おかず食堂こども会

掲載日:2022年6月27日

場所
門真市元町5-16 カトリック門真教会(大阪愛徳幼稚園よこ)
開催日
毎月第3水曜日 16:00~18:00
参加料
子ども:200円 / 大人:500円
  • おかず食堂こども会

川端さん・船瀬さん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
 今回は、門真市にある「おかず食堂こども会」さんです。

 京阪「門真市」駅からすぐのカトリック門真教会。1階にある集会場が子ども食堂の会場だ。
 「子どもたちに季節を感じてもらいたい」と旬の食材を使って調理すると言う。パルコープから届けたものや、教会の信者さんからも食材の寄付がある。久しぶりの開催になったこの日は、炊き込みご飯・新玉ねぎステーキ・よもぎ天・とんかつ・さわら・ぎょうざ・ほうれん草のおひたし・鯛の味噌汁。船瀬さんのお母さんも急遽助っ人で大活躍。子どもたちが何度もおかわりするほど好評だった。

調理は4人ほどのスタッフで。ご飯ができるまで、教会前のスペースでボール遊び

ここでしか会えないけど つながっているんだなと実感

 運営をされている船瀬さんにお話を伺いました。船瀬さん「私たちの活動のはじまりは2015年ですね。もともとはお総菜屋さんで放課後に宿題をするようなこども塾も兼ねていました。当時は“食堂”というよりは、ちょっとおやつを食べたりしながら話ができる近所のお家という感覚でした。
 私自身、もともと不登校の子どもたちのカウンセリングをしていて、家の近くにも気になる子がいたので、家族や学校のしがらみが何もない、気兼ねなく話ができる、第3の居場所が身近にあればいいなという思いではじめたんです。カウンセリングというとちょっとお堅いですが、近所のおばちゃんが相談にのってくれる場所ということなら来やすいですよね。
 ですが、間借りしていたそのお総菜屋さんが休業されることになり、場所を変えざるを得なくなりました。そこで、自治会館でやってみることにしたのですが、大人数の食事を作るとなるとそれなりに光熱費もかかってしまいますし、使用料の問題や制限も多く…。そんな悩みを勤め先であるこの教会(大阪愛徳幼稚園)に相談してみたところ、教会側も地域や子どもたちのために何かやりたいという思いを持っていたことが分かったんです。教会側のハードルとなっていた食事を作る環境面については保健所に確認し、問題ないということで、じゃあここでやりましょう!となったんです。お互いの思いがマッチして、何とか続けられるようになりました。
 来てくれる子の中にはあまり学校に行けていない高校生も多く、よくお手伝いしてくれました。小さな子どもたちにとって、同じような境遇の異年齢が関わることのできる場所って少ないので、自分たちの気持ちが分かるお兄ちゃんという存在だったのではと思います。
 そんな矢先に新型コロナ感染症の拡大で、しばらく活動休止を余儀なくされてしまい、この5月は実に2年ぶりの再開となりました。子どもたちの2年ともなるとその成長っぷりはめざましく、久しぶりに見る顔ぶれに嬉しくなりました。当時来てくれていた高校生も今でも気にかけてくれたりして、ここでしか会えないけどつながっているんだなと実感しています」。

調理は4人ほどのスタッフで。ご飯ができるまで、教会前のスペースでボール遊び

子どももお母さんも交流できる 地域の居場所に

 船瀬さんと一緒に活動されている川端さんは「私は数年前、門真市に引っ越してきました。何か地域のことに携われたらいいなと思っていた矢先に、たまたま掲示板でボランティア募集の貼り紙を見て、今に至ります。最初はほんの少しお手伝いできればという程度でしたが、いつの間にかどっぷりで(笑)、こんなに深く関わることになるとは思っていませんでしたね~。
 いまだに子ども食堂に通う=貧困というイメージは根強いですが、そんなことなくって、子どもどうしお母さんどうしが交流できる地域の居場所なんだよ、ということを伝えたいです。お母さんには1食分ラクしてもらって、その間に子どものことは気にせずゆっくりしてもらいたい。きちんとお金もいただいている訳ですし、気兼ねなくね。子どもや親のしんどさは何も貧困に限ったことではありません。何かしんどくなった時に、ふとここのことを思い出してもらって、あそこがあるから頑張ろうって思ってもらえたら嬉しいですね。

男性ボランティアさんや、門真市子ども政策課の職員さんもお手伝いに

 親子だけでなく大人にももっと来てもらいたいです。例えば独居のお年寄りの方とか。先日開催した時、たまたまお孫さんを連れて入ってきてくれたおばあちゃんが、「本当に楽しかった!」ととても喜んだ様子で帰っていかれました。
 門真市には、地域の見守りを行う「子どもの未来応援団員」が何千人といます。中には、元教師や民生委員などもいて、気になる子どもがいたら子どもの貧困対策の専門チームへつなぐという、「子どもの未来応援ネットワーク事業」の一環となった取り組みがあります。私もその一員で、定期的に団員どうしで集まる機会があるのですが、その中でも子ども食堂に対する認識の違いを目の当たりにします。市が運営しているとか、原資がある中でやっているとか。そうではなくて、一般の地域住民が自分たちで何とかやりくりしながらも、地域とつながれる場所をつくろうと動いています。そんなこともまずはもっと足元から知っていただく必要があるなと思ったりもしています。そして、地域住民で協力して、本当に支援を必要としているところに情報が届くようになることを願っています」。

男性ボランティアさんや、門真市子ども政策課の職員さんもお手伝いに

子どもたちの健やかな成長には、心と体(お腹)の両方に対するケアが必要

 今後の活動についても、船瀬さんに伺いました。「コロナ禍であっても、パルコープさん含め寄付いただいたお米や食品をご家庭に届けに行ったりしていました。というのも、私は小学校で本の読み聞かせをすることがあるのですが、その際に朝ごはんを食べていない、食べられない子どもがいることを知り、少しでも子どもたちの腹の足しになればという思いでした。目に見えているのはまだまだ氷山の一角で、やっていることは微々たるものですが、目の前にいる限りはできることをやっていくつもりです。子どもたちの健やかな成長には、心と体(お腹)の両方に対するケアが必要です。
 子ども食堂ではできるだけ旬のお野菜を使うようにしています。地域の方にも恵まれて、旬のお野菜をいただいたいり、農協さんから貴重な門真れんこんをいただくこともありました。子どもたちは、何の食材でできているのか興味を持って聞いてくれることもしばしば。残すかな~と思いきや、完食してくれると作り甲斐ありますね。家では偏食だという子も、ここでは「え!食べれたんですか?!」というお母さんの驚いた顔を見ると、“みんなで食べる”ということに効果があるのではと思います。なかなか宣伝が行き届いていないところがありますが、みなさんぜひ気軽にお立ち寄りください」。

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