たいしょうこども食堂
掲載日:2023年10月30日
- 場所
- 大阪市大正区小林西2-3-14 地域交流センター 大正晴ればれ
- 開催日
- 不定期(開催日などの最新情報は、たいしょう生協診療所のSNSにて)
- 参加料
- 中学生まで:100円 / 大人(高校生以上):200円
きづがわ医療福祉生協
石村 直志さん
パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
大正区にある「たいしょうこども食堂」さんです。
JR大正駅からまっすぐ伸びる大きなバス通り沿いにある「地域交流センター 大正晴ればれ」。中に入るとパルコープのフードドライブ回収ボックスとピンクのぼりが目に飛び込んできた。4階調理室からはメニューの下ごしらえをする賑やかな声が。この日は久々に会食形式を再開するという。再開初日のメインはおにぎり。握ったものを提供するのではなく、来た人が自分で好きな具材でにぎるスタイルだ。
開始時間になると同時に絶え間なく親子が訪れた。大人も子どもも自分でにぎったおにぎりをほおばり笑顔がこぼれる。やさしい音楽が流れる空間に、赤ちゃんを抱えたお母さんもほっとひと息つく様子がうかがえた。
医療福祉生協として健康づくりも
子どもの居場所づくりも
窓口の石村さんにお話を伺いました。「ここは大阪きづがわ医療福祉生協の施設で、組合員活動の拠点となる地域交流の場です。昨年8月に食材配布という形で再開はしていましたが、コロナ感染がなかなか収束しない状況の中で、会食形式はなかなかできずにいました。その間こども食堂実行委員会の皆さんと話し合いを重ね、今回ようやく会食形式での再開も実現しました。
子ども食堂自体は2016年からスタートし、最初は市営住宅の集会所でやっていました。ですがたくさんの子たちが来てすごい賑わいで。これでは住民の方のご迷惑になってしまうということから、鶴町に住む組合員さんのご厚意でご自宅をお借りして、小さい規模で開催することになったんです。その組合員さんは地域で気になる子を子ども食堂じゃない日も自宅で遊ばせたりしてくれて、その子たちを見守ってくれていました。常連の中に元気な子たちがいましてね~。叱る場面もあったんですが、みんな素直で良い子たちでした。時には看護学校の生徒さんが手伝いに来てくれたり、生協歯科に関わってもらい子どもたちの歯や噛みあわせなどを診てもらえるようにしたりと、医療福祉生協ならではのこともやっていました。ところが新型コロナがやってきて、どうしようと考えあぐねているうちに家主の組合員さんがお亡くなりになってしまい…。いつも来てくれていた子たちも卒業していったということもあって、再開の目途もなくしばらく休止に。
そんなコロナ禍、子どもたちをとりまく環境を学ぼうと、NPO法人教育相談おおさかの方を講師に招いて学習会を開きました。今子どもたちの不登校が増えていて、その原因はざっくり言うと家庭の事情と文科省によって結論づけられていますが、子どもたちにとって学校での人との関わりの難しさも大きいのではないかということが分かりました。じゃあうちの地域もそうなんじゃないの?やっぱり家や学校だけではない人とのつながりが必要なんじゃないの?と思い、相談のうえまずは食材配布から実施する運びになったのです。その後、正式に実行委員会を立ち上げることになりました。ちなみに、こども食堂実行委員会は、職員や地域の組合員さん、新日本婦人の会や大正民主商工会の方など色んなメンバーで構成されています。学校の元先生もいて、鶴町の家でやっていた時から子どもたちの宿題をみてくださるなどご協力いただいています。
再開にあたってパルコープさんからもたくさん食材を提供いただきました。いつもありがとうございます。いざやってみると、多くの方が来られて困っている人がたくさんいるんだなと実感しました。8回にわたって毎回30~40世帯くらいにお渡ししましたね。
2回目の配布の時にお困りごとアンケートをとらせていただき、その中で、不安なこととして物価の高騰、医療費が高い、今後の生活自体が不安などたくさんの声が寄せられました。個別でお話を聞き、無料法律相談で弁護士さんにつないだケースもありました。また、子どもの学習支援や様々な生活の金銭的なサポートがほしいという声も多数ありました。
たいしょう生協診療所では無料低額診療事業を実施しているのですが、その制度を知らない方が圧倒的で、もっと周知していく必要があるということも分かりました。
会食形式になった場合どれくらいの人が来てくれるのか全然よめなかったので、今回は30食先着順と案内させていただいたんですが、ちょうどそれくらいの方にお越しいただきゆっくりしてもらえたようで良かったです。次回については未定ですが、また実施するとなったらfacebookやインスタグラムで案内していきますね。
昨年10月から鶴町地域でパルコープさんによる移動販売車の巡回がスタートしました。大正区で初めての移動販売です。鶴町地域に2店舗あったスーパーの1店舗が閉店し、高齢化の進む地域では「買い物難民」が生まれていました。大阪きづがわ医療福祉生協も参加する大正区の「協議体」(生活支援体制整備事業)でも、こうした鶴町地域の現状が課題として共有され、パルコープさんに相談させてもらったところ、そんな地域の困りごとを受け止め進めてくださることになったのです。そして社協さんや地域のみなさんと一緒に販売場所など相談してまわって、地域を巻き込みながら実現しました。地域の方に大変喜ばれていますよ。これも子ども食堂を通じた、パルコープさんとのつながりなくしてはできなかったことだと思います。
これからも、医療福祉生協として健康づくりを広めていく一方で、子ども食堂という居場所づくりも重視しながら、生協全体、地域全体でつながり交流して、より良いくらし、まちづくりに貢献していけたらと思っています」。