さだ子ども食堂
掲載日:2025年9月19日
- 場所
- 枚方市北中振3-27-10 さだ生涯学習市民センター
- 開催日
- 毎月第3水曜日 16:30~18:30
- 参加料
- 中学生以下:無料 / 大人:500円

さだ子ども食堂のみなさん
※場所・開催日・参加費は掲載日時点の情報です。変わっている場合がありますので、ご利用の際は予め主催や開催場所までご確認ください。


パルコープエリアにある「こども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、枚方市にある「さだ子ども食堂」さんです。

さだ生涯学習市民センターの調理室では、10名以上いるスタッフさんがそれぞれの担当をテキパキと進めていた。受付を見ると、番号札とすでに名前が入っている名札があり、聞くと「1度でも来たことがある人は名札が用意される」と言う。新規の利用者は必ず名前と住所をカードに記入し何かあった時用の連絡に使う。次回からは名前を言えばОKということである。毎回80名分ほどの食事を次々に出すため、番号札は欠かせない。気持ちよく食べてもらえるように受付順を守るためだ。
こどもたちに混ざって高齢の方やこども連れのお母さんなども、談笑しながら食べる様子もあった。
こどもも高齢者も
若いお母さんも大事にしたい
代表の森容香(もりようこ)さんにお話を伺いました。「さだ子ども食堂は約5年前に立ち上げました。それ以前はこの場所で別のこども食堂もあったのですが、事情でやめられて、新たにみんなで作り上げてきました。普段から別の活動で、行政や地域などとのやりとりなど慣れていることもあって、スタッフからお願いされる形で立ち上げを手伝い、代表も引き受けました。その時に名称も『さだ子ども食堂』に変更。
立ち上げ時は、地元のコミュニティ協議会にも出向き、会議で『こども食堂をやります』と報告させてもらいました。友人が集まって作った子ども食堂だったのですが、私としては本来こども食堂というものは地元に応援してもらって立ち上げて運営していくものだという考えがあったからです。おかげさまで、そのコミュニティ協議会とも関係も良好で、会長さんがチラシを作ってくださったり、地域の掲示板にポスターを貼ってくれたり、会長さん副会長さんが毎回こども食堂に来てくれたりしました。小学校にも校長先生にお願いしてチラシを配るなど協力していただき、スタート時に10名くらいだったこどもの参加人数が徐々に増えていきました。地域の民生委員さんもお手伝いに来てくれ、スタッフもクチコミで増えていきました。もちろんみんなボランティアです。『洗い場も大変だろうから』と、ちょうど良い時間に来て、すすんで洗い物を担当してくれるスタッフも。本当に大助かりです。見学に来られた方が『雰囲気が良いから手伝いたい』と言って来てくれている方も。そうして広がっていきました。
でも一時期、参加者がこどもだけでも120名を超えることがあり、スタッフが疲労困憊してしまって・・・。スタッフも高齢者が多いので、続けられなくなったらどうしようもないと、やむなく人数制限を設けることにしました。現在はこどもは80食分で、プラス大人やスタッフ分も入れて約100食作っています。それでも立ちっぱなしのこともあるので、準備が一段落して食事を提供するまでの間に、お茶などして一服する時間も大事にしています。無理なく、和気あいあいとみんなでやっていきたいからです。
でも、衛生面などしっかりやらないといけない部分はキッチリやっています。ちょうどスタッフの中に衛生管理の資格を持っておられる人がいて、衛生管理責任者を担ってもらっています。厳密に指導してくれるのでその辺は安心です。アクセサリーは着けたままで調理などしていないか、爪は切っているかなど、スタッフチェックも万全。受付も、何かあった時に連絡できるように初めて利用する方には住所・氏名もキッチリ書いてもらっています。それ以外の見学の方にももれなく記入してもらっているんですよ。
スタッフの中には、パソコン業務を手伝ってもらう人もあります。行政などへの申請はパソコン入力必須で提出量も多く大変です。年間で管理している書類も新年度が来たら更新しないといけないし、私もパソコンを買って頑張っていますがなかなか追いつかなくて・・・。みんなに助けてもらってばっかりですね。

メニューは、本来なら子どもが大好きなカレー1本でやってきたんですが、大阪府からレトルト食品などが入った食材セットをいただくようになってから、それに合わせて変えています。今日はレトルトのハヤシライスがたくさん届いたので、きのこをたっぷり足してアレンジしました。調理や盛り付けは時間との闘いですし、こども用と大人用に分けているので担当のスタッフは大変だと思います。受け付けた順番も守って提供したいので、番号札をお盆にセットして盛り付け。番号が見にくいから大きくするなど改善できるところは改善するなど工夫して『あーだこーだ』言いながら楽しくやっています。
食堂で使い切れなかった食材は、フードパントリーとして参加者に好きなものを選んで持って帰ってもらいます。保管する場所も無いので、毎回残さず使い切りです。
こどもを中心に、高齢者の方も利用してもらっています。大人の方の参加費は、寄付やと思って出してもらっています。次の食材費になるんです。市からの助成金もありますが、参加者が多いので足りません。以前、『こども食堂なのに大人が来てるやないか』と言われたこともあるんですが、貧困のこどもだけ対象など線引きはできないんですね。なので、『どなたでもどうぞ』ということにしてあります。こどもも大切ですが、高齢者のひとり暮らしも多く日頃はテレビだけが相手で誰とも話すことが無いなど、寂しい思いをしておられる方の居場所づくりも必要です。ここに来られている高齢者の方からは『こどもの声を聞く。たまには話しかけてくれるこもいる。賑やかな声がする場所で同じものを食べるということが楽しみになっているねん』と。また、乳幼児を抱えた若いお母さんも『ここへ来ると、知らない人と顔を合わせて同じような悩みの話ができて、ママ友もできて良かった』という話も聞きます。
被爆体験の語り部活動も
パルコープさんとの関わりは、2年前のフードドライブイベントのお手伝いでした。そのイベント運営の人手が足らないということで、さだ子ども食堂のスタッフと二人でお手伝いに来たとき休憩時間に、『食材の寄付提供があっても車や人の手配ができないので受け取ることができなくて困っている』という話をしたら、パルコープさんが直接届けてくれることになりました。ちょうど12月だったので、こどもへのプレゼントのお菓子をどっさり持ってきてくださって、嬉しくてありがたかったですね。今はお米や食材を毎月届けてくださるので本当に助かっています。
私個人でのパルコープさんとの付き合いはそれより前からです。私は現在『枚方市原爆被害者の会』の会長を務めていて被爆体験の語り部活動などもしています。小学校などでも話をしますが、パルコープさんの学習会にも呼ばれたことがあるんですよ。
5歳の時、広島の爆心地から約1.8km圏内の自宅で被爆。さまざまな病気も抱えながらなんとか生きてきました。いまこども食堂をやっているのは、被爆後、避難する最中に集落で助けてもらった時の食事やその時の思いもあるからですね。
今は食べて帰るだけになっているけど、もっとスタッフが増えて余裕が出てきたら新しいこともできたらと思っています。例えば体を動かすのが好きなこなら卓球などしたり、勉強がしたいこなら大学生ボランティアに来てもらって見てもらうなどできたら良いなあと。場所や人材が必要なのでいつになるか分かりませんが・・・」。