ルポン子ども食堂
掲載日:2021年09月27日
- 場所
- 枚方市高田2-20-17 カフェ・ル・ポン
- 開催日
- 毎月第4木曜日 17:00~19:00
- 参加料
- 子ども:無料 / 大人:500円(運営協力金)
スタッフのみなさん(左端が田島さん)
パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、枚方市にある「ルポンこども食堂」さんです。
京阪バスも通る道路沿いに、白を基調にしたおしゃれな建物がカフェ・ル・ポン。毎月第4木曜日は「ルポンこども食堂」に。緑豊かなアプローチの玄関を開けると、とうもろこしのいい香りが店内に漂っていた。茹でたり、ご飯に混ぜたりして彩りも鮮やか。メインはトンカツで、羽曳野の豚肉屋さんが毎回無償で持って来てくれると言う。メニューは手作りで野菜中心にこだわり、アレルギーなどにも配慮している。通常のボランティアスタッフ8名の他に、以前利用者だった人もお手伝いするなど和気あいあいとした雰囲気だ。コロナ禍のなか現在は、一緒に食事をする食堂形式を変更し、お弁当のお持ち帰りに。今では200食近く作って、店頭でお渡している。
どんな子も地域で共に生きる
代表の田島さんにお話を聞きました。「子ども食堂は、2018年から始めて今で4年目になります。開催場所であるこのカフェ自体は、私たちが運営する『こどもテラス』という、重症心身障がい児を対象としたデイサービス(今は保育園)とともにオープンしました。もともと私は府の保健師をしており、当時色んなご家庭のサポートをする中で、子育てが全て親の責任であるという世間一般の風潮を目の当たりにし、特にハンディを持った子どもが地域の中で育つことの重要性や、当たり前に地域で暮らすことの難しさを実感してきました。そこで、子どもの人権や保育・教育・子育て相談事業に携わってきた母の力も借りて、運営会社を立ち上げるに至りました。デイサービスだけだとどうしても閉ざされがちになると考え、開かれた場所で地域とつながれたらいいなという想いを込めてカフェも始めることに。「ルポン」はフランス語で「橋」という意味で、人と地域をつなぐかけ橋でありたいと名づけたんですよ。生きる上で共通の”食べること”を通して、どんな子も地域で共に生きることを目指しています。
とは言え、今はコロナで一緒に食べることはできません。しかし手作りで野菜中心の美味しいごはんというコンセプトは、お弁当になっても変わっていません。アレルギーの方もいるので、基本たまごや生野菜は使わないようにしています。栄養と美味しさに加え衛生面にも気を配るのは難しいですね。いつも食材など支援してくださる皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。パルコープさんからいただくお米や冷凍食品もとても重宝しています。ここは月1回なので、少しでも次の開催までのつなぎになればと持ち帰っていただくこともあります。
子ども食堂という名前ですが、「こどももおとなもどなたでも」を掲げてやっています。貧困をスポットに当てるというよりは、ちょっとくらいお母さんがホッとしてもいいじゃないと分け隔てなく来ていただいています。ご近所さんからのおすそ分けって感じです。
人と人とのつながりは「私の財産」
実はカフェを始めた当初は、子ども食堂をするなんて考えていませんでした。子ども食堂自体は知っていたのですが、自分のやっていることとあまり結びついていなかったんです。そんなある日、『ひらかた子ども食堂ファンクラブ』のメンバーの方と出会ったことをきっかけに、子ども食堂をやってみることに。同じ枚方で子ども食堂をやっておられる「みんなの里こども食堂」さんへ見学にも行かせてもらいました。また、すぐ近くにある春日小学校の校長先生が快く協力してくださり、事前に校内でチラシを配布してくださいました。そのおかげで、1回目から100人くらいのご利用があり、ニーズがあることを実感することができました。そうやって、ここは人と人とのつながりで続いてきました。全て私の財産です。200食分を作るのは大変ですが、現在8名いるボランティアスタッフにも恵まれ、みんなで補い合いながらやっています。
コロナ禍の中給食が大切だった子たちもいるので、本当はもっと開催日を増やしたいんですがマンパワーが足りず…。まずは続けることを大事にして、あとはその時その時で臨機応変にやっていけたらと思っています。今考えているのは、昨年パルコープさんからいただいた寄付金で、テイクアウトの際に使っていただけるようなオリジナルの風呂敷を作ろうかなと。できるだけ環境にも配慮していきたいですね。また、将来的にはお持ち帰りとイートインが選べるようにできたらと考えています」。
※ひらかた子ども食堂ファンクラブ
枚方市で子ども食堂を運営されている方々やボランティアの方々を応援する団体。ボランティア、食材・物資を提供してくださる方の募集、子ども食堂の啓発活動などを通して子ども食堂を応援することで、ひとりでも多くの子どもや親御さんたちに、つながりや温もりが実感できる居場所を届けたいという思いで活動されています。