岡本知高コンサート
～ソプラニスタ「奇跡の声」 その声は聴くものすべてを美しく揺さぶる～
2月25日　門真ルミエールホール

　大ホールを入ると、ロビー左手に今日の主役・岡本知高（ともたか）のゴージャスな等身大の写真看板に遭遇する。紅い舞台照明にパーカッション、ピアノ・キーボードが弾き手を待つ。満面の笑顔で現れた岡本知高は、「コープシアター大阪の皆さん！現物です」とスタッフから「現物」と言われて嬉しかった報告を披露してくれた。吹奏楽の指導者になるつもりが受験のため習った声楽でソプラニスタ^※を見い出され、その道に進み今年ＣＤデビュー20周年になる。心を込め話すトークは響く歌声と同じく熱い。「切手のないおくりもの」、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」歌謡曲メドレーなどを気取らず自身の意のままに歌う姿に、豪華な衣装の下の初々しさがしのばれる。しかし、「組曲《仮面舞踏会》」「カッチーニのAve Maria」を圧倒的なソプラニスタを駆使して歌う迫力にやはりこの人の真骨頂はこれだ！と確信した。（はるる）

※ソプラニスタ…男性で女性のソプラノ音域が出せる者