コープシアター大阪 第99回例会

人形劇ユニット『あぶないふたり』
4月3日~4月9日 阿倍野区民センター・寝屋川アルカスホール

約1年ぶりの定例会は、人形劇。「あぶないふたり」と、何だかゾクゾクする題がついている。人形劇団クラルテの西村和子と、くわえ・ぱぺっとステージのつげくわえ。ふたりで何役もこなす。そしてピアノ演奏は、クラルテの一ノ瀬季生が担当し、大人のための人形劇が始まった。
 最初は宮沢賢治原作の「猫の事務所」。木彫りの人形が存在感を持ち、現代にも起こりうるお役所でのパワハラを猫たちが演じる。竈(かまど)の灰の中で寝るのが好きな"かま猫"の顔はすすけて汚い。それを苛(いじ)めるトラ猫や白猫たち。役立たない旅行事務所は最後に獅子の一声で解散するが、獅子が苛めをやめろとは言わなかったのがどうも腑に落ちない。2作目は「のはらうた」で親子で楽しめる作品。手袋を使った動物がピアノに合わせて次々と登場、蛇いちのすけは『脱皮~ニューイヤー!』と早変わりで幕。そして主題の「あぶないふたり」の、はるちゃん・あきちゃん80歳。野井戸に落ちて、さぁ大変。いつもの仲良しはどこへやら、恐怖から助かりたい一心の黒い欲望がむき出しに。人形ふたりが首を揃えて穴の底から上を見上げ、犬の気配を左右に追う姿が涙が出るほどおかしく身につまされた。人間以上にしなやかな人形たちに脱帽である。
(はるる)

これからの例会のお知らせ

第100回例会 コロンえりか ソプラノリサイタル
2021年8月15日(日)17:00~
2021年8月16日(月)13:00~
門真ルミエールホール
※新型コロナウイルス感染拡大状況により、中止になる場合があります。
会員の皆さまには、最新情報を、はがきやニュースペーパーでご案内いたします。