さざなみこども食堂
掲載日:2019年04月29日
- 場所
- 枚方市楠葉並木2-20-6 さざなみデイサービスセンター
- 開催日
- 毎月第1・3・4金曜日 17時〜20時
- 参加料
- 中学生以下:無料 / 高校生以上:500円
代表:景山 幸子さん
日中は高齢の方のためにデイサービスとして使っている場所が、夕方には子どもたちのための子ども食堂に。4時ごろに訪れると、調理はほとんど済んでおり、準備万端になっていた。調理メンバーは15人ほどのボランティアが、月3回開催の内1回入れるようにローテーションを組んでいるという。この日は6名体制。子ども食堂ができた3年前からのお馴染みの顔だという。中には料理の先生もいてご飯の味には自信ありと聞いた。「今日は前にパルコープさんから届いた豚肉に少し買い足して、豚のしょうが焼きと、ほうれん草とベーコンのバター炒め、きざみうどんです。あとは大皿に作ったチンジャオロースや白菜の炊いたん、サラダなどをバイキングみたいによそってもらうんですよ」。子どもにはジュースとおやつ付き。
5時を過ぎると「ただいまー!」とやって来る子どもたちを「おかえりー!」と迎え入れる。1度来た子は名前と好み、ご飯の量まで把握しているスタッフもいて、連係プレーで配膳していく。毎回100人ほど、幼児・小学生・中学生とお母さんたちも来るそうだが、にぎやかながらもゆっくりできる、居心地の良さが感じられました。
地域のご協力があってこそ
景山さんは、さざなみデーサービスセンターの看護師で、代表取締役も務めておられます。同じく取締役の豊田さんと一緒にお話をうかがいました。「もともと、すぐ近くの『ちいさいほいくえん みんなの里』さんが子ども食堂を始める際に、3カ月ほどデイサービスの営業が終わってからの時間、この場所をお貸ししていたことがあるんです。その後も、地域の子どもたちの力になりたいと、自分たちで立ち上げスタートしました。始めるにあたって、まず近隣の各小学校を訪問し、校長先生から地域の子どもたちの現状を伺うとともに、子ども食堂の立ち上げにご理解いただきました。小学校や児童会でチラシを配っていただいているのもあって、ここに来るのは小学生の子とそのお母さんが多いです。食材は、パルコープさんからいただく分と、堺市にあるフードバンク大阪さんまで取りに行く分で主にまかなっています。野菜は、パルコープさん(西くずは店)や近くの農家さんからいただくこともあります。地域のご協力があってこそです。本当に助かっています」。
趣旨は"子どものために"
「この地域は一見生活に困っている子どもがいるイメージはありませんが、何とか手を差し伸べてあげたいという子も実際います。何も貧困に限ったことではありません。両親が共働きで1人でいる子が来たり、『家での食事はほとんど話をせず静かなのに、ここに来ると友達がいるからか楽しそうに食べている』と喜ぶお母さんもいます。
中には大家族の一家が来ることも。実は私がその子たちの授業参観に行ったりすることもあるんですよ(笑)。ここに食べに来てもらうだけじゃなくて、時にはおじいちゃん代わりになって身近な存在として子どもたちを見守っていたいんです。そういった想いから、毎回子どもたちの食べている姿を写真に収めてアルバムにしています。子どもたちにも本人が写っている写真をプレゼントしていて、いつも喜んで持って帰っています。
とにかくうちに来てもらえる子を大事にしたい、満足に食べてもらいまんぷくな気持ちになって気持ちよく帰ってもらいたい…。ただ、それだけです。ネットワークとかも大切なんでしょうけど、とにかく目の前の子どもたちのためにやっています。
本当はここに来る子の人数がもっと減って欲しい。本来子ども食堂はない方がいいんです。目標は来る人がゼロになること。ですが必要とされている以上はずっと活動し続けて、子どもたちの成長を見届けたいですね」。