たけとんぼこども食堂

掲載日:2025年3月31日

場所
東住吉区北田辺6-2-21
開催日
毎月第1月曜日 17:00~
参加料
子ども:100円 / 大人:300円

たけとんぼこども食堂のみなさん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「こども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、東住吉区にある「たけとんぼこども食堂」さんです。

細かい細工もひとつずつ

 近鉄・北田辺駅からほどちかい新道商店街の中に「たけとんぼ」の赤いテントが見える。中ではお弁当箱への盛り付けの真っ最中。この日は節分ということで、キーマカレーを使った「おにカレー」がメイン。髪の毛がカレールウで顔がご飯なのだが、目や眉毛は海苔をカットしたものをピンセットで飾り付けている。この調子で毎回約200食分作るというのだから大変な労力だ。

細かい細工もひとつずつ

 17時ごろから始まるお渡し時間の30分以上前から、店前に行列ができる。地元小学校や幼稚園のこどもたち、親御さんなどが来ているそうだ。

「地域の社会貢献になるなら」と
有志が集まった

 代表の三杦(みすぎ)さん、スタッフのみなさんにお話を伺いました。「『たけとんぼこども食堂』は、2018年6月にプレオープン、9月に本格的にオープンしました。東住吉区で3番目くらいに設立だと思います。
 前年の2017年末に区役所でこども食堂の話を聞き、東田辺や南田辺のこども食堂さんに見学に行かせてもらい検討。『地域の社会貢献になるんだったら自分たちがやってやろう』という有志が集まったんですね。気心も知れているし心強いメンバーです。普段は、地域の役員などもやっているいろんな人が協力してくれています。町会長さんも地元の繋がりを活かしてやりくり、役所も開催日のお知らせなど協力的です。

 食材は地元の方・フードバンクからの寄付や、企業・行政・社協からの支援も受けています。でもそれだけでは足りないので食材を購入したりしていますが、原資を捻出するために『たけとんぼ』という地域食堂を運営しています。昼のみ、週に3回(月・火・水)開店して、定食を提供。昼食を食べるためにお出かけするとなったら、ちゃんと着替えもしないといけないし電車も乗って…となったら大変ですが、ここなら普段着で来られるし、お互い知り合いなので気兼ねもいりません。地域のみなさんのコミュニティの場としても役立っていますね。
 『たけとんぼこども食堂』は、この『たけとんぼ』の場所を使って調理も行い、活動の拠点にもなっています。

 パルコープさんとの関りは、地域のこども食堂が集まる会議で生協さんが支援されていると聞いて連絡したのがきっかけです。食事を作るのにお米を毎月たくさん使います。なので、生協さんから届くお米も使うことができるので本当にありがたいです。そのほか、冷凍食品をいただくことが多いので。特にエビフライとかかな。ある程度まとまった数が揃ったら使うようにしています。

ただ食べてもらうだけでなく
季節も感じてもらいたいたい

会食形式の時に出した「ひな祭りカレー」

 コロナ禍で食数は増えましたね。一時外出などが規制された時期はさすがに休みましたが、以前の会食形式を止めて、お弁当を作って渡すことにしたんです。それが2020年の9月からで、今は約200食になっています。
 会食形式は多い時で150食ほど提供していましたね。食後はこどもが遊ぶことができるようにおもちゃも用意していました。
 メニューについては、こどもにせっかく食べてもらうんだったら“食育”を意識したい思っているので、ただ食べてもらうだけでなく季節も感じてもらいたい。ひな祭りやこどもの日、七夕など家族で話がはずむような楽しい献立にしています。たとえば、3月はカレールウの部分にお雛様を立体的に立てたことも!

会食形式の時に出した「ひな祭りカレー」

 スタッフはチームワークが良くて、あうんの呼吸でテキパキと仕上げてくれます。
 前日の買出し班があちこちまわって200食分の仕入れをし、当日は朝から集まって各パートで調理していきます。付け合せやサラダは自宅で前日から仕込んだものを持ち込んだりも。飾り付けやお弁当箱への盛り付けも連係プレーで次々と仕上げていくんですよ。

揚げたてさつまいもスティックも人気でした

揚げたてさつまいもスティックも人気でした

 うちは基本、こどもさんにお弁当をお渡しするようにして、余りそうならこどもと一緒に並んでくれた保護者の方にもお渡しします。でも最近は口コミもあってか、非常にたくさん並ばれるので途中で売り切れることも…。申し訳ないんですが、今作ることができる限界の食数なんですね。
 毎回事前に『たけとんぼ』の店先に看板を出して、開催日やメニューを掲示しています。通学途中のこどもたちもチラチラ見て楽しみにしてくれていると聞きます。
 スタッフのメンバーはそれぞれ忙しいのですが、『持ち帰ったお弁当を開けた時にどんなリアクションをしてくれるんだろう』など想像して、その笑顔を励みに頑張っています。地域の見守り活動などで、『昨日のカレーうまかったで!!』と声をかけてくれる子も居て、本当に嬉しいですね。

 これから会食形式に戻すことはちょっと難しいかなと思います。食数が増えたら待たせてしまうだろうし、200食ももう作れない。ワイワイ食べる事も楽しいけど、来て食べる事で周りの目が気になる子もいるようで…。
 お弁当であっても、家に帰って家族と一緒に食べるということが大切かなと。今のお母さんは忙しく、働いて帰ってそれから食事の用意をするのは大変でしょう。ここを利用されてる4人兄弟を育てるお母さんもとても喜んでくれます。たとえ月に1食分でもお母さんが助かるのであれば、続けたいですね。
 今のこどもたちが、私たちの姿を見てくれて、『今度は自分たちが』と次の世代に繋げていってくれれば…。
 これからも、行けるところまで続けて、それぞれの知識や得意分野を生かしながら、こどもたちに少しでも喜んでもらえればとの想いでやっていきます」。

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