みんな食堂むれの会

掲載日:2022年8月29日

場所
大阪市住吉区長居東1-20-32
開催日
毎月第2土曜日 12:00~15:00
参加料
子ども:100円 / 大人:300円

のりちゃん、浅田さん、安井さん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
 今回は、住吉区にある「みんな食堂むれの会」さんです。

“のりちゃん”は浅田さんが書道教室をやっていた時の生徒さん。子ども食堂の調理や配膳をこなす

 長居公園からほど近く、住宅街の中を進むと「みんな食堂むれの会」への道案内の看板がお出迎え。外観は普通の一軒家だが、一階奥は広々としたスペースが広がり、お手製のテーブルと牛乳パック椅子が子どもにはちょうど良い居心地を作っている。
 事前に用意したポテトサラダ・高野豆腐煮と、万願寺甘とう炒め・しらす丼・冷やしそうめんがこの日のメニュー。農業を営む浅田さんが万願寺甘とうを収穫。度々、こうした野菜が使われる。ご飯を食べた後は恒例のゲーム大会。安井さんが、珍しい海外のボードゲームやカードゲームを持って来て一緒に遊ぶそうだ。

“みんなのよりどころ”になれるような居場所に

 代表の浅田さんにお話を伺いました。「地域のコミュニティの場になるような子ども食堂を開設したいと、まずグループIBASYOを立ち上げ、2018年1月からこの「みんな食堂むれの会」をスタートしました。私はもともと中学校の教師をしていたこともあって、色んな子どもたち、親御さんたちを見てきました。その中で、漠然と何かしなければと考えていたのです。ここは持ち家ですが自宅は別にあって、いろいろ考えていることを実現しやすいように一軒家にしました。
 一方、高齢で農作業が負担になった親に代わって30代で教員を辞め、「あさだ農園」でエコ農業※をはじめました。それまでの作柄を変えるために農業大学の短期プロ養成講座で新たに農業を学び、体験農業の受け入れも行いながら多品目少量栽培で野菜を育ててきました。大阪エコ農産物の認証を受けた“なにわの伝統野菜”(田辺大根、天王寺かぶら、難波ネギなど)や露地野菜たちは、直売所やマルシェで販売している他、このみんな食堂でも活用しています。
 私は1991年に前身の3生協が合併してパルコープになる前からの組合員で、パルコープに漬物を販売している堺共同漬物さんとは組合員活動でも農作物でも昔からお付き合いがあるんですよ。毎朝4時台に起きて、特にこれからの暑い季節なんかはかんかん照りになる前に農作業をしています。今日も早朝から畑に行っていました(笑)農薬や化学肥料を極力使わずに作る農産物は手入れが大変ですが、汗かいて作った作物を子どもたちが美味しいと食べる姿はやっぱり嬉しいし元気をもらえますね。

“のりちゃん”は浅田さんが書道教室をやっていた時の生徒さん。子ども食堂の調理や配膳をこなす
子ども3人を連れて訪れたお父さんは「地元に子ども会がないから、子どもたちにとって大人と交流できる貴重な場ですね」

 住吉区では3ヶ月に一度、住吉区地域・子ども食堂連絡会で子ども食堂どうし交流する場があり、そこには区長も来ています。今年の5月にはメンバーで「すみよし子ども映画会」を開催し、子ども食堂を知っていただく機会にもなりました。こうして区役所や大阪市社会福祉協議会とも連携をしています。
 みんな食堂むれの会の「むれ」は漢字にすると「群」で、子どもだけでなく文字通り大人も子どももみんなが集える場所として開けています。いつも来てくれる独居のおばあちゃんもいて、多世代でわいわいしています。中には、事情で自治体から支援を受けているお母さんが、人とのつながりを持てる場所として紹介を受けて来られることもありました。地域の人と交流できる場がなくなってきている今、ここがコミュニティの場になって、地域・社会とのつながりを感じられる居場所になればと思いますね。

 ここを開設してから5年目を迎えますが、振り返って良かったなと思うことは、コロナ禍で学校が休校になった時も休まずぶっ通しで開けたり、お弁当を持って帰ってもらったりできたことです。パルコープさんからいただいた助成金含め色んなご支援があったおかげです。パルコープさんから日常的にいただく食材も安心だし本当に助かっています。加えてこれからは、学習指導など考えていることはいろいろあるので、体力の続く限りやっていきたいと思います」。

子ども3人を連れて訪れたお父さんは「地元に子ども会がないから、子どもたちにとって大人と交流できる貴重な場ですね」

 ※エコ農業…農薬や化学肥料を通常の半分以下に減らして栽培する環境にやさしい農業のこと。環境保全型農業とも言う。

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