美味しそうに食べている家族を見て、きっと食べることを好きになり、色々なものが食べられるようになりますよ!
次回は「病院に行くほどではないけれど、ちょっと体調の悪いときの食事」についてお話する予定です。
~食べることが好きな子になる魔法は、家族の笑顔と「おいしいね!」~
栄養士 河本かよ
参考文献:厚生労働省 「離乳の基本」 「27年度乳幼児栄養調査結果」「日本人の食事摂取基準 2015年版」食べもの文化 2017年9月号 芽ばえ社