平野宮町みんな食堂

掲載日:2021年08月30日

場所
大阪市平野区平野宮町1-6-2-101号 イズミヤ平野店1階
開催日
毎週火・木・土曜日 12:00~14:00
参加料
子ども:無料 / 大人:500円
  • 平野宮町みんな食堂
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原田 多賀子さん

南 延夫さん、福住 文子さん

わがまちの*子ども食堂訪問記

 パルコープエリアにある「子ども食堂」を訪問し、活動の様子や運営されている方の思いなどをご紹介します。
今回は、平野区にある「平野宮町みんな食堂」さんです。

 JR平野駅すぐの大型スーパー内にある「平野宮町みんな食堂」は、生活空間の一部として誰もが利用しやすい立地を活用して昨年2月にオープンした。緊急事態宣言下では食堂内での飲食を休止しお弁当配布に切り替えた時期もあったが、それ以外は食堂内で提供した食事を食べることができるようにしている。提供方法もユニークで、火曜日・木曜日は「じぶん弁当」というネーミングで、お弁当の容器に好きなおかずを詰めてもらう。土曜日は定食形式。それぞれメイン調理担当が決まっていて経歴も所属も違う3人が担う。木曜日担当で食堂代表の福住さんはお母ちゃん的な存在で、子どもに寄り添いながら家族の心配事にもそっと関わる。大阪市こども見守り強化事業の公認も受け、子どもも大人もホッとできる居場所になっている。

平野宮町みんな食堂

全世代を対象とした地域食堂として立ち上がって

 現場を運営する「HOMEステーション」スタッフの南さんにお話を聞きました。「もともとここは、色んな団体、色んな方々との関わりの中で、全世代を対象とした地域食堂として立ち上がりました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で学校が休校になり、地域内で食事や居場所を得にくい子どもたちが急増している様子を見て、『とにかく目の前の子どもたちがご飯を食べられる状況を作らなければ』と、5月頃からお弁当の配布をスタートした後、今の形になりました。
 『みんな食堂』の在り方については大阪市とも相談し、コロナ対策をした上で続けていくことを決め、イズミヤさんにも快諾いただきました。コロナ禍で他の子ども食堂はほぼ閉じていたということもあり注目していただき、ありがたいことに応援が集中したことで、今のような食事の提供を定期開催できるようになりました。食器や冷蔵庫などほとんどが寄付いただいたもので、大事に使わせていただいています。
 パルコープさんからいただく食材も本当に助かっています。特に冷凍食品!調理スタッフがいない時、ふらっと来た子に、がっつりじゃなく『まぁとりあえず座りいや』とサッと出せるのでめちゃ便利です!時にはワンオペママの救世主にもなります。定期的にいただける安心感もありますし、むちゃくちゃありがたいです。
 現場を担っているのは、僕も所属している一般社団法人 HOMEステーションスタッフで、福住が常駐してくれています。あまり子どもたちに深くは聞かないけれど、よく見ているようで、親御さんとの信頼関係もうかがえます。気になる子がいれば行政に調査を依頼し、結果を受けてうちとして何ができるかを考えたりもします。この間、関係者の皆さんとたくさん話して、たくさん悩んで、少しずつ、地域の親子や子どもたちの居場所として活動できるようになってきたかなと思っています。
 また、この食堂の特徴は、ユニリク(ユニバーサル・リクルーティング)の活動とリンクしている点にあります。企業雇用の障がいスタッフの方もここで活躍されているんですよ。間に入ってくださっているのが(株)GIVE&GIFTさん。この場所も借りていただいているので、障がいスタッフの方の給料だけでなく家賃の心配もいりません。そこが本当に大きいですね。

平野宮町みんな食堂

子ども版"赤ちょうちん"のような場所に

 みんな食堂をやってみて思ったのは、“関係性の貧困”について。それはもちろん目に見えないし、1・2回会っただけでは分からないです。普段お兄ちゃんお姉ちゃんという役割を演じている子も、ここではひとりの子どもになって自分を出せるようになる。子どもが子どもらしくいられる場所になっているのかなと感じています。子どもには子どもの世界があって、人数が多いなりの接し方、色んな状況下での立ち位置、血のつながりのない中での上下関係なんかを学んでいるんでしょうね。それは見ていて面白いですし、皆さんもきっとそうだったんじゃないでしょうか。
 実は僕自身、子どもの頃は養護施設にいて、自分の居場所が分からず人の目が気になる思いをしてきました。だからこそ、みんな食堂は、子どもにとっての居場所が1つでもあればという想いでやっています。ここがそうなれているかは分かりませんが、家に帰る前にちょっと寄ってみようと気軽に立ち寄れる場所、大人で言う所の赤ちょうちんみたいな場所ですかね。現在食事の制度は子どもファーストですが、大人も利用いただけるので、別の曜日は大人がメインだったり、大人も子どももわいわいだったり。僕ら大人だって立派でも万能でもなく、それぞれ大変で頼りないけど、やれば意外とできるんやで!そんなこともやっていく中で子どもたちに伝えていけたらと思っています。

コミュニティ=あるものでなく作るもの、社会=もっと広い

 町内会や自治会は、その地域の人しか参加できないですよね。それはそれで大事なことなんですが、地域の垣根を超えたこういう場所があってもいいかなと。“コミュニティ”がひとり歩きしがちですが、捉え方によっては線引くということ。つまりは、あるものでなく作るもの。自分でたくさん作れて選べるんです。子どもたちにはその事に気付いて世界を広げてほしいですね。本当はこういった場所がもっと地域に点在していて、子どもたちがその日の気分で「今日はここにしよう」と選べるようになればいいですけどね。
 今考えているのは、ここが地域食堂のハブになって、食材をシェアするという取り組みです。これからそんなことも地域ぐるみでできないかと検討しています。
 代表の福住さんは「オンラインで行う小・中学生の学習サポートに力を入れていきたいですね。ここに来れなくてもオンラインでつながって、学習の中で気軽に相談できる場として機能できればと思います。地域食堂となると、どうしてもおっちゃんおばちゃん相手になるけど、年の近い大学生や元教師の方たちに担っていただくことで、自分の近い未来が想像しやすくなるのではと考えています」と語ってくれました。

※「どうしたら障がいスタッフを雇用し続けられるのだろう?」という企業の悩みを解決するための仕組み。「(株)GIVE&GIFT」が提案する雇用方法で、雇用する企業と一緒に、地域の社会課題の解決に向けたアクションを、新たに雇用した障がいスタッフとともに生み出していくというもの。出向先は、地域のNPO法人や地域食堂など、社会課題解決に取り組む現場へ。企業の障がいスタッフがこども・高齢者などの支援の担い手として、優しいコミュニケーションの中で、長く活躍しつづけています。

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