浪曲すごいぜ!
6月5日 阿倍野区民センター
6月7日 枚方市総合文化芸術センター
まるで煽るようなテーマに、浪曲への興味が津々と湧く。舞台上の演台とその横の台に布が掛けてある。向かい合った鯛と真山隼人賛江と染め抜かれたもの。紋付袴で現れた真山。当年取って29歳の若き浪曲師が、掛け布の説明を始める。「この裂(きれ)はテーブル掛けといいます。そう、食堂にあるあれと同じ名です」と、こちらの拍子抜けを狙ったように言う。明治に開花し、昭和に全盛期を迎えた浪曲。独特の節回しは上がれば下がるの繰り返しだ!と真山はいとも簡単に説明する。
曲師と呼ばれる三味線の沢村さくらとの三味線浪曲を31年ぶりに復活させた。渋く強い声で語る真山に対して、横で合いの手を入れる沢村の声は可憐で肩の力がスッと抜ける。
桂文枝原作の「鯛」、ギンギロの最期に浪曲独特の情感が伝わってくる。人形劇とのコラボは、真山が解説に立ち、親子で楽しめる雰囲気が生まれた。中入り後、装いも新たに名作「徂徠豆腐(そらいどうふ)」。市井の善良な豆腐屋が、学者・徂徠に毎日届けた豆腐におからがやがて花開き、学者は出世、豆腐屋は新店を持つという何ともめでたい話であった。(はるる)
第109回 例会 |
前進座「さんしょう太夫」-説教節― 日時:2024年8月29日(木)14:00~、18:30~ 場所:国立文楽劇場 |
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第110回 例会 |
俺のクラシック ~三浦一馬(バンドネオン) 石田泰尚(バイオリン)コンサート~ 日時:2025年1月25日(土) 場所:大阪市中央公会堂 |