にっこりキラキラこども食堂

掲載日:2022年9月26日

場所
大阪市旭区清水3-9-11 天理教守口分教会
開催日
毎月第4または第5日曜日 16:00~17:30
参加料
子ども(幼児~中学生):100円 / 大人(高校生、保護者):300円

景山さんご夫婦

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、旭区にある「にっこりキラキラこども食堂」さんです。

にっこりキラキラこども食堂

 千林駅から歩いて5分ほどの、清水北公園前で活動されている「にっこりキラキラこども食堂」。いつも子どもの遊ぶ声が聞こえると言う。
スタッフは5人ほどで、朝からおかずの仕込みを始める。この日のメニューは、コロッケ・肉団子と野菜照り焼き味・切干大根・ゆで卵・ウィンナー・ミニトマト。景山さんの奥さんがデザインした可愛いおしながきには「切干大根はカルシウム・鉄分・食物繊維など栄養たっぷり♪」の言葉も添えられている。
夕方、予約制で取りに来る利用者がぞくぞくと訪れる。少しでも楽しんで欲しいと“くじ引き”も用意。親子が笑顔で引く様子も見られた。

にっこりキラキラこども食堂

食べることがもたらす力を身をもって感じて

 代表の景山さんご夫婦にお話を伺いました。

(景山さん)
 僕たちには発達障がいをもつ小学生の息子がいます。保育所の頃は先生の付き添いがあって、小学校は支援学校に入ることになったんですが、息子と周りとの関係性を見た時に、友だちは声をかけてくれるけど遊び方が分からなかったり、伝え方が分からなくてうまく応えることができない様子を目の当たりにしてきました。支援学校のことを色々調べてみると、どの学校も生徒どうしのコミュニケーションはなかなか難しいということが分かってきました。でも息子と友だちとのつながりは持ち続けていきたいと考えた時に、だったら地域ごとつながれたらいいんじゃないかと思ったのが、子ども食堂をはじめたきっかけでした。
 一方、僕自身がフレンチレストランやケーキ屋で働いていたこともあり、もともと食事を作ることが得意で料理に対する想いは人一倍。そして人生の中で食べることがもたらす力を身をもって感じていました。食べるって楽しい!色んな発見があるよね!そんな感覚が1日に3食もあれば毎日がもっと楽しくなるのではという思いから、せっかく作る技術があるのでそれを活かした料理教室やお菓子づくりなど、何か参加型でできないかなというのはもともと考えていて、息子のことをきっかけに、「食べること」と「地域ごとつながる」が合わさった子ども食堂という形に落ち着いたという感じです。

「にこキラ弁当」と、添えられたおしながき」/利用者の親子とスタッフ一緒にパチリ

 いざスタートしたのは2021年10月。「にっこりキラキラ」という名前は、にっこりして目がキラキラしている子どもたちからきています。逆ににっこりキラキラしていない子がいると、それは大人の責任。大人が子どもの面倒を見て子どもの様子に気付けるような地域になっていったら、社会も変わっていくのではと考えます。まずは子どもの友だちとか身近なところから気にかけていくことが第一歩。息子がゆっくり成長していってくれるからこそ、子どもの目線で見るチャンスをもらえて、こういった考えができるようになったのだと思っています。

(奥さん)
 夫の料理に対する知識は間違いないので、子ども食堂の調理担当として安心して任せていられます。知識がある分、食材の取り扱いや温度管理のことなど細かく注意されることもありますが、全ては来てくれる人のためを思ってのことなので、素直に言うとおりにしています(笑)
 スタッフは私たち夫婦と、私の母と、管理栄養士の妹と、ボランティア数名がいて、実は表に出している子ども食堂ののぼりはボランティアの一人であるお母さんのお手製なんですよ。イベント企画のアイディアを出してくれたり小物を作ってくれたりしてすごく助かっています。この“にこキラ弁当”というネーミングもその方が提案してくれて、今広めようと密かに頑張ってます!
 最初は30食程度を用意していたのですが、だんだんご利用数が増えてきて今や70食を超えるまでに。何とか対応できているのはスタッフみんなのおかげです。パルコープさん、ご近所さんはじめ、ご支援いただく皆さまにも感謝でいっぱいです。息子も誰かがやっているのを見て「僕もやる!」とお手伝いしてくれることもあります。今日のゆで卵の皮むきも手伝ってくれたんですよ。

「にこキラ弁当」と、添えられたおしながき」/利用者の親子とスタッフ一緒にパチリ

(景山さん)
 うちは予約制にしているのですが、時にはお断りすることもあります。やっぱり作る立場としては、一番に「余らせたくない」という思いがあります。ご支援いただいた食材によってどれだけ作れるかも変わってきます。それに予約制にすることで、前もってお母さんの心の余裕にもつながるかなと思って。

今は 居場所づくりならぬ“親子の時間づくり”としてご利用いただけたら

にこキラ0円こども服。入口の前ではご家庭から持ち寄られたこども服を陳列。次に必要としている方へのこども服の交換会が行われていた。

(奥さん)
 保護者の方々の話を聞いたり「助かる」と言ってもらったりすると、やっぱり夕食を作るのはパワーがいることだよな~と思います。仕事が休みの方も多いこの日曜日なんかは余計に。ここを利用してもらうことで、その分子どもに向き合う時間になればいいなと。今は居場所づくりならぬ“親子の時間づくり”としてご利用いただけたらと思います。

(景山さん)
 まずは20年30年と長く活動を続けていきたいですね。そのために何をすべきかを常に考え、まずはやってみて修正していく、ということの繰り返しだと思っています。参加するスタッフにも楽しんでもらいたい。周りの大人がにっこりしていたら子どもにも伝播する、という意味で、自分たちも楽しむということを何より大切にしています。
 早くここで食事ができるようになればいいですが、周囲とも相談しながら慎重に進めているところです。子どもと向き合えるきっかけの場所として認知はいただけているので、今後のことは様子をみながらですね。ここは公園の目の前にあるので子どもたちの声がよく聞こえてきます。日曜日なのに子どもだけで遊んでいる等子どもたちの様子を気にかけやすいという点で、立地に恵まれています。入口を開けておくことで逆に外からもこちらの様子が見えていいかなと。
 まだ始めて1年も経っていない駆け出しの子ども食堂ですが、将来的には、世代が変わっても次の担い手にバトンタッチして長く地域に根付くことを夢見ています。

にこキラ0円こども服。入口の前ではご家庭から持ち寄られたこども服を陳列。次に必要としている方へのこども服の交換会が行われていた。
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