まんぷく食堂(1号)

掲載日:2019年02月25日

場所
守口市西郷通り1-3-4 ララはしば商店街の中
開催日
毎週土曜日 11時~15時
参加料
子ども:無料 / 大人:300円(乳児をお連れの方は無料)
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山下 桃さん

代表:山下 桃さん

わがまちの*子ども食堂訪問記 わがまちの*子ども食堂訪問記
まんぷく食堂(1号)

 守口市に子ども食堂は4カ所あり、まんぷく食堂1号はララはしば商店街の中にある。元ドーナツ屋だったその建物は、正面入り口の戸を開けると大きいテーブルが置かれ、そこが子どもたちが食事をする場所となる。奥のキッチンではスタッフが巻き寿司の準備中。この日は節分前日。おかずは豚のしょうが焼きなどが並んだ。いつも野菜やお肉などは商店街から格安で分けてもらっているそう。パルコープから届けたお米や緑豆もやしなどの食材も使われていた。
 早めに来た子どもたちは食事ができるまで、2階で宿題をしたり、友だちと遊んだりして自由に過ごす。開催が昼間ということもあり、ここを待ち合わせ場所として友だちとワイワイ食べる子や、小さい子を連れたお母さんも訪れる。代表を務める山下さんの温かい雰囲気が部屋に溢れているような空間だった。
 1月末の土曜日に行われた餅つきは、まんぷく食堂の想いを受けて商店街の協力により実現。「まんぷく食堂ができて、年寄りだけの商店街に子どもの声が帰ってきた。おっちゃん・おばちゃんたちにも活気が出てきたように思う。“子どもは宝や”」と商店街の男性が話してくれた。

まんぷく食堂(1号)
まんぷく食堂(1号)

ココロもカラダもまんぷくに

 山下さんにお話をうかがいました。「子ども食堂を始めようと思ったきっかけは、2015年7月、テレビ番組で子ども食堂のことを取り上げているのを見た時。子ども食堂の事をその時初めて知り、『あ、私、これやりたい!』と単純にそう思ったんです。『ご飯やったら作れる、私にできることはこれだ!』と。ちょっと前の私なら無理でした。当時中学3年生の受験を控えた一人娘(しかも反抗期真っ只中)でいっぱいいっぱいでしたが、そんな娘に相談してみたら『ええんちゃう。向いてるんちゃう』とあっさり(笑)。その言葉にも後押しされ、まずは出来る範囲で一度やってみようと決めました。ただ、その為には人・場所・食材・資金など乗り越えないといけない課題がありました。
 一番は場所と食材。まずは市の公民館、役所、社協さんなど色々あたってみました。そんな中、インターネットで「食品 廃棄」と調べていると「フードバンク大阪」さんに辿り着き、早速問い合わせてみるもそう上手くはいかず。ですがそこから約2週間後、なんとフードバンク大阪の方から「実は守口市でこども食堂をやりたいという方がいるので一度会ってみませんか」とお電話があったのです!聞くと、同年4月に「生活困窮者自立支援制度※」が開始されるにあたって新しくできた地域の総合窓口(くらしサポートセンター守口)の方で、お話してみた結果、立ち上げにご協力いただけることになりました。そうして2015年11月、こどもたちの『ココロもカラダもまんぷくに』という想いでスタートしました。この間4ヶ月、勢いと手探りでここまで来ましたが、本当にご縁に感謝です。さらなるご縁がパルコープさん。年に数回のイベントでお世話になっていた近所の氷屋さんがパルコープさんの取り組みを知り、繋げてくださったのです。いただく食材はいつも本当に大助かり!お米はわざわざ買うことがなくなりました」。

まんぷく食堂(1号)

地域の子どもは地域で守る。どんどん甘えて欲しい

 「始めて1年目に思っていたのは“こどもたちが良い子過ぎる”。おそらく甘え下手なんだろうなと。それはお母さんにも言える事です。私自身がそうでした。でも、相談してみると周りがすんごく力になってくれて『あ、甘えてもいいんだ』と思えるように。ここは、くらしサポートセンターと連携していますので、お母さんが窓口に相談に来ることで知ってもらえるというケースもあります。自分一人で抱え込まずにそうやってどんどん人に甘えて欲しい。私自身、はっきり言って子育て下手くそなので偉そうなことは言えませんが、共感することはできると思っています。無料だとかえって遠慮してしまうのかなと感じることもありますが、例えば100円にするとその子は毎回お母さんにもらわないと来られない訳ですよね。週に1回のお昼ご飯くらいいいじゃないの、その分お母さんラクできるじゃないの。私はそう思います。
 くらしサポートセンターとの連携で言えば、ここのスタッフの中には就労訓練の一環で来てくれている人もいます。最初は戸惑いがあったでしょうけど今では子どもたちに愛称で呼ばれたりすっかり馴染んでいますよ。いずれは仕事に就けるようになるまでになってもらえたら嬉しいですね。

 最後に、この食堂は商店街の方のご協力がなければできません。助けていただく場面も多々ありますが、子どもたちの声が商店街の活気にもつながっているのであれば嬉しいです。これからも、くらしサポートセンターや商店街のみなさんと地域一丸となって、子どもたちを見守っていけたらなと思います」。

※生活困窮者自立支援制度…平成27年4月から始まった制度で、生活全般にわたるお困りごとの相談窓口が全国に設置されるようになりました。

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