ヨリドコピンポン(ピンポン食堂)

掲載日:2022年7月25日

場所
大阪市東住吉区山坂2-11-4
開催日
毎週月・水・金曜日 16:00~20:00、土曜日 14:00~18:00
参加料
子ども:100円 / 大人:200円
わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、東住吉区にある「ヨリドコピンポン(ピンポン食堂)」さんです。

 JR南田辺駅からすぐ、商店街の一角に「ヨリドコピンポン」ののれんが掛かるお店のような佇まいの建物。前は焼き鳥屋さんだった所を改装して、1階は調理スペースとテーブルが2卓、2階はおもちゃなど遊ぶスペースで、子どもたちは来たいタイミングで来て、居たい時間だけ自由に過ごす。調理は一人で約25食ほどを作り、持ち帰っても食べて帰ってもOKにしているそうだ。
狭いながらも実家にいるような心地良さもあり、訪れる人も小学生・中学生・赤ちゃんを抱っこしたお母さんまでさまざま。ふらっと立ち寄りたい、そんな子ども食堂だった。

津守さん(写真奥)は、対面式のキッチンから調理をしながら子どもたちのようすを見守る

“みんなのよりどころ”になれるような居場所に

 代表の津守さんにお話を伺いました。「子どもの虐待のニュースを見る機会があるたび『何でこんなことになるんだろう』と思っていました。でも自分に子どもができ、大きな声で怒ったり手を出してしまったり、自信を無くして『誰か助けて』と思ったことも何度も。虐待のニュースは他人事ではありませんでした。少し子どもが大きくなったとき、自分みたいな親はきっとたくさんいるだろうし、何かできないかなぁと思うようになりました。ちょうどそのころ『子ども食堂』を知り、講演会に行ってみたりもして、この地域にも、開かれた“みんなのよりどころ”になれるような居場所があればと思ったのです。
 そしてすぐにわが子たちも通っていた学童保育の延長のような形で、子ども食堂のようなことを始めました。今とは違い、JR鶴ヶ丘駅前にあるクラフト雑貨のお店『藍朱(らんじゅ)』さんの場所をお借りしてスタートしたのが2016年2月。それから、来てくれる人数が増えるとともに場所を変えながらやってきましたが、大勢が集まるといじめの構図が持ち込まれたり、みんなにとって居心地のいい場所ではない現実があり、一体何のための場所なんだろう…と思い悩むようになりました。そんな矢先に新型コロナウイルスが流行しはじめ学校が休校になり、家にいて退屈していたり、家からちょっと離れた方がいいかも、という子どもたちが出てきました。
 そこで新たな場所を探し、南田辺駅前の昔焼き鳥屋さんだった今の物件と巡り合いました。家賃は自分で拠出ですが、改装費用は社会福祉法人大阪府共同募金会(赤い羽根おおさか)様からいただいた助成金でまかなわせていただきました。続けてきたことで見えてきたことがたくさんあり、なんとかしたいシロウトのおばちゃんは、思いだけは熱く、その思いを受け止めてくださったのです。これが新たな一歩になりました。

この日のメニューは、野菜たっぷりチャプチェときゅうりの塩昆布和え

“向こうから話しかけて来たら聞く”というスタンスで踏み込みすぎないように

 コロナ禍の前までは、学生などボランティアさんもたくさん参加してくださっていましたが、今の場所になってからは、こじんまりした空間ですし私ひとりでやりくりしています。食事は、お弁当形式で、その場で食べてもよし、持ち帰ってもよし、にしています。いつもだいたい25食分くらい作っていますが、数に限りがあるので子ども優先とさせていただいています。パルコープさんからいただいた食材やご近所の方々から寄付いただいたものを配布するフードパントリーも実施しています。実は、パルコープさんとつながれたのは『にしなり☆こども食堂』の川辺さんからの紹介があったからなんですよ。こうして月1回まとまって食材をいただけるようになったからこそ、フードパントリーができるようになりました。
 ちょっと親、子から離れたいとか、子どもだけで夜まで留守番をしているとか、事情でご飯を作れないとか、ちょっと今日は休憩させてくれーとか、必要な時に寄ってもらえればという思いでやっています。しんどい理由は様々あります。経済的なことだけでなく親子関係で悩みを抱えている家庭も多いです。親が熱心で子どもがストレスフルだったり、難しい時代ですね。
 あるセミナーで、『子ども食堂でお弁当もらうことで、傷付いているお母さんも居る』と精神科の先生が言っていました。『困っている』と言うことで、自分で自分を傷付けていると。子ども食堂のほうも、押しつけがましくならないように気をつけてはいるし、悔しいけど、実際お弁当を渡しているお家がどう感じているか確認したことはないな、なるほどなぁ~と思ったり。なので、“向こうから話しかけて来たら聞く”というスタンスで踏み込みすぎないように日ごろ気を付けています。
 また、子どもは来たがっているけどお母さんはあまり関わってほしくないと思っている場合もあって、色々悩みますが、深く考えずに“来たら受け入れる”ということを続けていこうという結論に今のところ至っています。何より子どもたちが楽しそうにしている姿が見られればいいやって。他に続けている理由としては、色んな事情である日突然来なくなった子が、いつの日かまたここに帰ってくるのを待っている、ある種“使命感”ですかね。

 ここで仲良くなった子たちは、初対面でもたまにしか会わなくても、いつもとても楽しそうです。やり取りを見ている私も面白いな~と楽しんでいます。目の前の八百屋さんや南田辺商店街など地域の方々もいつも気にかけてくださっていて、距離感とか寄り添い方とかを見ていると、まだまだできることがいっぱいあるなと刺激をもらったりもします。今日は、胡麻の大村屋さんが胡麻のタネを持って来られたので、子どもたちとプランターに植えました。これからもマイペースで、どうなるかは分かりませんが、目指すはここが児童館代わりになればと。頼ることが苦手な人が多いので、よりどころとしての場所さえあれば、ご飯の提供は二の次かなって思います。
 そして、どちらかと言うと子より親のグチを聞いていきたいですね。グチを発散することで子どもに対する意識や態度が変わることにもつながるかもしれません。実は私はもともと料理が全然できなかったのですが、とあるきっかけで作れるようになり調理師免許まで取得することができて、こうして食事を振る舞えるようになりました。だから子どもたちにも、『苦手なこともやってみたら楽しいかもよ』と伝えていきたいです」。

※同じ東住吉区に「ピンポン食堂」という焼き菓子屋さんがあります。お間違いのないようご注意ください。

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